4,犯罪者再び
猫獣人を犯罪ミスで死亡した闇ギルド
このままでは済ませないと
次の犯罪者も同様に闇魔道具をつかわせたのだが
また 失敗を繰り返したのだ
それを見つめる男の本心はなんなのか
そのものはまるで蜘蛛のように壁を伝い 行動をしている。
犯行後はまた窓から壁を伝い出て 街道を通らずに家々の壁を伝い移動して城壁までたどり着いた。
そして何事もなく城壁を登っていく。
ここまでは 前の猫獣人をトレースする様に成功”予定”のはずだった。
そして 城壁の上で”声を掛けられる”まで同じだった。
食堂に行っていた男は 闇魔道具で強化した犯罪者のどんな結末で城壁から落ちたのかを確認するために 城壁上の監視上に隠れて犯罪者が城壁をはい上がるのを確認していた。
”問題ないな 前のは事故なんだろう”そんな考えで犯罪者が城壁外に逃亡する事を確信していた。
「そこまでです!」突然高い声が響く!
”何事だ?”突然の事に驚きながらも 落ち着くように自己暗示をかけ声の方向に目を向ける。
そこには あり得ない事が起きていたのだ。
フードを被った小柄な子供か女性らしき人物が犯罪者に対峙していたのだ。
”誰だあいつは?”よく観察していると 小柄な人物はゆっくりと腕を上げた。
相手が弱小と考えて 犯罪者が人物の襲い掛かる!
”舐めた相手などつぶしてしまえ”
直ぐ後に起きるであろう 惨殺激を想像しワクワクが止まらなかった。
ナイフを持った手が目にも見えない速さで突き出される!はずだった。
だが その攻撃はまるで素人の見習い程度のように感じた。
”おかしい 獣人化したやつの攻撃があんなにも遅いのか?”
見ての通り 犯罪者の攻撃は何一つ人物に危害を与えることは出来なかった。
”闇魔道具が動作してないのか?”
攻撃に疲れたのか 人物と距離を取り城壁の端に近付いていく。
「ははは あばよ」そう言って壁にとりつく動作をして 城壁の外に身を投げだした。
「ぎゃぁぁぁぁ」城壁から外の飛び出したが 城壁に取り付けずに落下し絶叫を上げる犯罪者。
””猫獣人”もああなったのか ”乗り出して見ていた体を見えないように監視所の上に戻す。
”やはり闇魔道具が動作していないのか?”
”回収して確認しないと拙いな”
”あの人物も確認しないとな”
男は結末を確認して 見つからないように城壁から立ち去った。
翌朝 城門から出て昨日の場所を見ると やはり土には血に染まっていた。
やはり 城壁から落下したのがこの場所で犯人が落ちた跡である。
男は昨日と違い血に染まった土をじっと確認していた。
「何をしている?」血に染まった場所を見ていたせいか 不審人物と思われて衛兵が声を掛けてきたのだ。
「あんた 何しているんだ?」顔なじみの衛兵だった。
「狩場にいくのに 出てきたらこんな状況だったので 動物が襲われたのかなと」
「言いにくいが 人の亡くなった跡だ いいものじゃないだろう?」そう言って衛兵は 血に染まった場所を色々確認している。
「そうでしたか」それを聞いて気持ち悪いふりをして 顔を背けた。
「なんだこれは?」暫くして衛兵が何かを見つけて声を出した。
なにか小さい小袋を手にしていたのだ。
”あれは裏魔道具か?”男は衛兵の持っている物を見つめて 心拍数が上がるのを感じていた。
”あれをなんとか手に入れることは出来ないか”そんな事を考えていると 衛兵が戻ってくる際に男の脇を通って行った。
「あ、あの・・・」つい声を出す男。
「なんだ!」衛兵の仕事中できつい声で振り返る衛兵。
勢いよく振り返った為か 男と衛兵がぶつかり手にしたものを落としてしまう。
”チャンスだ!”男は瞬時に考え 行動を起こした。
「すみません」謝りながら 荷物を慌てて(いるように様にみえるように)落ちたものを拾い 衛兵に土を落とすように払いながら自分の持っていた小袋と入れ替えた。
「汚してすみません」頭を下げて謝まる。
「まぁ なにか判らんからこれから騎士団で調べるからなぁ」
「お前も何か見つけたら衛兵に差し出せよ」そういって 衛兵は詰め所に戻っていった。
男は軽く頭を下げて 森の中に向かった。
回収した闇魔道具の確認をするために 闇ギルドでの確認が必要だったからだ。
男は目的の場所に着き ドアに手を掛ける。
「おれだ ポイズンパイソンだ」
ドアの前で自分の愛称を口にする。
ドアが少し開き 中から手が伸びてくる。
男は回収した小袋を手に乗せた。
「入れ」そう中から声がし ドアが開いた。
素早く中に入る男。
「マスター 蜘蛛男がやられました 魔道具は男の物です」
男は中で大きなカウンター前にいる男に話し掛けた。
「見ていたのか?」
「えぇ 壁を登りそのまま 城壁から外に逃亡する時でした」男は見たままを報告する。
・城壁の上で小柄の人物に声を掛けられた事。
・相手を攻撃した際 相手に対して動きが鈍く見えた事。
・城壁から逃亡しようとした時 おちてしまった”らしい”事。
男は自分の感想はほぼ入れずに 見たままを伝えた。
「そこで闇魔道具がきちんと動作していないのが 原因のように感じましたので死体の場所を確認して 衛兵の探し当てたそれをすり替えて持ち帰りました」男の言葉に相手が頷く。
「動作試験をして改良を加えれば より良い魔道具に変えれば奴らも安心するな」
相手はそう言って 小袋を脇にいた男に渡した。
「24時間動作確認しておけ 異常があったら報告な」相手の脇の男は頭を下げ 外に出て行った。
「魔道具の不具合でなければ その小柄な人物か?」
「どう影響したのかは不明ですが 調査を進めていきます」男はそう言うと ドアを開け闇ギルドを退出した。
男は闇ギルドの関係者だったのだ!
闇魔道具を回収し闇ギルドに状況報告をする男
更に犯罪遂行能力を上げようとする闇ギルド
さぁ問題を見つけられるのか?