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示談書  作者: 清田伸治
3/23

関西地方は昨日梅雨入りしたと朝のTVで言っていた。

理奈はここ最近ずっと雨だったのに梅雨入り宣言が遅すぎるのではと思いながら、傘をさし本部へ向かって歩いていた。


川崎理奈23才、子供のころから大好きだった大手ハンバーガーチェーン店に高校・短大と5年間アルバイトとして働き、そのまま就職。

そのキャリアとまじめな仕事ぶりが認められ、この4月から全国最年少のエリアマネージャーに抜擢、大阪東地区各店舗のアルバイト教育を担当する。


自分の取り柄は気が強いところ、というぐらい負けん気が強く、アルバイト達から恐れられている存在である反面、整った顔立ちやモデル並みのスタイルの良さから、その美しさには定評があり、異性・同性を問わず人気もあった。

特に異性からは何度もアプローチを受けるも、本人に全くその気が無く、今日まで23年間交際歴はゼロという変わり者でもある。


夏が近づくにつれ日が長くなり6時を過ぎても明るくなったとは言えその日は雨で薄暗かった。


理奈は本部まであと数分の交差点で立ち止まっていた。

ふと前を見ると、赤いランドセルを背負った小学1・2年生ぐらいの女の子が、片手に傘、もう片方の手にМのマークの袋を抱え同じく信号待ちをしていた。

Мのマークの袋 理奈の勤めるハンバーガーショップの袋である。

理奈は自分もちょうどあのぐらいのときに初めてハンバーガーショップに行き、そこで働くお姉さんたちを見て、すごくかっこいいとと思い、大きくなったたら絶対ハンバーガーショップのお姉さんになろうと心に誓ったな、と思い出していた。


と、その時、都会特有の強いビル風がふいた。

あっと思ったら、向かいの女の子の傘が車道の方へ飛ばされ、それを追い女の子も飛び出した。

理奈が左を見ると一台のワゴン車が近づいていた。

「あぶない!」

理奈は咄嗟に飛び出していた。


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