3,闇ギルド
犯罪は犯罪者がいないと起きない
もし それが組織であり得ない規模だったら?
犯罪組織 闇ギルド
犯罪者の 犯罪者による 犯罪者の為の組織
より効果的に犯罪を起こし 犯罪(者)を成功させるか
トンデモナイ組織である
そんな組織が敵対してきます
王都の城壁のすぐ脇に隠れるように 辺りを見渡す者がいた。
目つきは鋭く 風貌はぼろぼろだが歩く様子はしっかりとしている。
雰囲気と行動がちぐはぐである。
じっと見つめる目の方向には 城壁から飛び降りたまま横たわっている男がいた。
この男は先ほど無謀と思えるように 城壁から飛び降り全身骨折をして死亡したのだ。
だが 見ている男は驚いた眼で見ていた。
飛び降りて死亡するとは思っていなかったのだ。
「どうして 猫獣人化していたはずなんじゃ」独り言をいいつつ 見ていると騎士が男を取り囲むように集まってきた。
騎士に混じって男を確認できないし 騎士に見つかるわけにもいかない。
気配を消して 浮浪者のふりをしてみるのが精一杯だ。
男は大きな板に乗せられ 騎士団が運んで行っていた。
誰もいなくなって 安心して男のいた場所に近付いていく男。
男のいた場所は血で汚れており 落ちた衝撃で血をだす怪我をしたのが 死因なのであろう事が判る。
死体の金銭でも拾いに来た風で確認して 何もないのにがっかりした様子を浮かべながら立ち去る。
街道から外れ 誰もいない事を確認すると来ていた服を脱ぎ棄て着替える。
着替えた服装は冒険者 弓使いの身なりになっていた。
「くそが!しくじりおって」激しい口調で呟くと 何事もなく籠を持ち王都の城壁に歩いていく。
そして 城門まで歩いていくと 身分証をだして中に入って行く。
「獲物はどうでした?」なじみの衛兵が声を掛けてくる。
「いやぁ 小柄なやつ2つだ」そう言い籠の中を見せる。
「何かあったのか? 来る途中で血の跡があったんだが?」男はわざとらしく衛兵に声を掛ける。
「城壁から飛び降りた犯罪者がいたようなんですよ」
「飛び降りただと? 追い詰められたのかな」
「どうですかねぇ 人を何人も殺害している極悪人らしいですから」
「極悪人?」
「えぇ ここ数日の間に商会が5件襲われ殺害されていた事件の犯人と思われています」
「そんな大それた事件を起こしたやつが自殺ですか?」憐れんだように言うと 衛兵も困ったように話してくれた。
「噂ですが 逃亡するのに城壁に飛び上がったらしいですが なぜか飛び降りには失敗したようなんです」
「飛び上がれたのに?」
「えぇ まぁ 誰も判りませんがね」
「私らなんかテーブルにも上がれませんがね」そう言うと他の衛兵が笑っていた。
「まだ流れていない話ですので・・・ご内密に」衛兵の言葉に男は頷いて答えた。
「君達がここを守ってくれているから 安心して生活できるから 犯罪の情報はありがたいね」
男はそのまま自宅に戻ると そのまま”男の倒れて騎士に運ばれた事”の報告書を書き上げた。
いくつかの隠語を使い 普通の人が見ると何でもない普段の会話にしか見えないはず。
いくつかの疑問点を書き込んでいたのだ。
”闇幹部が確認してくれるだろう”男はそう考えての報告書なのだ。
男は報告書を持ち なじみの食堂に向かった。
「おやじいつもの」食堂のドアを開け そう言ってテーブルに座ると先ほどの報告書をテーブルに置く。
「肉とエールだね」そう言ってウエイトレスが料理を運んで置き 報告書をトレイの裏に隠し持っていく。
ウエイトレスが厨房に戻ると 店長に報告書を渡し店長が確認する。
しばらくすると次の料理が運ばれてくる。
地元の魚を焼いたものとトマトソースをふんだんに使ったトーストだった。
男はトマトソースを脇にはがし トーストの廻りにトマトソースまみれにした。
そして 魚の骨をとりだし ボロボロにしてトーストに乗せた。
””全身の骨が砕けて 血まみれ”はこんな感じか””
そこまで確認してから 厨房に怒鳴りつける!
「おやじ 魚の焼きが甘いぞ!変えてくれ」
「すまんすまん」そう言い厨房から店主が出てきて皿を確認して 交換の新しい料理の皿を置く。
「すまん これはお詫びだ」更とは別にエールのジョッキを置きまた戻っていく。
「気を付けてくれよ ここは帰ってきた時の楽しみなんだから」そう言い男は笑いジョッキを持ち上げう。
ジョッキの下には 折りたたんだ紙があり他から見えないように腕でそれを覆う。
それからありきたりの料理を食べ ジョッキの下の紙を懐に隠して会計をして店のドアを開ける。
「また来るよ」
「次は”新しい魚”を準備しておくよ」
男はそれを聞いて笑顔を浮かべた。
翌日また王都では 商会を狙った強盗殺人が発生した。
犯人は壁をはい登り 上階の開いている窓から屋敷に侵入して犯行におよんだようだ。
廊下を行くと家人に見つかるので 天井を動き回り背後から襲い掛かり家中の人を殺害したのだ。
その行動はまるで蜘蛛のような行動状態であった。
闇ギルドの威信をかけて犯行を繰り返しているねぇ
だんだん強力になりそうですが 容赦なくつぶしましょう
不定期更新となります