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幻術破り


「大統領!!無事ですか!?」

「おお、君か私は無事だ」

「「は?」ほかに誰か来ているのですか?」

「さっきまでここに隊長がいたのだが別のところへと行ってしまった」

「なら、隊長は無事なんですね」

「? 知らなかったのかい?」

「ええ、申し訳ありませんけど今は誰がどこにいるかもわからない状況ですので」

「わ、私の無事は・・・」

「安心してください。俺が約束します。必ずあなたには傷一つ付けずにお守りしますので」


ひとまず大統領を落ち着かせることには成功した

周りへの注意は怠ることはできない

そう言えば、隊長は一体どこへ向かったんだ?

大統領を置いてまでも行ったってことは危険だと言うことだ

隊長も狙われている?

なら、俺はここを守り切ることに専念した方がいいか

今のところ相手の戦力はわからない

でも、1人だけは魔法の種類がわかる

幻術タイプの足止めだ

やめてほしいな


「あれ?」


何か引っかかる

さっきから俺は本当に幻術タイプと戦っているのか?

違うだろ

戦っていない

俺はさっきまで幻術タイプから戦うことを避けていると勘違いしていた

俺じゃない

俺が逃げているのは合っているでも、相手の目的は完全に勘違いしていた

相手の目的は―――俺の足止めだ

なら、相手が俺は警戒する理由

それは―――


「魔法が使えないから」


魔法が使えないのは欠点でもあって美点でもある

それは、弱体化しないことだ

魔法使い・・・いや、俺以外の人間は魔力を吸収などで失うと弱体化してしまう

それこそ俺より弱い

俺も魔力吸収するための道具は家に置いてある

でも、相手がほかの隊員の魔力を吸収する道具を置いて何になる?

それこそ相手も弱体化して俺の無双状態になるのだが・・・


「なにをたくらんでいるかがわからないな」

「大丈夫なのか」

「ええ、ただ相手の目的がはっきりしないだけです」

「そうか。私はどうすればいい?」

「とりあえず、休んでいてください。俺がここで戦うので奥の方で・・・」

「わかった。よろしく頼む」


そう言って、奥のベッドへと向かった

さて、ホテルの玄関で俺は待つ

だれでもいい

敵でも、味方でも・・・どちらでもいい

情報が欲しい

相変わらず無線機は頼りにならない

俺は一応、持っている武器の確認をする

まあ、ワルサーPPKだけしかないのだが

再装填はしておこう


「・・・まじかよ」


弾は俺の服の内ポケットに入れていた

なのに、ない

弾が一つも・・・

非常階段のところではまだあったはずだ

どこだ? どこでなくした?

いや、なくしたのか俺は・・・


「駄目だな、考えるだけ無駄か」


無駄なことはしないでおこう

でもどうする?

弾がないのだ

あと、2,3発ぐらいしかないぞ

乱射の時に使い過ぎた

一発一発大切にしないと駄目だな


「この玄関に武器になるものあったけ?」


護身用の銃であれば十分だけど玄関に置いてるなんて聞いたことないな

普通、玄関に置いてあるとしたら―――まあ、武器になるものはないな 


「使えるのは自分の体だけか」

「はは、それだけ聞くとなんだかいやらしいね」

「悪かったな!!」


じゃない!!

ツッコミを入れてしまったがまた後ろをとられた

ああもう、今日は完全に調子が悪い!

一体何回だ?

今日一日だけで後ろを―――とられたのは?

あれ? 俺ってさっきから最初だけ敵の姿を見てない?

俺が気づかずに後ろをとられたことなんて稀にしかないのに・・・

今日は後ろしかとられていない

なら、今まさに幻術にかかっているのは俺?

試してみるか

幻術破りの最終奥義を


「あれ? 振り向かなくていいの?」

「ああ、いいよ。ていうかもう殺せよ」

「諦めたの? いいよ。殺してあげる」

「そうか、じゃあこの銃を使え」


俺は後ろに持っていた銃を投げた

もし、これが幻術なら―――あの銃を当たっても死なない


「これだね?よし、じゃあ・・・」


俺の頭に銃口が当たった

・・・よし

あとは―――


「「引き金を引くだけ」」


俺と敵の声が被って聞こえ銃声が鳴り響く

俺は動かなかった

後頭部がやけに熱いが帰って魔法で治療したら治るからいい

弾丸は・・・出なかった

ただの銃声のみ

そして、体に痛みが走った

幻術破りの奥義

それは俺自身だ

幻術の中ではすべては偽物

本物は何一つない

俺すらも偽物だ

ただ俺の意識があるだけの肉体を殺せば・・・

現実に帰ることができる


「さて、反撃開始と行きますか」


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