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影の魔導士  作者: 陽炎六
ゲスダイン編
47/60

47,犯罪者の逆襲?

犯罪は失敗と判断して 行動を止めた犯罪者達

それをうまく回収したゲスダイン職員

うまく連携しているように見えたが

しかし そうではなかったようだ


男はゲスダイン職員に近付き 荷物検査と身体検査を始めた!

「なんだこれは?」そして 何やら怪しい瓶を見つけて 仲間の前に差し出した。

「なんだと思う?」

「まさか 毒か?!」

「ありえるな 諜報員は原因不明で死亡させる毒を持っていると聞いた事がある」

「まぁ 国家の情報が洩れると拙いから自害ようか?」

「まさか こんなに大きな瓶という事は 俺達の始末ようだろう?」


「異常に気が付いた”ゲスダインの騎士に追い詰められ 苛烈な尋問を恐れて犯人は自害”」

「まさか?」

「ゲスダインとすれば 安上がりな手じゃないかな」

「まぁ これが毒かはわからんので職員様に飲んで貰おうかねぇ」男は口元を上げて呟くと 一人が突然腹を押さえた。

「なにか 食い物ないか かなり腹が減ったぞ」

深刻な話をしていたので時間の経過に気付かず 腹が空きすぎている事にやっと気づいたのだ。

「だけど あいつらの準備したものなんか怖くて口にできんぞ」

「だが どこかで調達できるか判らんぞ」

「俺なら探せるかもしれん」一人がそう言って魔道具を作動させた。


「俺のは”犬獣人化”のやつらしい これなら何倍も鼻が利くはずだしな」

「じゃあ 俺も魔道具を試してみるかな」他の仲間も魔道具を起動し 臭いの嗅ぎ分けを始めた。

「果実の匂いは判らんが しかし 水の音が聞こえるかな」一人がそう言うと他の仲間も耳に神経を集中し始めたのか 静かになる。

「あっちだ!」一人が確信したように声を出すと動き始めた。


廻りを見ならが歩いていると 朝が近いのかだんだん明るく変わってきていた。

深夜に王都で襲撃して逃げ出したので それからかなり時間も過ぎていたのだ。

腹が空きすぎるほどに時間が過ぎたのだから それも当然なのかもしれない。

獣人化していなくても判るほどに 廻りが明るく変わっていった。

だがまだ川が見えないので魔道具は動作させていた。


森を抜けると皮が目の前に広がっていた。

水は澄んでいて魚がいる事が見て取れる。

どうやら 普段誰も来ない川なのだろう 魚は警戒している風でない。

一人が風のように動き 魚を川から腕で放り出していた!

あっという間に川岸に魚の山が出来上がる。

他の仲間は鼻を頼りに 果物がないか動きまわりいくつかの果物を見つけ出していたのだ。


「これあれば十分だな」魚と果物を見て呟く仲間。

分担して馬車まで戻り 火を起こして焼いていく。

辺りに焼けたいい匂いがして皆が腹を押さえていた。

焼き魚と果物で腹が満ちたので 今後をどうしていくのか話し出す彼等。

辺りに匂いが広がったのか 職員に意識が戻り口を開いた。

「おい なんで俺が倒れているんだ?」

「あぁ 馬車を止めた際に何かが当たったんだろう?」一人がとぼけてそう言い 馬車の食料を職員に差し出した。


「寝起きで腹が減っているだろう?馬車にあった食糧だ」そう言って焼いた肉とパンを差し出す。

しかし 職員は戸惑って口にしない。

「おいおい それはお前達が準備した食料だぞ 俺達はただ焼いただけだぞ」とにやにやしている。

「ここここの肉は おおおお前たちが 上手く出来た際の褒美用に旨い肉を持ってきたので おれれたたちがくくくちにするわけけけにははは・・・」なんだか 思い切りおかしい口調で話している。

これは ”この肉は特別に犯罪者向けに準備した”証拠以外の何物でもないと言える!


「それがお前達の答え いや シナリオだったんだな」一人がそう言うと 殺気を纏い始める!

辺りの犯罪者は殺気になれているのか 驚きもしないし先ほどの話の検証だったので驚きもしていない。

しかし 殺気を向けられた職員はまた気を失っていた。


「さて 俺はゲスダインに”コケ”にしてくれた代償を払ってもらおうと思うがどうするよ」魚を食いちぎりながら一人そんな事を言い始める。

「そうだな 腹の虫が収まらんしな」と同意の様子。

「表の街道は使えんから このまま山の中を通ってゲスダインに戻るようかな」

「まぁ 流石に手配が回っているだろうから 街道は無理だろうなぁ」

「昼間に通過出来れば そう問題ないだろう」


「ゲスダインに戻って あいつらが何をしようとしていたのか判らせてやる!」その言葉に他の仲間も頷いた。

「この道は過去の戦争で侵略に使っていた獣道だと思う だから 途中で魔獣が出たら肉をばらまいて逃げればいいだろう」

「じゃあ あの肉か?」

「まぁ 職員を置いてもいいが どうするよ?」

「肉のほうが文句言わないから 肉がいいよな」そう言って笑うと 職員に出した肉を馬車に積み 職員は気絶したままで置き去りにして動き始めた。


「しかし何でこんな道を使う事を指示していたんだろうなぁ」そんな事を考えていると 一人が呟く。

「まぁ 証拠 痕跡を残さないようにだろうなぁ」

「どんな意味があると?」

「まぁ この道は普段誰も使わないような 魔獣の出るような道だろう?」

「そうだなぁ 帰って来れなくても 魔獣が最後の始末をしてくれると判断したんだろう?」

「そんなもんかな」


馬車が動きだして 暫くすると道らしきものが消えた。

それは身の危険を覚悟してまで 通る道でない証拠でもあるのだ。

戦争のような異常事態でもない限り 通過を試みるような事もない道なのだ。

この道を使えば 途中で魔道具を持ち返れない状況になっても 誰にも気付かれないで魔道具は自然に戻るだろう。

当然 生還率は厳しいが行った犯罪を考えると 帰国する道はこれ以外考えられなかったのだ。


そんな事を知らない犯罪者達は 神経をすり減らしながら馬車を操作しゲスダインの戻りついた。

しかし 秘密宿舎に戻らないで 馬車は売り飛ばし当座の生活費として分配した。

そして 各自自分の判断で ゲスダインの街中に溶け込んだのだ。

そうなると誰にも足跡は捕まらない。

何時までも戻ってこないアーク農国襲撃者達にゲスダイン担当は作戦失敗と判断したのだ。

しかしそれでは終わる事は無かった。


そして その夜ある酒場に彼らは集まっていたのだ!

「そろそろ始めるつもりだが どうする?」一人がそう言うと 他の仲間も頷いた。

「これが王都の地図になる でだ ここが問題の商会だ」

「ほうほう じゃあ配分はどうする?」

「このうちの商会 輸出関連商会4 穀物流通8 土木関係3 牛馬家畜関係3 服飾雑貨2を目標にしようと思う」

「まぁ 打倒だな」一人がそう言い 酒を飲み干した。

「もう会うことは無いと思うが 達者でな」互いにジョッキを掲げ別れを告げた。

そして翌日 アーク農国に起きるはずの犯罪がゲスダインで起きていたのだ。

状況判断が正しいと感じた犯罪者達

職員も指示されていた様子が態度にでてしまい 自分の生末を決めてしまったようです

そして 犯罪者達は 裏切られた気持ちから 復讐を開始したのであった


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