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主人公VS義妹


その次の日

義妹―――もとい奏芽かなめが通う学校で全校集会が開かれた

なぜ開かれたのか・・・それは―――


『このたび、本校に転入生が入ってきました』


俺の紹介だ

俺はあの後・・・転入手続きをした

色々な問題はすべて政府が解決してくれたためにただ書類を書くだけでよかった

まあ、あいさつ程度は校長たちにはしておいた


『なんと、転入生は男です!』

「「「きゃーーー!!」」」


なんだ!? この歓声?

いや、合っているか

女子高に男子が入るんだから

・・・いや、もう大学生なんだけどな


『それでは転校生の紹介です!』


そう言って、マイクを渡されて舞台袖から姿を現せる

一部の生徒が騒いだ

まあ、昨日のやつだろ

夏ちゃんもいるかな? 

俺はそう思って、きょろきょろと探すと―――


「いた・・・」


ただ、一言

奏芽がいた

夏ちゃんの隣にいる

こっちを見ている

多少驚いた顔をして夏ちゃんとしゃべっている


「あのーー?」

「あ、すみません。九頭竜くずりゅう蛇行だこうですよろしく」

「「「きゃあーーーー!!!」」」


さらにすごい歓声が聞こえてきた

だが、俺の意識はそっちに向いていない

ただ、奏芽を見つめる

そして、俺はやってはいけない一言を発してしまった


「(奏芽)愛してるぞ!!!」

「「「きゃーーー?・・・え?」」」

「じゃなくて! よろしくな!!!」


待て!! 今の俺・・・

一体何を言った!?

周りはまだ黄色い声援が飛びそうな雰囲気だからいいけど・・・

俺、今確かに言ったよな

愛してるって・・・

しまったな

カメラとか回っていないよな

もし、誰かの記憶に残っていたら奏芽に迷惑が行くからな

ついでに、この転入のことはおばあちゃんぐらいしかしらない

昨日はホテルに泊まったから奏芽とは合っていない


「さて、他に何か質問あるか?」

「じゃあじゃあ、部活はどこに行くんですかー!!?」


ところどころからサッカー部に来て、とかマネージャーになってとか聞こえる

残念だけど、俺は興味がない


「部活は決めている。サバゲー部に入部する!」

「「「ええーーー!!?」」」


すごい非難の声が聞こえた

どうでもいい

自分で決めたことだ

これを曲げさせることは―――奏芽しかいない

そして、全校集会が終えて俺は今、自分の教室へと向かっている

もちろん、奏芽と同じクラスにしてもらった

さてさて、久しぶりに会うんだハグぐらいは許してくれるかな?

そんなのんきなことを考えながら歩いていると・・・


「蛇行!!」

「?」


俺は後ろに振り返った

名前で呼ぶ奴は少ない・・・なら!!

俺は期待に胸を膨らませてその姿を見た

そこには愛しのマイスイートエンジェルの奏芽がいた!!


「おお!!奏芽!!」

「くたばれ!!!」


大振りの回し蹴りがやってきた

俺はそれを笑顔で受け取る


「うぐっ!!」

「はいはい!!!」


次は拳が殴り掛かってきた 

これは手で受けとめる

一発一発丁寧に、まるで壊れやすいものを扱うように・・・


「はあはあ、これでどう!? 蛇行!」

「OK! 今の日本ではこれが愛情表現だな!?」

「違うよ!! 軽蔑の表現!」

「バカな!! こんなにもじゃれあったのに!?」


今の日本はどういう教育をしている!?

ケンカするほど仲がいいとか教えなかったのか!! 


「何がサバゲー部入るよ!! 私は認めないわよ!!」

「いや、もう最高責任者に俺はなっているんだけどな」

「なっ!?」

「だいたい、担当者もいないのによく続けられたな。まあその点は感心する」

「ちょ、ちょっと待って!?」

「だが、安心しろ。これからはそんな心配いらない。俺がいろいろやってやる。まあ、後は夏ちゃんと話し合いぐらいはしないと・・・」

「話を聞け!! 蛇行!!!」

「なんだ!? 愛しの妹よ!!」

「義を忘れるな!!」


今度は左足で蹴ってきた

俺はそれを軽々と体で受け止める

痛くはない

ただただ、笑顔になる

ドMではないのに・・・

ああ、これが兄妹か


「さて、そろそろ教室に向かうぞ。チャイムが鳴る」

「いや、教室に向かうぞじゃなくて、なんで蛇行が転入生なのよ!」

「もう金を稼ぐ必要ないと思ってな、転入してた」

「え? そんなに稼いでいたっけ?」

「さあ? 俺も実感ないけど、3兆くらいはあるはずだ」

「3,3兆!?」

「なんか、それくらい稼いでいたみたい」

「蛇行は何の仕事していたのよ・・・」


・・・さすがにこれは言うわけにはいかないよな

時折、大統領の警備をしていたなんて

現実感が完全になくなる仕事だからな


「まあ、いいじゃないか。それより、呼び方変えたな?」

「え?」

「9年くらい前までは名前で呼んでなかっただろ? 久しぶりだから気づかなかったけど、確か・・・」

「い、言わないで!!」


口をふさがれた


「絶対に言わないで!! 言ったら殺す!!」

「殺されてもいい!!!」


本望だ!

奏芽になら、別に死んでもいい!!

そう、考えているとチャイムが鳴ってしまった



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