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影の魔導士  作者: 陽炎六
闇の枢機卿
59/60

59,魔道具解析

魔道具を守り抜き 教会の横やりを跳ねのけた王子達

いよいよ核心の魔道具の解析を開始する


ずらりと並んだ魔道具を見ながら長兄王子が宣言していた!

「確認の手順であるが 5人1組で進めて欲しい」

「魔道具の確認者 安全確認者 魔力確認者 動作確認者 そして 安全対応者だ」

「特に犯罪に使われた魔道具は 動作が不明なところばかりだら注意するように」

「比較用一般魔道具に発光魔道具 身体腕力強化魔道具を準備している」団長が脇に置いた。

「まずは一般魔道具を起動させ 魔力の流れを確認してくれ」

「ペアの担当者が 該当魔道具を起動させ 魔力の流れを見てほしい」

「この際に 担当者に影響がどう出るか 注視ながら進めてくれ」



「ただし!無理はするな!」

「やつら犯罪者の動きから 効果のいくつかは判っているが すべてだとは思っていないからな」長兄王子が口を挟んだ。

「まだ ”出ていない動き”があると思って テストをして欲しい!」

「どんな突発な異常動作でも対応できるように 慎重に進めるんだ!」

その言葉に担当者は息を飲み込んだ!


まずは魔力の流れが見える 特殊な道具を準備して テストの一般魔道具をセットする。

「いつもの事だが まずは確認の意味を込めて 慣れた魔道具から確認をしてくれ」

担当者は静かに頷くと いつもの魔道具の魔力の流れ 動作を確認する。

そして 過去の記録と検証し 手順漏れ 作業不備がないかを確認する。

そして 本番の魔道具をセットする。

担当者の顔に緊張の色が浮かぶ。

「大丈夫だ いつもの通りに」隣の騎士が静かに声を掛ける。


そして 1つ目の魔道具に魔力が入れられ 魔道具の魔法陣に魔力が流れ 淡く魔法陣が光り始める。

その流れを見落とすことのないように 担当者の目が注がれる。

そして 脇に置いた紙に素早く魔法陣を写していく。

「やはり違うか!」

「えぇ 一般の物とは違います」

魔法陣の写しが終わると 更に魔力を強めていく!

そうしていくと 魔法陣の中のいくつかに 魔力が溜まっている箇所が判別できるようになっていくる。

「3つ・・・いや 4つか!?」

「4つだな」


魔力の溜まった箇所の数で複合発生の効果数が判るはずなのだ。

「間違いないな」

「あぁ じゃあ確認をどう行うか?」

「殿下 提案があるのですが?」一人が思いついたように 声を出した。

「なんだ?」

「この魔法陣 効果が4つもありそうなのですが 確認を行うのに提案があるのですが?」

「どんな方法か?」興味ありそうに聞いてくる長兄王子。


「他魔道具に掛かれている 光(照明) 火(炎) 風 氷(冷気) に書き換えをして確認したいのですが?」

「なるほど 本当に4つできるか安全に確認できるか」

「それなら 逆も出来るかもね」パーソンがそんな会話からアイデアを出す。

「なにか思いついたか?」

「えぇ その魔道具の神代文字を他の魔道具に書き込んで 神代文字の検証もできるのではないかなぁと」


「それなら魔道具と神代文字両方の確認ができるな!」

「えぇ 片方が実績のあるものですので より確実かと」

「より それをやってみようか」長兄王子が直ぐに許可を出した。

騎士達も自分の提案が受け入れられ 更により良い提案に驚くと同時により気合を入れて作業を再開したのだ。


そんな騎士達を見ながら パーソンは考え込んでいた。

「何を考えている?」

「兄様 ちょっと思いつく事が」ちょっと悪い雰囲気を浮かべているパーソン。

「今回の犯人確保に 思いついた事がありまして」

「ほう どう考えている?」

「書き換えした魔道具をわざと 相手に掴ませて それを証拠に捕まえられませんか?」


「王城の深部といえる地下教会で あれだけの危険を犯してまで魔道具を奪おうとしている相手です」パーソンが話を続けた。

「魔道具の価値が我々の想像以上なのでしょう!」

その話に兄二人は頷く。

「ならば ここに保管しても諦めずに何かしらの奪取を考え動くのではないかと思うのです」

「だが 我らは魔道具が無くても犯罪追及はやめんぞ!」

「あぁ 犯罪の証拠である魔道具がなくなれば 犯罪をうやむやにできるとでも思っているかもしれんが」

「あれほどの犯罪を道具が無いからうやむやになんかさせないからな」

「そうだな 悪しき前例を作らせるわけにはいかんしな」長兄王子が次兄王子と頷きあって騎士達に目を向ける。


「そうですね 私も同じ気持ちです」パーソンが続く。

「証拠だけが消えても あれほどの犯罪をなかった事にさせません!」

「「そうだよな!!」」兄王子達が口を合わせて反応した。

「これはあくまでも私の推論なのですが 相手の目的は魔道具だけど 中の神代文字が本当の目的なのかもしれませんね」

「どういうことだ?」

「それはですね・・・」パーソンが持論を兄達に話し始めた

驚くほどの魔道具の性能と 多くの神代文字を確認したパーソン達

驚異的な魔道具だが 奪いに来た場所を考えると パーソンには疑問が広がっていた


そんな思いからパーソンは”いたずら”と思えるほどの小細工を始めるのであった



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