主人公VS不良(雑魚)
「あ、ここでいいです」
俺はそう言ってタクシー代を払った
ちなみに、高校から400メートル前で下してもらった
なぜ、そんなことにしてもらったのは―――
「奏芽に会えるかな?」
と、思ったからだ
写真を手に俺は歩く
まあ、別に会えなくてもいい
そう思っていた矢先だった
横の路地から声が聞こえた
「あなたたち、なにやっているの!」
「うるせえ、うちの学校でもないくせにどうでもいいだろ!!」
ケンカのような声がした
俺はなんだか聞き覚えのあるような声だと思った
ここ最近、俺は奏芽の声を聞いていない
そう、思った時には動いていた
もしかしたら奏芽かもしれない
そして、不良たちの中に女生徒らしき人物を3名見かけた
「奏芽!?」
「え? だれ?」
違った
奏芽ではない
写真とは―――あれ?
この子、もしかして・・・
「なんだ? てめえ、こいつらの仲間か?」
「いや、違う」
「なら、どっかいってろ!」
「ちょっと、待ってくれ。俺はその子に聞きたいことがある」
俺はそう言って目の前にいた、不良の一人を投げ飛ばした
なんなく、軽々と・・・
周りのやつらは驚いている
「あのさ、九頭竜って知ってるか?」
「はい、親友の苗字―――ってあなたさっき奏ちゃんのこと・・・」
「お、よかった。ならいいや」
「無視してるんじゃねえ!!」
後ろから殴り掛かろうとしているみたいだが、声を出したのが失敗だったな
俺はそんなことを考えながら、また投げ飛ばした
「え~と、間違っていたらごめんだけど、もしかして夏ちゃん?」
「ど、どうして私の名前を!?」
「あ、合ってた。じゃあ、あの手紙も・・・」
「おらあ!!!」
おれは後ろに振り向かずに、避けた
なんだかなあ
あんな職場にいたから軽く人間離れしているからな
こんなの簡単に避けれる
「くそ!なんであたらないんだ!!」
「はいはい、ご苦労さん!」
俺はそう言って、蹴り飛ばした
・・・予想以上に吹き飛んだ
2メートル近くとんだ
「こ、こいつなにものだ?」
「ほら、こうなりたくないなら連れて帰れ」
そう言うと、すぐに逃げて行った
さて、邪魔者はいなくなった
「さて、大丈夫?」
「え、ああうん、平気ですけど」
「あいつらも何してるんだろうな。高校生相手に切れるなんて」
「あ、あの・・・」
「ん?」
横から女子高生が話しかけてきた
なんのようだ?
「なに?」
「あなた・・・何者ですか?」
まあ、そうなるだろうな
この子だけじゃない
奏芽と一緒に写っていた夏ちゃんも俺を疑惑の目で見ている
ただ、ここは―――
「何者でもないよ。俺はただの一般人さ」
「うそよ」
「まあ・・・明日になればわかるよ。じゃ夜道には気負つけろよ」
「ま、まっ・・・」
俺は手をひらひらと振りながらその場を離れた
怪我をしている訳でもないから大丈夫だろ
あの不良たちも当分は大丈夫なはずだ
さて、ここからが本番だ
俺はこれから、常識外れのことをするんだ
だけどまあ・・・
「やっぱ、楽しく生きないと損だよな」
そう、呟いて学校に向かった