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紅き薔薇の物語  作者: DK
2/3

2. In Principio (2)

「……へっ?」

麗香は予想だに出来ぬ事態に、思わずその場にへなへなと座り込んでしまった。

男は、背がやや高く、古代ギリシア人のような服を纏い、ダークブラウンの髪と目、そして紛れもない西洋人の顔立ちをした青年であった。歳は19、20程であろうか。とにかく、偉丈夫という言葉が似合う男だと、麗香は感じた。

男はしばらく周りを見渡していたが、こちらに気づくとおもむろに口を開いた。

「そこに居る娘よ、ちょうど良い。ここはどこだか、教えてはくれまいか。……どうした?」

「……どうした……じゃない……わよ……」

麗香はゆっくりと立ち上がってスカートについた埃を手で払うと、男の方を睨んで言った。

「はあ……色々と、聞きたい事はあるのだけれど。

まず、アンタは誰よ。それと、どうして倉庫に居たのかしら?」

「ああ、そうだったな。私の名はユリウス……?」

そこまで言って、男は急にむむと唸り出した。

「何で唸ってるのよ」

「……すまない。自分の名がユリウスだと言う事より他に、何一つとして覚えていないのだ。気がついたら、あの部屋で眠っていた。自分としても、何が起きているのか、皆目見当がつかないのだ」

そこまで言うと、彼はため息をついた。

「……まあ、いつまでもそうしていたって仕方が無いわ。

私の名前は麗香よ。三沢麗香。ここで考古学を学んでいるわ」

「レイカ、か。よろしく頼むぞ」

男はそういうと莞爾として笑い、手を差し出してきた。

「はいはい、よろしく」

麗香は彼と握手を交わした。


これが、麗香とユリウスのファーストコンタクトであった。



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