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3)おかえり

目が覚めると知らない木目の天井が見えた。

奈美は起き上がると自分の体の異変に気づいた

「痛い・・・」

そう体中がギシギシするほど痛むのだ、そして起き上がると自身のあるとは言いがたいにも小さすぎず大きすぎない胸がなくなっていた。

「ていうか!裸!!!」

そう起き上がると、薄いシーツが落ち胸があらわになったのだが何もきていなかったのだしかも下も同じく。

というよりも股に違和感を感じた。

思わず触って確認すると

「ある・・・・」

そう、女にはない男にあるものが存在するのだ。


「ぇ、夢?ちょっとまて?え?」


混乱気味に周りを見ると知らない部屋の中だった。

まるで山の小屋の中、暖炉に壁や床は木造ですこし歪んでいる。

ギギギっという音と共に頑丈そうな木の扉が開くと、そこには絵本にでてくる醜悪な魔女そのまんまのばあさんが現れた。

「お、ようやく目覚めたか」

そういったおばあさんの後ろに見えた風景をみて、暗い森の中だということが見えた。

「ふふふ、ここは暗森の中、目覚めたばかりのお前がでていってもあっというまに魔獣に食われるよ」

「・・・くらもり?」

おばあさんは深い笑みを残し、机の上に森からとってきたであろう木の実や果実をカゴから取り出していた。

「あぁ~服はそこの椅子の上にあるよ」

おばあさんが指をさした椅子の上に確かに服があった。

奈美はとりあえず着替えることにした。


これって夢だよね?ぇ?夢?てか私いつ寝た?てか居間にいて椅子が倒れて、それから


キスされた

そうだ!外人にディープなのをってか、そこから夢か?


もんもんと悩んでいるうちに、奈美は着替え終わった。

服装は、村人1という感じのこげ茶色のズボンにくすんだ色のシャツのような服、そして足首まで覆う編み上げのショートブーツ。

そして着替えていて気づいたが髪の毛の長さは同じらしい、でも色が緑色だったというか、鮮やかなエメラルドグリーン


思わず、人房つかんで凝視してしまった。


「あぁ、そうそう」

おばあさんが思い出したかのようにつぶやいて、奈美を机の横の椅子に手招きをした。

「説明するのを忘れてた」

おばあさんは奈美が椅子につくと話し始めた。

「これは、夢じゃないからな」

「ぇ?」

「そして、今のお前の姿は前世の姿」

「ぇ?前世?え?」

奈美の思考回路はほぼパンク状態だった。

何いってるんだ?このおばあさん!てか夢の住人に夢じゃないって言われた?!

「女の姿に戻るのは月のものが来たときだけ」

おばあさんは奈美の状態などほっといて話し続けた。

「月のものの処置はあとで教えるから、忘れていたらあとでいってくれ。で、お前さんはワシがこの世界に呼び戻した、本来なら異界で魂の浄化が行われそこで消滅するはずだったのを呼び戻したのじゃ」

「ぇ?異界?」

「お前さんにとっては、こちらの世界が異界じゃろうがな。ここはお前が前世に生きた世界、そしてお前が穢れを受け罪を犯した世界。本来なら一生この森にすみこの森の浄化をになう聖なるものだった」

「聖なる?私が?」

「そう」


おばあさんは、そこまでいうとカゴの中に残っていた薄いオレンジ色をしたこぶし大の果実を奈美にわたし、もう一つを自分でかじりついた。

奈美もそれにならって、匂いをかぎながら噛り付いた。

味は桃のような味が口に広がったそれと同じように、疑問が広がっていった。


「・・・夢じゃない、でも私はこの世界では死んでいる人間、てか聖なるものって意味がわからん」

ぶつぶつと奈美がつぶやくとおばあさんが答えた

「そう、お前は死んだ人間だが。今のお前は生まれ変わっている」

「まーこれを夢じゃないとしよう!」

「今夢じゃないと認めたのではないのか?!」

おばあさんはクワッと目を見開いて驚いていた。

ちょっと怖い


「だって実感わかないし、で、で!なんで私がここに呼び戻されているの?てか今の姿って男だしなんでよ」

「は~、まぁよい、男の姿なのは女が一人森の中や外を出歩くのは危険というのと、あの姿は少々目立つし適当ないいのが思いつかなかったから前世の姿にしたのじゃ」

「適当かよ」

「で、お前を呼び戻したのはこの森の浄化を行って欲しいからじゃ、本来ならお前が死んだ後、それを担う者が生まれるはずが100年たっても生まれないのだ、で致し方なくお前を呼び戻した」

「100年たっても、100年もおばあさんいきてるの?」

「800年いきとるわい」

「8・・・百年?」

「この世界の寿命を教えてなかったな、平均寿命は500年それ以上すぎると老化が始まる。お前は前世のとき100歳くらいの若造だったの」

「へー・・・」


ファンタ☆スティック とか頭のなかで某芸人の言葉が浮かんだ。やばいそろそろ脳みそがイカレてきた


「さて、そろそろ夕飯の準備でもするか、お前も手伝え」

そういっておばあさんは立ち上がると、鍋やら調理器具を棚から取り出してきた、奈美はうなづき夕飯の手伝いを行った。

夕飯を食べ終わる頃には部屋の中暖炉の火だけが唯一の明かりになっていた。

すでに奈美の思考は低下しつつあったため、質問は明日に見送ることにした。


奈美は朦朧としたまま布団の上に横になり、すやすやと寝始めた

それをみたおばあさんは、苦笑しつつ奈美にシーツをかぶせて頭をなでた。

「おかえり、ゴディバ」


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