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転生先は鬼畜ゲーの世界!



 俺がこの鬼畜ゲーの世界に来てから十年が経った。

 産まれたばかりの頃は普通の世界だと思っていたのだがある時あの鬼畜ゲーの敵として登場する境界の獣と呼ばれる怪物を見た事でこの世界があの鬼畜ゲーの世界だと気づくことが出来たのだ。


 そうだと知った俺は幼いながらもこの柔らかい頭で必死にこの世界のことを思い出した。



 ――この世界は端的に言えば「神が存在した世界の地球」というものだ。この世界における神というのは地球を管理する上位生命という位置づけであり、別時空にある神界と呼ばれるところにいる。だが現在、その神界に混沌(カオス)と呼ばれる外界のモンスター達が攻めており滅ぼされてしまった。

 そしてそのモンスターがこの地球にも現れた姿を境界の獣と呼んでいるのだ。


 だがそんな敵に対抗する手段があり、それこそがこのゲームの根幹だった。

 今の地球には神界で滅ぼされた神の死骸が何らかの形で存在しており、その死骸は『神骸』と呼称される。その神骸に対して極たまに適性を持つ人間が現れる。その人間たちは神骸を取り込み『神覚者』と呼ばれる存在となり境界の獣を倒せる存在となるのだ。


 だがここで疑問を持つと思う。ただでさえ貴重な神骸をたまたま適正のあるものが見つけられる可能性が本当にあるのかと。

 だがそこはご都合設定がある。簡単に言えば境界の獣を視れる人は神骸の適性があるのだ。つまりどういうことかと言うと……俺は適性ありということになるのだ。



 俺はそれに気づいた瞬間喜びと悲しみで感情がぐちゃぐちゃになった。

 喜びの方はあれだけやり込み理解しているゲームの世界に転生できたことだ。

 そして悲しいことはこの世界が鬼畜だということだ。


 しかも俺は別に主人公でもないゲームで見た事のない人間だ。ということは転生でお馴染みのチート能力も主人公補正なんてものもない。なんと悲しいことだろうか。


 だが俺は諦めなかった。せっかくやりこんだ世界に来れたのだ。チート能力がなかろうと俺はこの世界をなんもしてでも満喫することに決め、そのために物語開始となる十年後に向け己を鍛え始めたのだ。




 そして現在、物語開始まで二年後まで迫った俺は何とか神骸を手に入れて第一神技を扱うことができるようになった。十年かけてこれだ。

 だが主人公は物語開始時にチュートリアル神骸と第一神技を使えるようになる。つまり俺は物語開始の二年前にチュートリアルを終わらせたということになる。そう考えるとモチベが上がるってもんだ。


 しかも嬉しいことに俺が手に入れた神骸は恐らくかなり有用なものだ。

 神の名は「猿田毘古神(サルタヒコノカミ)」と呼ばれる神で導きの神と呼ばれている。その通称の通りこの神の司る力は未来を知り導く力だ。

 そして俺が今使える神技は未来視だ。未来視と言えばその言われ方からわかる通り未来を見れる力だ。これだけ聞くとものすごく強力な力なのだがまだ第一神技ということもあり本領発揮とは行かない。


 今見れるのは自身に関係する未来の出来事を十秒ほど見る位だ。しかも俺自身の意思で見れない。使い勝手はとてもいいとは言えない神技だ。だが、使い勝手が悪くとも未来を見れると言うのは強力な力であることに変わりは無い。


 そして昨日の夜初めてこの神技が発動して未来を見ることが出来たのだ。そこで見たのは境界の獣と戦っている神覚者と思われる人であり残念ながら顔を見る前に途切れてしまった。

 だが場所はここからそう遠くないため簡単に行ける距離だ。そして何より未来視で見れるものは確実に俺に関係するもののため行かないという選択肢はない。


 ――それに神覚者として鍛えたこの肉体がどれだけ現時点で通用するのかを知りたいからな。


 神覚者になると神の力に耐えられるようになるために肉体が強化される。もちろん日常生活に支障が出ないように力のオンオフは出来るがその強化具合は今まで運動をしたことがない人がオリンピック選手に勝てるようになるくらいだ。

 そんな肉体を手に入れ鍛えた俺は正直早くこの力を使いたくて仕方がなかったというのもあり、急いで準備をすると未来視で見た所まで一目散に向かうのだった。



 ☆


 一目散に走ること十数分、現場に到着した俺の目の前にはあの時見た境界の獣と神覚者と思われる人がいた。


 両者は共に普通の人であれば目で負えないようなスピード戦っており衝突のたびに金属と金属が当たるような嫌な音がこちらまで響いてくる。


 俺はその戦いを邪魔しないように見ているとどうやら神覚者の方が押されているようだ。だがそれも仕方ない。神覚者の人は恐らく俺と同じぐらいの年であり普通は単身で境界の獣と戦う力はまだ無いはずだ。


 だがそれでも大きな傷をおうことなく戦えているあたり技量は相当なものだ。しかしそれも長くは続かない。境界の獣は神覚者の一瞬の油断の隙を狙い自身の攻撃を防御が回っていない鳩尾の辺りへ仕掛けた。


 だがその攻撃は届くことは無かった。何故かって?



 そんなの俺が防ぎに行ったからに決まってるだろう。せっかくの初陣なんだ。少しくらいカッコつけたって神様も許してくれるはずだ。それに――神覚者の子が可愛いってのもあるけど……。


 

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