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5)狼

はい、月の物、生理がきました。

学生のときは女の子DAYっていってたけど、本当に女の子DAYだよ、ということで絶賛女の子にお戻り中です。

すっかり自分が女だったことを忘れていたなんてことはありませんよ?えぇありませんって。だって男の姿のほうが楽なんだもん。いろいろと。

もう一月たったのかーってつぶやいたら、おばあさんいわく2ヶ月以上はたってるそうな?

あれ?カレンダーがないと不便です。


てか、女に戻るのに体中が痛かったんですけど、いまだに体中キシキシいってます。

おばあさんに文句をいったら仕方ないとか、男と女の筋肉のつき方が違うだので、そうなるそうです。これが毎月っていうか女の子DAYの時になるなんて聞いてない、つらすぎる。一生男でいいよっていったら駄目だって即答された~。

なんで?この森から出れないなら男でも女でもどっちでもよくねーとか思いつつ


ということで今日はお留守番です。てか月の物が終わるまで小屋から出れませんけどね!

なんでっておばあさんに聞いたら

「血の匂いで獣が寄ってくる、家の周りにはにおい消しの薬草をたらふく育ててるから平気だが出たら最後食われるぞ」

だそうです。

ひゃー怖い。しかもこっちの世界では月の物が来た女の人は家の外に出ちゃいけないそうです。

まーその原因は生理用品で漏れちゃうっていうのと先ほどの話と関係するそうで家でじっとしていないといけない。


てか、つまらん。


そうつまらないんですよ。小屋は狭いし、布団の中でじっとしてるのも飽きてくるし。本もないし、木片で何か作ろうにも想像力もわかないし。

つまーんなーい、おばあさん遊んでよって言ったら

「わしはこれからふもとの村までいくから、無理じゃ」

「えー!ふもとの村までいくって聞いてない!しかも早くても帰ってこれるの明日じゃん!」

「そういうことじゃ、奈美一人小屋にいさせるのはワシも不安なんじゃが仕方が無い、今日行かないと冬篭りに必要なものが手に入らなくなるのだよ。今ふもとの村に行商人がきてるのじゃ。」

「行商人が売ってるものが冬篭りに必要なの?」

「そうじゃ、冬の間に暖を取るための鉱石やら、保存食を作るのに必要なものとかな」

「わかった」

ふてくされながらも奈美は頷いた。

おばあさんは奈美の頭をなでながら言った。

「我慢しておくれ、あと、わしが帰ってくるまで絶対に扉を開けるでないぞ。戸締りも気をつけなさい。あと、水は台所にためてあるからな。いいか決して家から一歩もでるで無いぞ。一応結界は張っとくが、何があるかわからないから、武器は手元に置いときなさい」

おばあさんの気迫に縦になんども首を振った。



ということで、窓からふもとの村まにいくおばあさんの後姿を見送りましたよ、そしてそのまま暗い森の中をぼけーっと見てます。

「なんかおばあさんの忠告って、おとぎばなしにでてくるけっしてしてはいけませんよ~的な話にきこえる」

破ると必ず災いがくる、赤頭巾ちゃんは寄り道をして狼に、子ヤギ達は騙されて狼に。

そんなことをつらつらと考えていたら、森の先に灰色の大きな狼がいた。

目が合った瞬間笑ったように見えた。

奈美は急いで窓を閉め、他の雨戸も確認した。


「はぁ~、やばい。なんかいまさら怖くなってきた」

小屋の中は暗くなり、ランプに光を灯した。

「あの魔獣、ぜったい知能があるやつだ。」


コンコン


扉を叩く音が聞こえた。

奈美は、声も出さずにただじっと扉を見据えた。


コンコン・・・・ドンドン


おばあさんなら声をかえるはず、だからおばあさんではない人なら何かしら声をかける。

声をかけないなら・・・・


徐々に恐怖がわいてきた奈美は、扉の前に結界石という結界を張ってくれる石を置き、部屋の角にも置いてから

布団の中に潜り込んだ、もちろん手には剣と結界石を握り締めて。

何も聞こえない、何も聞こえない、そうつぶやいて。


音は結界石を置き終わると同時に止んでいた。



生理用品は特殊な血を吸う葉っぱと布とを合わせて自分で作らないといけないという手作り用品です。

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