主人公VS300の魔法使い(学生)
そして、時は流れ三日後
俺は結構ピンチになっていた
「敵数300人ってなんだよ! これ」
「だからその通りよ」
「奏芽! これが普通なのか?」
「だから、普通だってば」
さっきから奏芽と会話しているが信じられない
なんで、敵が100倍もいるんだよ
こっちは3人だぞ
ノルマ1人100人か
しんどいかもな
「じゃあ、作戦の説明しますね」
「ああ、頼む夏ちゃん」
「奏ちゃんのお兄さんは、始まったら敵の殲滅をしてください」
「了解」
「私と奏ちゃんは防衛」
「わかったわ」
「それじゃ、始まりますよ」
「応・・・じゃねえ!!」
「なんですか?」
「なんで俺1人で殲滅だ! おかしいだろ!」
「いや? 奏ちゃんが蛇行は1人で十分だと言っていたって聞いたんですけど」
「なっ!」
「だから今日は助っ人を呼んでいませんのですけど・・・」
「・・・ちっ」
俺は軽く舌打ちをする
さすがにちょっと本気でやらないといけないかもしれない
遊び半分で負けるのはくやしいからな
いや、俺はそれよりも気になることがある
奏ちゃんが1人で十分だと言っていた
・・・もしかして、俺期待されている?
なら、その期待に応えないと・・・
そして、サバイバルゲームが始まった
勝敗条件は敵の全滅
弾、もしくは魔法のダメ―ジをくらったら即終了
・・・このルールでどこに防衛があるのかわからないけどまあ
「やるか」
サバイバルゲーム専用の魔法フィールドで始まる
フィールド名は市街地
建物が現れる
さすがに通行人までは現れないが・・・まあ、リアルだ
「行くか」
俺は指をパキパキと鳴らして軽く準備運動をとった
そして、それを見上げると・・・
案の定、敵がいた
「一人目!!」
男子みたいだ
迷彩服を着ている
市街地で迷彩服って・・・そのチョイスおかしいだろ
とりあえず、避けるか
俺は後ろに跳んで魔法の雨から避ける
弾丸の暴風雨に比べると物足りないな
俺は腰から銃を取り出し、1人ずつ撃った
もちろん、エアガンにした
幸いにも、俺が持っていたワルサーPPKと同じタイプがあったからよかった
まあ、一応本物も持っているけど弾丸は抜いている
間違って使ったらえらいことになる
弾はポケットに入れているから重い
・・・昔の癖が抜けないのはちょっと俺の駄目なところだな
俺はそう思いながら一人ずつヒットさせた
「つ、強い!」
「おい! 一旦引く・・・」
「引かせねえよ」
後ろに下がろうとしていたやつに当てる
弾数が心配だな
200発しかないからな
残り100人どうしよ
と、考えている内に弾数が残り50発になった
「お前ら、正直に突っ込み過ぎだ!!」
ちなみに、倒れたやつからは弾などは回収することはできない
一応、ゴムナイフはあるけど、使いにくいんだよな
ナイフ使う時って料理ぐらいだもんだ
しかも戦場で・・・
あれ?
俺、19歳なのになんかすごい人生送ってないか?
そう、考えていると弾がなくなった
そして、空には残り100人と表示された
ちなみに、こっちはまだ3人残っている
「はあ、どうしよ」
「いまだ!! さっきの主力が休んでいるぞ!!」
「!!」
市街地なのに、群衆が・・・攻めてきた!!
こわっ!!
え? もしかして、全員責めてきた?
「・・・チャンス?」
これだけの人数だ
行けるかも知れない
ナイフで攻撃を防いで後は相打ちを狙う
そして、時は過ぎ・・・1時間後
「ふう、お前で終わりか」
「う、嘘だ・・・300人が1人に負けるなんて」
「それ、下っ端の言うセリフだから変えたほうがいいぞ?」
そう言って、ゴムナイフを軽くあて・・・笛が鳴り響く
疲れた
さすがに300人を倒すのは骨が折れる
ゴムナイフもボロボロだ
「お、終わったの?」
「おっ、奏芽。終わったよ」
「・・・すごいですね。奏ちゃんのお兄さん」
「お前らは怪我ないよな?」
「え、ええ。おかげさまで」
「どこに隠れていたんだ? 全然、わからなかったんだが・・・」
「ずっと、魔法壁の中で隠れていましたので」
「そうか」
とりあえず、終わった
いい汗かいた~~
昨日は家への引っ越しの準備していたから全然、疲れなかったからな
今夜はよく眠れそうだ
「さて、帰るか」
「何言ってるの?」
「え? まさか、まだあるのか?」
「いや、もうないけど。挨拶をして賞品を受け取って帰るだけ」
「賞品? 武器か何か?」
「違います。確か、魔法書だったはずです」
「こ、今回は蛇行がもらってよ?」
「俺はいらない」
「え?」
「すまないが、俺はいらない」
「な、なんでですか? あ、もう大体使えるとか・・・」
「逆だ」
「?」
「俺は、魔法を一切使えない」