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オルゴールは、謝り方を知っている

作者:妙原奇天
 遺品整理で見つかった、小さな銀色のオルゴール。ゼンマイを巻くと、鈴の音に混じって「ごめん」と声が落ちる。録音のはずがないのに、謝り方が毎回違う。笑うみたいに軽い日もあれば、喉の奥で詰まるように重い日もある。
 持ち主は、春に亡くなった兄だった。生前、兄は一度もまともに謝れなかった。だからこそ妹の紗依は、その「ごめん」を受け取れない。許す準備も、憎む資格も、どちらも持っていないから。
 けれど、回すたびに変わる声は、記憶の中の兄よりも“今の誰か”に近づいていく。母は「謝るのが遅い子だった」と言う。紗依は言う、「遅いんだよ」。
 最後に鳴ったのは、兄の声ではなく――。
 たった一言が、謝罪の順番を、人生の順番を、静かにひっくり返す。
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