新キャラ登場!!
「喜木 七菜子ちゃんだったよな?」
「は、ハイです。合ってます!!」
「ど、どうしたの?」
「い、いや。私なんかの名前を憶えていてくれるなんてビックリして・・・」
「一応、クラスメイトは全員覚えているよ」
「す、すごいですね。わわ、私なんかまだまだなのに・・・」
「そう言うのでいいんだよ。オレは暇だったから覚えただけ」
「私は、暇だけど別のことしか考えてない・・・」
「じゃあ、何考えているの?」
「そそ、それは!!」
急に顔を赤くして、うつむく
あれ?
なんか、前に一回会ってなかったっけ?
確か・・・
「そうだ、夏ちゃんと一緒にいなかった?不良に絡まれていた時」
「い、いました」
「そうか、そうなんだ。どこかで見たなあっと思ったら」
「お、覚えていてくれてありがとうございます」
ん? なんだか視線を感じるな
俺は手鏡でこっそりと後ろを見た
そこには―――こっちをにらみつけている奏芽とオロオロしている夏ちゃんがいた
なぜだろう
なぜか冷や汗をかいてきた
そして、恐い
バカな、この俺が義妹とその幼馴染に恐怖を感じているだと!?
いや、それもありか
「で? 俺に何の用だ?」
「あ、ああ、あの!」
「落ち着いて、俺は逃げはしないから」
「は、はい」
七菜子ちゃんは数回深呼吸をした
そして―――こういった
「私と付き合ってください」
「なっ!?」
「「えぇぇぇええええ!!!!」」
後ろから叫び声のようなものが聞こえた
多分、奏芽たちだろう
どうかしたのか?
そう思って手鏡を見ようとしたときには、もう近づいていた
「な、七菜子ちゃん! 考え直した方がいいよ!!」
「そ、そうですよ!!」
「え? え? ええ!?」
「蛇行はさ、見かけには寄らないかも知れないけど、変態なんだよ!」
「そ、そうですよ!!」
「おい、待て」
「さらにはHな本を数えきれないくらい持っているとか・・・」
「そ、そうですよ!!」
「ストップ!!」
「そして、そして・・・」
さらに奏芽は言おうとする
なぜだ!?
身もふたもないウソを完全につかれている
そこまで俺のことが嫌いなのか?
本気で落ち込む
ああ、もう奏芽と俺が笑って暮らせる日々はないのか
走馬灯のように記憶が・・・記憶が・・・ない?
そう言えば、そんなこと一回もないな
やばい、このままだと死にきれず幽霊として出てくるかも
それもありか
「奏芽! 夏ちゃん! ちょっと黙って!」
「「黙らない!!」」
「え?」
「黙らないって言ったのよ!!」
「そ、そうですよ!!」
なんだろう
気迫負けしそうだ
そして、夏ちゃん
君はさっきからそ、そうですよ。しかいってなくない?
「あ、ああ、あのえっと・・え?」
「で? 七菜子ちゃん何に付き合ってほしいんだ?」
「「へっ?」」
ん?
急に静かになったぞ?
一体、どうしたんだ?
普通、付き合うって言ったら、そう言うことだろ?
買い物に付き合ってとか、練習試合の相手になってとか・・・
他に何かあるのか?
「い、いえ、そうではなくてで・・・」
「そ、そうなんだ! で、喜木さんは何を付き合ってほしいの?」
「う、うう・・・全然違いますけどいいです」
そう言いながらも、ポケットから一つの封筒を取り出した
なんだ? 手紙か?
そう、思っている時だった
封筒が急に光りだした
「なっ!?」
「あ、この光は気にしないでください。私の魔力なので」
「わ、わかった」
すぐに、光りは弱くなっていった
そして、封筒が自動的に開き、俺の机に置かれた
「読んでください」
「ああ、それじゃ・・・」
そう言って、封筒をとろうとする時だった
「待って!」
奏芽が急に言い出した
俺は、一体どうしたんだっと目で訴えた
しかし、奏芽は気づかない
くそぉ、やはり普通の兄妹でできることができないのか? 俺達は・・・
軽く落ち込みながら俺は封筒の中身を見た
そこには―――
「なんだ? これ」
思わず顔をしかめてしまった
中に入っていたのは写真なんだが・・・
「なぜ、俺の写真なんだ?」
「あ、それの裏です」
「裏?」
俺は裏を見た
そこには、フランス語でこう書かれている
私を助けてくださいと・・・
一瞬、七菜子ちゃんの顔をちらっと見る
不安そうな顔でこちらを見ている
この顔は―――俺を知っている?
アメリカの特殊部隊のころのやつを・・・
でも、たとえ知っていたとしてもなぜ俺になんだ?
あの情報が手に入るならあの部隊に頼んだ方がはやいはずだ
なにかあるな、これは・・・
「はいはい、買い物か・・・あ~どうせ暇だし、いいぞ」
「ほ、本当ですか!!?」
「ああ、帰りでいいだろ?」
「は、はい!!」
とりあえず、適当なことを言って帰る約束をする
多少、不自然化も知れないが、大丈夫だろ
問題は横の奏芽と夏ちゃんだ
まるで狂犬のようにこっちを見ている
今にもとびかかってきそうだ
「ちょっと! 私達も行くわよ!」
「い、いいですよね?」
「あ~、すまねえが今日だけやめといてくれ」
「「嫌だ!!」」
強く拒否られた
ちょっとなつかれている?
顔がほころびそうになったが、すぐに引きしめた
さすがに危ないことになりそうだから巻き込みたくない
でも・・・
「絶対に行くわよ!」
「はい! 行きましょうね! 奏ちゃん」
ちょっと待て
ちょっと目を放したすきに話がどんどん進んでいるぞ
七菜子ちゃんは止めないのか?
俺は七菜子ちゃんに視線をやったが・・・
「ふわわわ! ふわわわ!!」
「(混乱してる!?)」
小声で叫んだ
状況について行けず、1人置いてけぼりになっているな
どうする?
先に、奏芽と夏ちゃんを納得させるか
七菜子ちゃんとともに放課後すぐに逃げるか
そう、考えようと思った時―――チャイムが鳴った
「席につきなさーい」
ナイス!!
6時間目の授業が始まり、俺に考える時間ができた
この間に解決策を考えないと―――