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影の魔導士  作者: 陽炎六
ゲスダイン編
49/60

49,支援

突然起きたゲスダインの重犯罪!

まさかの規模に宰相は犯人に思い当たるが 口にもできず


そんな宰相にパーソンがいい国の考えを伝えて 宰相は重い腰を動かすのだが


宰相の嘆く姿に パーソンには今までにない感情が起きていた。

犯罪を起こすものはすべてに悪く 阻止が必要と考えていたのだ。

だが その犯罪の発生要因が問題なのであり 多くは助け合いで防げているはずなのだ。


「商会街の中央公園で食料配布支援を開始 負傷者を救護中」

「商会の鎮火確認 工作兵にて復旧を開始します」

「全王都の医師に指示を 要支援者は王城内訓練場を開放して受け入れろ!」

様々な指示が飛んで 慌ただしい雰囲気が広がっていく。


「商会襲撃の報告では 死者は無し 負傷者多数との事です」

「治療薬不足してます 直ぐに追加の手配を」

「アーク農国より馬車到着しました」

「支援か?」

「定期便ではないかと」

「薬草を優先で医者にまわせと 指示を」

「行商はないのか? 全部の行商から買い付けて資材を確保しておけ」


「サーライトの騎士が面会を求めていますが」側近が慌てたようすに部屋に駆け込んできた。

「なに?何の面会要請だ?」突然の事に驚いて宰相が聞き返すが 何も返答がなかった。

「いきなり来られて ”治安維持の要請が来たのだが 現状を聞きたい”との事でした」

「要請して半日だぞ いくら何でも早すぎないか?」

「なんでも 国境付近での演習中に早馬が駆け込んできたとかで」

「なんで早馬と関連するんだ?」

「なんでも”早馬”が知人だったらしく」

「知人?誰だ其れは」

「なんでも 王城に果物を入荷している行商人だとかで 面識があったようで」


「なるほど それは僥倖だな」

「なので 演習責任者の王子様が”一大事”と判断され 行商人を王城に案内する以外の者はゲスダインの連れてこられたようです」

「なるほど それで半日で来れたのか」

「宰相様 どうしますか?」

「直ぐに 会おう」宰相はそう言って 立ち上がった!


「いきなりの訪問で申し訳ない」案内された部屋には次兄王子がいたのでパーソンは叫び声を上げそうになっていた。

「いえいえ 非常時の対応には感謝します」宰相はそう言って頭を下げた。

「国民が今は不安を感じていますので 直ぐにでも街の治安維持のお願いします」

「判りました ではそこの若者を案内の為に同行させてください」次兄王子はそうパーソンを指差した。

「それはいいですが もっと詳しいものがよいのでは?」

「まぁ そこの若者はゲスダインの将来に関わりそうだし 話を聞くのが良いかなと思ってだが拙いかな?」

次兄はなんとなく理由を口にした。

まさか”我が弟”だからとは言えないので 咄嗟に考えた理由なのだが宰相は頷いて了承した。


「それとこちらが”見舞いの品”だ」次兄王子はそう言うと目録を取り出して宰相に渡した。

「これは どうして?」

「話を聞いた限り 大規模な犯罪と聞き 国民の不安解消にと救護の薬草と食料が必要と思いまずは持参したのだ」次兄は答えると宰相は頭を下げた。

「お心使い感謝する」

「”王族があるのも 国民あってのもの”でしょう まずは国民の安定を」次兄はそう言い笑った。

「では この若者はうちで借り受ける 王都の確認をしたいので」次兄はそう言うと立ち上がり パーソンも続いた。 


「パーソン 元々の考えはこうなる予想だったのか?」次兄はそう言いながら ゲスダイン王都を観察していた。

「さすがに こうなるとは思いもしませんでしたが 犯人はアーク農国の犯罪予定者たちでしょうねぇ」

破壊された商会を修復する場所を見ながら パーソンが溜息をついた。

「ゲスダインの力が ゲスダインの向けられて自業自得とはいえ 国民がかわいそうですね」

「犯罪者もゲスダインの悪だくみの被害者とはいえ 早くに捕まえないといつまでも被害が無くならないからな」粉砕された門を見て 次兄は決意を口にした。

「しかし その為には特殊装備をゲスダインに持ち込むのですか?」

「問題はそこなんだよな 取り締まりの為には必要だが 大元の原因であるゲスダインの”対策品”だしなぁ」


「そうですが 犯罪者確保が優先だと思いますが」パーソンが次兄にそう言うと苦笑いして頷いた。

「そうだな アーク農国の半数をゲスダインに持ち込んでサーライト騎士での対処としよう」

「半数ですか?」

「アーク農国の犯罪が起きない保証が無いからな?」

「確かに犯罪者が捕まらないとそうですね」

「まぁ 復讐と思われる犯罪だし 他国へは無いとは思うのですが」

「だが 犯罪が出来ないとなると”他国で犯罪を起こす可能性が無い”わけではないしね」

「まぁ ゲスダインで捕まる可能性が出たらそうでしょうねぇ」

「だから サーライトもアーク農国も神聖国も 特殊装備の警戒は減らしているが 無くせないのだ」


「犯罪の跡が消えて街が安定して騎士団の警戒が手薄になれば また犯罪が起きるだろうなぁ」

「ゲスダインの政情破壊だろうから ”復旧・安定したら壊す”を繰り返すのだろうなぁ」

「やはり 確実に捕まえるには広範囲で罠を張るしかないでしょうねぇ」

「だが どうやる?」

「復旧された商会を中心に ゲスダインの繁栄には影響してないと”派手宣伝”したらどうでしょう」

「相手の心理を突くのか?」

「そうです 相手の目的はゲスダインに利用された復讐でしょうし」

支援にサーライト騎士が来ましたが まさかの指揮官が次兄王子

うまくパーソンを連れ出して 事情把握して対処を進める様子


相手の心理を突いた作戦は上手く行くのだろうか



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