我ら青鮫学園探偵部の珍道中日記
探偵部 今日の活動報告日記
杉内部長は今日も暴走する。
なんと今日の部長は、俺たち部員に殺人事件を起こしてこいと言われた。
殺人事件の推理をしたいと駄々をこねる部長。
バットを構え、脅迫まで開始した……もはや部長が殺人事件を起こしそうな勢いだよ!
上司からのパワーハラスメント……パワハラに俺たちは屈しそうになった時、その客は突然訪れた。
ーーー
「小さな事件から殺人事件まで、我ら青鮫学園探偵部へようこそ!」
杉内部長はいつものように、来客に対して台詞を口にする。
ちなみに、いつもは部長席に座っているのに、今日は立っており、その背中にはさっきまで振り回していたバットを隠している。
「部長、早く席に戻った方がいいですよ」
来客に隠し持ったバットに気づかれないように、俺、『幸薄』の異名を持つ林 木一は部長に言う。
「そうだったな、久々の殺人事件の依頼だ。
さあ、話してくれたまヘッ!」
『へ』に妙なイントネーションをつけ、バットを自分の席の下に隠したのは、この探偵部の部長で、『ポワロの襲来』こと、杉内 英樹だ。
ちなみに学校では、『酷過ぎ、杉内』 で通っているくらいに酷い部長なのだ(一応、学園トップクラスの美男子ではあるが、行動や言動に色々難のある、問題児だ)。
「部長、殺人なんて頭脳は大人の少年探偵がいなければおきないわ……」
そう言って、俺の目の前に座っている我が部の紅一点、『黒百合』の黒條院 押花が、探偵物の小説に目を落としながら、部長に告げる。
その彼女のクールな声や、サラサラとした黒髪、整った顔立ち、その一挙一動の全てに、俺の心は一瞬ざわめきが起きるが、すぐに静まりかえる。
『彼女の困った性格』を知る俺にとって、彼女を恋愛の対象に見れなくなっていたからだった。
「ちぇ、じゃあ、しょーもない依頼?」
部長は口を尖らせて呟く。
「ちょっと待ってください、部長。
あんたさっき小さな事件から殺人事件までって言ったじゃないですか」
俺は部長にツッコムと、部長は口を尖らせたまま答える。
「だって殺人事件がいいんだもん」
「殺人事件なんて絶対に起きませんよ」
「起きるもん。
少年探偵もジッチャンの孫も事件、起きてるじゃん」
「漫画だから起きるんです!
むしろあんたは殺人事件を起こす側だ!」
俺は椅子に座って部長にツッコム。
俺たちのやりとりをずっと黙って聞いていた、訪問客である女子生徒は痺れを切らしたのか挙手する。
杉内部長は「こほん!」と咳払いをすると、「どうぞ」と言う。
女子生徒は、その手を下げることなく、口を開く。
「はーい、昨日私の家と、私の友達の家に入り込んだ人、挙手!」
女子生徒はそう言うと、部室にいる俺たち全員に対して言った。
ああ、このメンバーの内、また誰かが問題を起こしたのか……。
結局、犯罪を推理するよりも、事件を起こす側の方が多いかもしれない俺たち探偵部は、四人のメンバーの内、二人が手を挙げる。
「すみません、どうしてもって後輩に言われて」
「すみません、私、部長にどうしてもって頼んじゃって……」
杉内部長と押花は手を挙げる。
両者とも、目を逸らしながら謝罪した。
「それじゃあ、二人はちょっと体育館裏に行こうか?
盗んだ下着、返してもらわないとね?」
依頼者、もとい被害者は部室の入り口のドアを親指で差す。
彼女の言葉に外で待機していたのか、多数の女性の声がざわめきとなって大きくなっていく。
俺は、これから二人がどうなるのかを考えると恐ろしくて、身震いしながら、依頼者が二人を体育館裏に連れて行くのを見送った。
探偵部 今日の活動報告日記
その後、二人は某世紀末の敵キャラのように腫れた顔になって帰ってきた。
この二人がそれぞれ学内トップの美男、美女だと言うのだから、
『天は二物を与えず』なんて言葉を信じられない。
むしろ『天は二物を与えるけど、変な物を与えるよ。気をつけて!』に変えるべきではなかろうか。
特に部長の酷さには目が余るものがある。
押花もトラブルは起こすが、部長の酷さと比べたら対したことはない。
両者ともに、俺たち青鮫学園探偵部の日常を知れば知るほど、その理由もおのずと分かってくるだろう。
ーーー
「小さな事件から殺人事件まで、我ら青鮫学園探偵部へようこそ!」
『酷過ぎ、杉内』こと、杉内部長はいつものように、一人でいつもと変わらぬ台詞を口にする。
暇だから発声練習でもしているのだろうか。
ちなみに昨日、あれだけ腫れ上がっていた顔がなぜか一日で元に戻っている。
「部長、昨日あの後どうなったんっすか?」
俺こと、林 木一は昨日、恐ろしくて聞くに聞けなかった、体育館裏の出来事を質問する。
部長はすぐに耳を抑えて、蹲る。
「聞、聞かないでくれ!
も、もう殴らないでくれ!」
「PTSDになってる!?」
「こ、後輩に頼まれたんだ!
僕の大好きな、アイスを奢るからって言われて!」
「部長はアイスで下着泥棒の協力、するんっすか!?」
「し、仕方なかったんだ!
事件なんて起きないし!」
「でしょうね!」
「僕が犯罪を起こし、僕が事件を推理して、犯人をでっち上げる。
国家規模の事件が僕を呼んでいないなら、僕が事件を起こせばいいと思って」
「あんたそれでも探偵か!」
俺がそう叫ぶと、部長は「ヒィ!」と仰け反り、机の下に隠れた。
どうしようもない部長を無視し、下着泥棒の主犯者である、『黒百合』こと、
黒條院 押花に事件の真相について尋ねる。
「なあ、押花?」
「何……?
『幸薄』……?」
俺のことを、彼女はクールな声で、俺の嫌な二つ名である、『幸薄』と呼ぶ。
『幸薄』などと言う二つ名に決められた理由は簡単。
この部に入った事自体が幸薄なのだ。
「昨日の事、話して欲しいんだけど」
「ええ……。
分かったわ……」
彼女は探偵小説の本を閉じると、俺と面をあわせて話す。
彼女も部長と一緒で、昨日の腫れが引いていた。
「私、二日前、めぼしい女性の下着を欲しくてね……。
それで部長にアイスを奢って、協力してもらったの……」
彼女はそう言って、クールを通り越して、いっそ、ダークな雰囲気を醸し出しながら笑い、俺はビクッと震える。
彼女、黒條院 押花は、女性であるにも関わらず、女性好きで、様々な怪しい行動を常日頃から行っている。
女性生徒の住所を調べ上げて、下着泥棒するのは勿論、ストーカー行為や、学校中に隠しカメラを設置したり(しかもアングルが犯罪)、付き合っている女性生徒がいる場合、男の方を呪い殺そうと藁人形に一日中、五寸釘を刺していたりする生粋の変わり者だ。
しかも、探偵部に入った動機が、『殺したい男が出てきた時、警察の手が届かない完全犯罪をやってのけたい』だからだそうだ。
これでも校内トップの美少女で、入学当初、俺や多くの男子生徒は釘つけになったのも今や昔。
現在進行形で彼女の人気は滝のように落ちている。
「怒る彼女達の姿……脳裏にしっかりと焼き付けたわ……」
「……あんまり部長を巻き込むなよ」
俺は、探偵部唯一の同学年と言うことで、気兼ねなく彼女に話す。
……まあ、ダークな雰囲気があるって言っても、ある程度は普通に接してくれているし。
「うふふ……。
そうするわ……」
彼女は俺に微笑む。
彼女の実態を知らなければ、俺は間違いなく彼女の笑顔の虜だっただろう。
いや、一時期の俺は彼女の美貌に完全に虜だった。
そして、俺はほとんど彼女について行く形で探偵部に入部したのが、全ての終焉だった。
彼女は俗に言う、『ヤンデレで百合』だ。
彼女の常軌を逸する行動に、俺や、周囲の人間は、いつの間にか彼女を恋愛の対象に見れなくなってしまっていたのだった。
そして後悔先に立たず。
俺は既に探偵部に入部していた。
探偵部 今日の活動報告日記
俺と押花と、一つ上のもう一人の先輩とで今日一日中雑談して、帰った。
なんだか、部長の席の下で、ひたすら「聞かないでくれ、もう殴らないでくれ」という声が聞こえていたが、ボイスレコーダーでも壊れたのだろう。
俺たちは部室のドアを閉めて鍵を掛ける。
何かを部室に忘れていたような気がしたが、特には気にしなかった。
翌日、一番乗りで部室に入ると、部室に部長の魂みたいなのが浮いていたが、俺は別に気にしない。
ーーー
『小さな事件から殺人事件まで、我ら青鮫学園探偵部へようこそ!』
『酷過ぎ、杉内』こと、いつもより半透明な杉内部長は、一人でいつもと変わらぬ台詞を口にする。
客が来ているわけではないが、
部長の口から飛び出している部長の魂みたいなのは、今日も元気いっぱいだ。
「げ、元気いっぱいなわけないでしょ……?
早く助けなさいよ……」
なぜか目の前の席の、『黒百合』の黒條院 押花は、俺こと、『幸薄』の林 木一の心の中を読んできた。
「大丈夫だって、部長、いつもあんな感じだったろ?」
「私には死にかけに見えるのだけれど……」
「だったら尚更大丈夫だって」
「何が……!?」
「だって、部長いつも言ってたじゃん。
殺人事件の謎を解きたいって」
「よりによって自分が殺される事件だとは思わなかったでしょうね……」
「はい、南無、南無」
「すごく適当ね……」
「塩、撒いといて。
部長の霊に祟られたくないから」
「今日のあなたの部長への態度、キツ過ぎないかしら……?」
「えー?普通だよ。
俺、いっぱいパシリさせられて、いっぱい意味もなくケツバットされたけど、
部長の事信じてるんだよ」
「あなたの恨み辛みが聞こえてきたのだけど……」
押花はなぜか、俺に対して怯んでいた。
いつもはダークな雰囲気を漂わせる押花に対して俺が怯んでいたのに、今日はいつもと逆の立場で、俺は頭に、『?』を浮かべる。
「…………」
俺たちの話を隣で聞いていて、呆れたのか、俺の隣の席に座っている、
ゴリラみたいな顔で、ゴリラみたいに巨体な先輩、草狩 猪進先輩が、黙って立ち上がる。
先輩は、魂が抜けかかっている部長の抜け殻の方に近づくと、先輩は部長の背中を強打した。
「グオッ!
うお、猪進君!
僕に何の用かね?」
殴られた部長の魂は、部長から出て行くこともなく、部長の口の中へと戻っていた。
「チッ!
生き返りやがったか!」
「うん、木一君?
どうして塩を持っているんだね?」
俺は手で直接持った食塩を、窓の外に捨てると、手を数回叩いて、塩を完全に捨てる。
俺は「何でもないですよ」と笑顔で言うと、愚かな部長は何も気づかずに復活した。
……チッ!
「今日は私以上の闇が見えるわ……」
「なんのことかな?
押花さん?」
「な、なんでもありません……」
俺は萎縮する押花に笑顔を向けると、彼女は恐怖で怯えた表情になる。
……心外だなぁ。
二人でやりとりしていると、隣の席に戻った草狩先輩がスケッチブックに高速で何かを描いている。
わずか一分で、美女のイラストが完成し、吹き出しには台詞が書かれている。
『こらこら、二人とも、喧嘩しちゃあダメだゾ』
ゴリラ顔の先輩が描いたとは思えない、黒髪とカチューシャが似合う、生徒会の会長(という設定)の女性が俺たちに話しかけているようなイラストだった。
大きな眼、ややピンクに染まった頬、優しく俺たちに目線を合わせるように、腰を屈めた姿。
これが一分のクオリティだと、とても信じられない。
「今日は杏花ちゃんの日なのね……」
押花はまじまじと先輩のイラストを見つめる。
そしてすぐに彼女は鼻を抑えるが、手で受け止めきれずに、鼻血が流れ出した。
『あらあら、押花ちゃん。
どうしたの?
鼻血が出てきたわよ?』
「だ、大丈夫、杏花ちゃん……」
杏花ちゃんとは、口で話さそうとしない、『画伯』の二つ名を持つ草狩先輩の代弁をしてくれるキャラクターの内の一人のことである。
先輩の描く、その美麗なイラストの数々は、押花の女性が好きという心をがっちりと掴み、
今では、黒條院 押花の男性の好感度ランキングにおいて、ぶっちぎりの一位を獲得する事に成功した。
……本体はゴリラ顔なのになぁ!
結局今日も依頼が来ないということで、雑談タイムに入ろうとした時、部長は唐突に口を開いた。
「楽しんでいるところ悪いんだけど、殺人事件が起きていないかパトロールに行かないかい?」
探偵部 今日の活動報告日記
部長のその一言で俺と押花は立ち上がる。
俺は部長の日々の暴走による疲れから、押花は草狩先輩の描く杏花ちゃんとの楽しい会話が邪魔された事による怒りによるものだった。
俺はいつも携帯している、普通の食卓塩をポケットから取り出すと、押花は部長を羽交い締めにする。
そして、トリックは割愛させてもらうが、俺の完璧な『塩だけで人を殺し、塩だけで密室トリックを完成させた、塩殺人事件』を成功させ、完全犯罪と喜んで雑談タイムを堪能、夕方五時に帰宅。
そして翌日、部長は普通に復活していた。
……あんた何者だよ!
そう言うと、「ギャグ世界の力だよ!」と部長は俺の質問に答えたが、意味が分からなかった。
ーーーーー
「小さな事件から殺人事件まで、我ら青鮫学園探偵部へようこそ!」
『酷過ぎ、杉内』こと杉内部長は、一人でいつもと変わらぬ台詞を口にする。
そしてその言葉を、全員が無視する。
「なんだね、なんだね、君たち。
どうして僕の決め台詞を無視するんだい?」
「部長、今日は俺、帰っていいっすか?」
「なんだね、木一君。
サボタージュとは感心しないね」
「まあまあ。
今日は二年B組の中村さんの家の猫が行方不明なんです。
その捜索を、ちょっと」
「な、なんだね?
そんな依頼、僕は聞いていないぞ!」
「そりゃあ、そうっすよ。
俺たちに相談したところで、部長が興味を示さなかったりで解決しないことが多いですし」
「だったらどうしてそんな情報を君は知っているんだ!?
君は一年で、中村さんというのは二年だろ!」
「そんなもの、部長が作れって言っていた情報網で、一年生から三年生、果ては隣町まで事件の情報が伝わってきますよ」
俺、『幸薄』の林 木一はそう言って、鞄の中から、ノートを十冊ほど取り出す。
パラパラとノートを開くと、被害者である中村さんの情報と、
中村さんの友人関係、そして今回行方不明になった猫の特徴が書かれたページが出てくる。
俺はそこに書かれた住所と地図を見比べて、猫がいそうなポイントを丸で囲んで絞る。
その後、携帯電話を取り出すと、丸で囲んだ住所に片っ端から電話を掛ける。
「木一君はそんな取るに足らない事件の解決しようとするとは。
ならば、木一君以外の皆で殺人事件を探しだし、真実を見つけ出そうではないか!」
部長は俺が電話しているのにも関わらず、大きな声で吠える。
しかし、残る二名も部長に対して冷たい反応だった。
「昨日の夜、露出狂があらわれたわ……。
見て、昨日のショックで、怯えて誰にも相談できず、
恐怖に支配された村松さんの顔……。
許せないわ……」
『黒百合』の黒條院 押花は携帯電話のディスプレイに表示されている、
村松さんの顔を『画伯』の草狩 猪進先輩に見せつける。
どうやら、押花の仕掛けた隠しカメラと、彼女の携帯電話は連動しているらしく、
クラスで一人泣きじゃくる村松さんの姿がリアルタイムで映し出されていた。
『許せないわ!
そんな極悪漢!』
草狩先輩は、今日は『風紀委員長の加菜ちゃん』をスケッチブックに描き、
吹き出しに台詞を入れる。
「女の子を泣かせる悪党は……!」
『華麗に成敗!』
黒條院の台詞にあわせて、一瞬で決めポーズをとる加菜ちゃんを描く先輩の絵の技術はすごい。
本当にスケッチブックの中の人と話している気分になる位だ。
そんなこんなで、俺の方は、何度も電話をしているうちに、紆余曲折の末、中村さんのペットの猫が隣町の家で保護されているという情報をゲットし、情報通りその家に電話をすると、ビンゴだった。
「そんじゃあお疲れ様でしたー!」
「行くわよ……加菜ちゃん……。
張り込みよ……!」
『任せて!』
俺たちは出て行く。
部長が、「あれ?この部でいらないのって僕なんじゃあ……?」と呟いていた。
何をいまさら言っているんだろうか。
探偵部 活動報告日記
俺は隣町の飼い猫を預かっているという家に出向くと、情報通りの猫が家で寝ていた。
俺はその猫の首についている、掠れてしまい、電話番号と住所がほとんど消えてしまっている迷子防止用の首輪の断片的な情報を見て、中村さんの住所と照らし合わせる。
よかったぁ〜、猫は間違いなく中村さんの猫だった。
俺は、持ってきた鞄の中に鰹節を入れると、猫は起き上がり、嬉しそうに鞄の中に入る。
猫は鰹節を食べ終わると、ひょこと鞄から顔をだし、「にゃー」と鳴く。
どうやら俺の鞄の中が気に入ったらしく、とても愛らしい仕草をする。
中村さんの家に到着し、彼女に猫を手渡すと、彼女はお礼の言葉を述べながら俺の手を握ってブンブン振った。
そして、俺はまだ温かい鞄に、どこか寂しさを感じながらも、帰路につく。
翌日の朝、ボロボロの姿になった、露出狂が逮捕されるという報道が大々的に報道されていた。
ーーーー
「小さな事件から殺人事件まで、我ら青鮫学園探偵部へようこそ!」
『酷過ぎ、杉内』こと、杉内部長が、いつもと変わらぬ台詞を口にする。
今日は珍しく依頼者が来ていたので、独り言にならずに済んだ。
「その、今日は依頼があって来たんですけど」
控えめな性格の依頼者なのか、男子生徒は、小さな声で杉内部長に依頼があると言う。
杉内部長はすぐに眼を輝かせる。
「何かな!?何かな!?
殺人事件かな!?」
杉内部長は、依頼者に迫る。
依頼者の生徒は、小さくなって答える。
「殺人事件じゃなくて、父の営業する販売店で万引きが多発していて。
それで犯人を捕まえて欲しいな、と思って」
依頼者がそう言うと、部長は露骨にがっかりする。
「なんだよ。
微罪じゃないか」
「そんな……うちは経営がいつも苦しい状態なのに……」
部長の言葉に、依頼者はショックを受ける。
部長の発したその言葉に俺は怒りを覚える。
あんたがそういう態度だから『酷過ぎ、杉内』なんて呼ばれるようになるんだよ!
俺は、ダメな部長の代わりに、ノートを取り出し、情報網を使う。
……人はなんでも話したがる人間だ。
もちろん話し相手がいればの話だが、悲しいことだとか、嬉しいこと、悩みだったり、他人を馬鹿にするような話だったり。
探偵部に強引に入れられた『幸薄』こと俺、林 木一は、入部して早々、
情報網の確立を部長に申し付けられた。
しかも、方法は自分で考えろと言うのだ。
仕方なく考えるに考えたのが、『人の話に聞き耳を立てて、その情報を俺に伝えて』作戦だ。
好意的に協力してくれる者もいれば、少々、飲み物を提供することで協力してくれる人もいる。
何にせよ、そういう情報網を持っていれば、困っている人がいたり、よからぬ事を行った人間の自慢話を聞いた人は、情報が俺の方に回って来る。
俺はさらに恩を売った人間や、脅迫のネタを握った人間にさらに協力してもらい、情報を提供させる。
これを繰り返すことで、俺は巨大な情報網を得た。
そうして築き上げた俺のその巨大情報網によると、今日、不良グループが万引きをしたことを嬉々として話していたらしい。
俺は情報提供者に携帯電話のメール機能でお礼の言葉を送ると、ノートを開き、万引きをした不良グループの情報を確認する。
俺はまず、黒條院 押花にその情報を教えると、
学校中に仕掛けられたスカートのな……コホン!比較的、ローアングルが多い隠しカメラの映像から、不良グループが今、どこで何をしているのかを探し出す。
彼女が屋上にいることを突き止めると、『画伯』の草狩先輩に、そのことを伝える。
先輩は馬鹿でかい図体で、言葉に表すなら、ズシン、ズシンという音が鳴りそうな歩みで、部室から出て行く。
先輩は結局、見た目と違い美麗なイラストで会話を行うが、見た目と違わずリアルファイト要員であるのだった。
「あれ?
進撃の猪進君?」
部長は俺が犯人を突き止めたとも梅雨知らず、出て行く草狩先輩の背中を見つめる。
俺は嘆息しつつも、部長と依頼者の両方に伝える。
「部長、犯人が分かりました。
犯人は三年生の不良グループです。
彼等は既に前科があるみたいですし、ほとんど確定でしょう」
「へ、へえ。
よくそんな事がすぐに分かったね?」
「部長……先輩が不良グループを制圧……。
不良グループは全ての罪を白状したわ……」
「へ、へえ。
なんでそんな事が分かるの?」
完全にお荷物状態である部長を無視し、俺は依頼者の男子生徒に今回の依頼の報告をする。
「先ほども言ったとおり、俺たちが不良グループの『首』を抑えました。
これで彼等は、俺たちの言うことを聞かざるを得ません。
安心して、父親に報告してください」
「はい!
ありがとうございました!」
「それと、電話番号と携帯電話のメールアドレスを教えてください。
今後、情報提供をしてもらいますから」
「へ?
情報提供?」
「はい。
困っている人がいたり、何か悪巧みをしている人がいたら、俺に教えてください。
可能な限り、俺たち探偵部が今後、トラブルを効率良く解決するために必要なので。
もちろん、情報提供するかどうかはあなた次第なのですが」
「ああ、はい、それなら協力します」
探偵部 今日の活動報告日記
今日は大きな収穫だった。
依頼者の生徒と、万引きを行った不良グループを俺の情報提供者に加えた。
俺が内心ほくそ笑むと、押花と部長が蛇に睨まれたカエルのように、怯えた表情で俺の目を見る。
……失礼な、俺は必死に働いているだけだぞ!
その怒りは、この日記の中に留めておくが。
ーーーー
「小さな事件から殺人事件まで、我ら青鮫学園探偵部へようこそ!
さあ、リアル度100パーセント、ブルーシャーククエスト、スタート!」
『酷過ぎ、杉内』こと、いつも迷惑な杉内部長は、一人でいつもと変わらぬ……いや、いつもと違い、よく分からない台詞を口にする。
「なんですか?
ブルーシャーククエストって。
青鮫を安直な英語にして、某国民的有名RPGゲームのタイトルをくっつけた感じのアレは」
「ああ、これはねえ……猪進君!」
部長は、草狩先輩の名を呼ぶ。
先輩は、無口……と言うよりも喋れないを貫き通しながら、立ち上がる。
その手には彼の言葉をいつも代弁してくれるスケッチブックを持っていた。
『ブルーシャーククエスト……PUSH START』
そのスケッチブックには、でかでかとタイトルと背景が描かれていた。
っていうか、PUSH STARTって言われてもどこを押せばいいんだ?
「昨日、猪進君が考えて来てくれた遊びだ。
せっかくだから興じてみないかい?」
部長は胸を張って言う。
俺は、初めは乗り気ではなかったものの、今は180度反対の考えだ。
「部長が作った遊びだと言われれば、断るんですけど、先輩が作ったゲームなら喜んで」
「僕だったらダメだと言うのかい!?
木一君!?」
「だって俺、部長の事嫌いっすから」
「な!?
何てことを言うんだ君は!?」
「だって、部長の悪いところ多いですし」
「そんな事を言われても僕には悪い部分なんて一つもないよ!?」
「あんたの平気でそう言うところが俺は嫌いなんだよ!」
俺の追撃をするように、押花も攻撃、いや口撃に参加する。
「私も部長が嫌いだわ……」
「どうして君たちは先輩に向かってそう言うことが言えるんだね!?」
「だって男だもの……」
「性別から否定された!?
君は同性愛者でも、異性に対して嫌悪感は無いんじゃなかったっけ!?」
「部長はだけは別……。
強いて言うならあなたの性別は私の嫌いな……部長という性別よ……」
「後輩に変な性別にされた!」
「まあ、部長が女子なら……うふふ……」
「いやあああああああああああああああ!!」
彼女のダークな笑い方に、部長は涙混じりに絶叫する。
今からミスリードで、部長は実は女でしたとか、あればいいのに。
そしたら、まだ可愛いから許せるところとかあるかもしれないのに、だと言うのにこの男は美男子で生まれて来やがって……!!
「えーっと、木一君?
どうしてそんなに僕の事を睨むのかな?」
このどうしようもないくらい性別を間違えた男を……どうにかできればいいのに!
俺が睨みつけていると、草狩先輩が俺の肩を叩いて、『ブルーシャーククエスト』のタイトルを近づけてくる。
「それじゃあ、今日は活動はしないって事で。
押花も参加するよな?」
俺は押花が参加するかどうかをまだ聞いていないことを思い出し、彼女に問いかける。
彼女は「いいえ」と言うと、本を鞄から取り出す。
「今日は読書に没頭しているわ……」
そう言って彼女はいつもの探偵小説……ではなく、なんだか高校生が読んではいけなさそうなタイトルの小説を開く。
「先輩?」
草狩先輩は、スケッチブックのタイトルの下の方に何かを書き足す。
そして、そのタイトルを俺と、押花に見せつけると、押花の目の色が変わる。
『ブルーシャーククエスト……PUSHSTART
ジャンル……告白して彼女を手に入れるRPG』
「わ、私も参加するわ……!!」
「なんでテイ◯ズみたいなジャンル名!?
ていうか、完全にRPGじゃなくて、大人向けの恋愛シュミレーションゲームみたいになってるって!」
俺はジャンル名の時点でアウトの予感がするジャンルにツッコミを入れる。
しかし、まだジャンル名とタイトルが出てきただけで、まだ、『危ない描写』はされていない。
結局、告白して彼女を手に入れるの部分に反応して、押花も参加、草狩先輩は、スケッチブックの次のページを開くと、そこにはルール説明があらかじめ書かれていた。
『ルール説明。
1、選択肢が書かれますので、どれかを選択してください』
「ふむふむ、それで?」
『2、普通の恋愛シュミレーションゲームとは違い、選択肢以外の選択ができます』
「リアルだからできる手法ね……」
『3、全ての責任は部長が負います。
全ての不満を部長にぶつけてね』
「ちょっと、待ってよ!
僕はどれだけ後輩に蔑ろにされなきゃいけないんだよぉー!
僕は最上級生だぞ!?
一番偉いんだぞ!?」
『4、ターン制です。
選択肢を選ぶ権利があるのは、ターンプレイヤーです。
ちなみに順番は、木一、押花、杉内の順です』
最後の杉内の部分を見て、俺と押花は部長を睨みつける。
「部長、まともな選択肢を選ばなかったら、分かってるでしょうね?」
「部長……調子に乗ると痛い目見るわよ……?」
俺と押花はどこか殺意のこもった目で部長を睨む。
絶対に部長は不必要な事をする、非常識人だからだ。
「まあまあそうカリカリしなくても、下手な選択肢を選ばなければいいんだろ。
僕に任せなって。
猪進君、スタートだ」
部長のその一言で、ゲームは開始される。
草狩先輩は、一分で綺麗な背景と共にストーリーが書かれている。
『夕暮れが輝く時間。
僕たちは、なんのために生まれて、どこに向かって行くのだろう。
選択肢、右、左』
「へえー、先輩ってこういう面白そうな話も書けるんですね。
それじゃあ、右を選ぼうかな」
俺は序盤、それも始まったばかりの選択肢なので、気楽な気持ちで選択肢を選ぶ。
『僕はなんとなく、右の方向を歩んで行く。
こちらの道は、自然が美しい道だった。
自然でできた様々な光景に目を奪われながら僕は歩んで行く。
やがて、僕は神社で女性と出会う』
そこで、一旦、先輩のストーリーは終わり、先輩が高速でイラストをスケッチブックに描く。
『あのぅ。
こんな辺境の神社になんのようですか?
選択肢、たまたま通りかかって、綺麗だ……』
そこには巫女姿の女性が箒をもってこちらに話しかけてくるイラストだった。
次のターンは、押花のターンである。
彼女の顔をよく見ると、鼻血を出して、興奮を抑え切らないようだった。
「ゲット……!ゲットよ……!」
彼女はいきなり選択肢に無いものを選択してしまう。
そして、その結果が……これだ。
『やせい の みこ が あらわれた!!』
「「「ポ◯モン!?」」」
全員息を合わせてびっくりだ。
某世界的ゲームの戦闘ウィンドウに突然変わり、俺たちは反応に困る。
なにせ、いきなり恋愛シュミレーションから離れてしまったからなあ。
『選択肢、たたかう ひかえ バッグ 逃げる』
次は部長のターンである。
俺たちは、部長ならなんとかしてくれる、などという幻想は抱いていなかった。
「こ、ここは逃げるをすれば元の状態に戻れるんじゃないのかい?」
部長はそう言って、逃げるの選択肢を選ぶ。
だが、次のイラストは、賽銭泥棒をしている主人公らしき男だった。
「部長!
あんた、なんでそんな事が平気で行えるんだ!?」
「部長……!
女の子に酷いことするなんて……!
女の敵……!」
「僕が悪いんじゃないって!
ちょっ!痛い、痛い!
足の小指を踏まないでくれ!」
極悪非道部長め、ここは『一つ前の選択肢に戻る』とかいっぱい方法はあるじゃないか!
これで探偵を気取っているのだから、片腹痛い。
部長が選んだ選択肢は覆ることなく、次の場面へと移る。
『カツ丼、食うか?』
「捕まったぁあああ!!」
部長が選んだ選択肢のせいで、主人公は事情徴収を受けていた。
最悪だ、犯行を推理する我ら探偵部が、事件を起こす側になるなんて!
「どうしてあんたはいつも、いつもこの部活動で加害者側なんだ!」
「僕を責めるのかい!?
でもいつもは僕だけじゃなくて押花君も問題を起こしているんだよ!?」
部長の言う通りだ。
押花は、下着泥棒だけではなく、愛故にやってはいけない行為を何度も行っており、この間来た、下着を盗まれたと言う女子生徒も押花が主犯だと決めつけてこの探偵部に来た。
部長は触れてはいないが、俺や草狩先輩も問題を起こしている。
草狩先輩は暴力による解決で、俺は一部生徒に対して、脅迫紛いの行いをしている。
この部活動は誰一人として、探偵などと言うに相応しい者がいない。
だが、
「全ての責任はお前が負うんじゃい!」
俺たちは深く考えない。
押花は女性が困っていれば力になり、草狩先輩は卑劣漢にしか暴力は振るわないし、俺は脅迫で情報提供してもらったことはないし、俺がもらっている情報のほとんどは好意によるものだ。
結局はフィフティ・フィフティ。
良いところも悪いところも半々。
「痛い、痛い、耳引っ張らないで!」
「結局一番ロクデナシはお前じゃ!」
探偵部 今日の活動報告日記
その後ゲームは部長のターンが来る度に状況は悪くなる。
初めに出会った巫女は呪いでネズミになり、そのネズミを元の姿に戻すには、西の魔女からクリスタルを受け取らなければいけないらしい。
しかし、その魔女は(年齢二百五十歳、見た目年齢十八歳、押花のストライクゾーン)、憎き部長のせいで、石化した。
「猪進君が好き勝手にできるんだから、僕は悪くない!」と部長は叫ぶが、そんなものは関係ねえー!!
結局ゲームは、女性を口説くどころか、全人類を犠牲にしながらも世界を救うという後味の悪い展開で終わってしまった。
ーーー
「小さな事件から殺人事件まで、我ら青鮫学園探偵部へようこそ!」
『酷過ぎ、杉内』こと、昨日、世界を人類を一人残らず犠牲にした杉内部長は、一人でいつもと変わらぬ台詞を口にする。
今日も昨日とは違う一日を過ごすことになるだろう、と俺は椅子に座っていると。
「きゃああああああああああああああ!!
誰か来て、ひ、人が死んで!!」
部室にまで聞こえてくる、女性の甲高い悲鳴。
「殺人事件……!?
ついに殺人事件が!!」
まさかとは思うが、この悲鳴が本物ならば、何かが起きたのは間違いないのだろう。
「いざ行かん!
真実への道のりへ!」
部長は急いで部室を出て行く。
あんたが出て行ったところで事件を引っ掻きまわすだけだろ、と心で思っても口には出さない。
部長を部室に入れていたら、捜査の邪魔になるからだ。
「部屋は上の家庭科準備室で起きたみたいね……。
野次馬達が群がっているわ……。
それと今日はピンクが多いわね……」
何がピンクなのだろうか、押花は携帯電話を見て、なんだかうっとりしながらディスプレイに映し出されたカメラの映像を見続ける。
ある程度満足したら、彼女は映像を切り替えて、家庭科準備室の別の時間帯の映像を調べる。
「あったわ……結構惨いわね……」
そう言って俺と草狩先輩に携帯電話の映像を見せる。
その映像は間違いなく、殺人事件の証拠映像だった。
学生であろう、その生徒はゴム手袋をつけて、包丁を持っており、ビニール袋で返り血を浴びないようにしていた。
もう一人いる生徒に家庭科準備室の包丁を使い、学生は、予め用意していた袋の中にゴム手袋とビニール袋を入れる。
そしてそのまま、別のカメラの家庭科準備室前のでは、先ほどの生徒が鍵穴に針金を刺している。
「家庭科準備室の鍵は家庭科の先生しか持っていないから、普段は入れないのよね……。
他の映像では、二人はピッキングして一緒に入っていたみたいだし、二人はどういう関係で、どうして家庭科準備室なのかしら……?」
押花は顎に手をつけて考える。
俺は草狩先輩に犯人の生徒の顔を描くように頼むと、先輩は一瞬で、その人の顔を描きあげる。
すぐに携帯電話でその絵の写真を撮り、快く情報提供してくれる人達に画像を一斉送信すると、すぐに情報が帰って来た。
「その殺された生徒の人、加害者の人をカツアゲしていたみたいだ。
先生以外だれも入れないし、放課後はこの階の廊下の人気が少ないから、家庭科準備室でお金の受け渡しがいつもあったらしい。
所属クラスは二年D組、最後に目撃された住所は……」
俺は提供された情報を、草狩先輩に伝える。
草狩先輩は猛ダッシュでそのポイントに向かう。
その間に俺は動機を整理し、押花は映像を警察に匿名で送る準備をしている。
情報元が割れないように対策する方法があるのらしいが、そんなもの本当にあるのだろうか?
なんにせよ、押花は隠しカメラで違法な盗撮を平気で行っているし、その手の行動には明るいのだろう。
俺は後ろ暗いが。
探偵部 今日の活動報告
俺たち、探偵部の前にどんな難事件でも関係ない。
なぜなら、推理を行わないからだ。
あのカメラの映像が盗撮されたものであり、人権などの問題から証拠能力を問われたとしても、あの映像内容は無視できないものだ。
警察もこの映像の生徒を的に絞り、すぐに証拠と動機が判明するだろう。
そうやってこの日記を書いていると、草狩先輩が犯人の生徒を確保、暴力手段に訴えることなく、電話で説得して自主させることに成功した。
俺たちは未然に犯行を起こさない、ということができず、悔やむに悔やみきれなかった。
どうしてもっと早くに犯人の生徒が、カツアゲの被害を受けているということを気付いてあげられなかったんだろうと思うと、後悔の気持ちでいっぱいになる。
我々探偵部は、事件が起きれば、手柄を立てる為に行動するのではない。
誰かが悲しまなくて済むように存在しているのだ。
物を無くした人がいれば、その物を再び持ち主の元に帰ってくれば、悲しみは晴れる。
苦しんでいる人がいれば、助けてあげれば苦しみはなくなる。
でも殺人は、違う。
失った命はもう二度と戻って来ない。
周囲の悲しみは……晴れることはない。
殺人事件なんて……起きてはいけない事件なのだ。
部長はその事を理解できない、だからこの部にとって不要な人間なのだ。
こうやって日記に書いていると、「あなたは生粋の探偵部の部員なのかもね……」と押花に言われてしまった。
そう考えれば、そうだ。
おバカな部長が率いる探偵部なんてやめてしまえばいいのに、今に至るまでその発想に至ることはなかった。
きっと、バカな事をやったり、しでかしたり、時に人の役に立つこの部活が俺の肌に合うのだろう。
そう考えると、俺の二つ名である『幸薄』ではなく、この部活動に巡り会えた俺は、『幸福者』かもしれない。
俺達は、部室で今日も明日も談笑し、時に事件を解決する。
追記、部長は事件のあった家庭科準備室で捜査の妨害をして、警察に連れて行かれて、一日中説教を受けていました。
ざまあ!
ーFINー
いかがだったでしょうか。
この作品はほとんど一日で書き上げた物なので、あまり出来の方が良くないと思います。
ちょっとギャグ小説にしてはちょっと過激かな?だとか、急な超展開だとか、無理をした設定だとか、不安要素が色々と多い作品ですが。
続編を書く気にはとてもなれないので、この話はこれで終わりです(もし出版とか、人気が出て……とかだったら頑張っちゃいますけど)。
もし楽しんで読むことができたならば、小説家冥利に尽きるです。はい。
ご意見ご感想、お待ちしています。