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1)闇

暗い道を歩いてると、夜の森を思い出す。

いえ、暗い森をあるいてる錯覚に襲われる


神経が研ぎ澄まされて、右手には手になじんだずっしりとした剣をときには、木刀のようなものを

手に持った武器を襲いくる敵に対していつでも使えるように、突き刺せるように

木々のさえずりでさえ耳をすまして、前だけを見据える



実際にはそんな恐ろしいものは持っておらず、右手にはコンビニ袋

夜道は硬いアスファルトが続く住宅地

もしも敵といえるものがでてくるとしたら、痴漢もしくはひったくり

現代の日本でもそうそう遭遇することのなく、無駄に緊張していた


私、水無月奈美は、ため息をついて緊張感をといた。


ときどき、さきほどのような感覚に襲われるのだ。

それは、血の気の多い暴力的な感覚と狂気とも思える楽しさ

人を殴りたい、刺したい、私を排除するものを排除したい、まるで自分が狂戦士(バーサーカーにでもなったようだった



家に着き、玄関を開けると親が風呂から上がってきた所らしく、パジャマ姿で出迎えた。

「あら、お帰り。今日も仕事おつかれさま~」

「ただいまー」

母親は私のコンビニ袋を見ていった。

「あら、夕飯たべてこなかったの?」

「あーうん。」

「はぁ、あんたもいい年なんだから男の人に夕飯くらいおごってもらいなさいよ」

「はいはい、早く寝たら」


ため息をついて、母親は二階に上がっていった。

「恋人がいたら、そうそうに家でてるっつうの」

一人つぶやいて、居間でコンビニでかったお弁当を食べ始めた。

母親も、5つ上の姉も親戚のお姉さん達もみな、短大、大学を卒業するとあっというまに結婚していっていた。

最悪なのが、学生から付き合っていた相手とかではなく卒業してしばらくするとまるで運命の人のように出会いあっというまに結婚していったのだ、しかも母も姉も20で結婚。

私は短大卒業後結婚も、むしろ相手さえ居ない状態で3年がたっていた。

親戚から、風当たりがつよくなってきていた。いつ結婚するのかと・・・


「はぁ~むなしい」

仕事に忙殺され、家に着くのは12時すぎ母親はさっさと寝て夕飯はコンビニ

夜道での感覚を思い出し

「ストレスたまってんだろうな」

そう一言つぶやいて、お弁当のごみをコンビニ袋に突っ込み縛ってからゴミ箱に放り投げた。


しっとりとしたJAZZ調の曲が耳に流れてきた。


~ ♪ ~


ふと、耳にイヤホンをつけっぱなしだったことを思い出した。

バンドの曲が流れてきて思い出した。

題名はたしか「Black Cherry」


エロイ歌詞なのに悲恋な内容

遊び人を愛した遊び人だった女の人の話


曲はどんどん激しくなっていった。

目をつぶり、椅子の上で体育座りをしながら歌詞に合わせて奈美も口ずさんだ。


~ ♪ ~

「Don't stop kiss me」


ガンっという衝撃とともに椅子と一緒に後ろに倒れこむ感覚に襲われ目を開いた。

目の前には蒼い瞳しか見えず、それと同じくして口のなかに生暖かいものが入ってきていた。

ディープキスだということに気づいたときには、キスをした相手はいなくなり奈美は暗闇の中をまっさかさまに堕ちていた。


そして、体全身に響いた衝撃で意識を失った。

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