14,闇ギルドの終焉
捕まった獣人 お疲れ様
まぁ 王都を守るものが上手だから仕方ないね
さぁ獣人が戻らない闇ギルドはどうなるのかなぁ
闇ギルドでは 獣人の帰りを待っていた。
3人も送りだし”同時襲撃”という 捕獲側からは悪夢的な方法で襲撃させたのだ。
闇ギルドとしては 今までにない報告を期待して 酒樽と肉を山のように準備して待っているのだ。
連続した失敗を吹き飛ばすほどの大きな成果を持って帰ってくると 皆が願っていたのである。
だが 襲撃ごの帰還予定時間を大幅に超えているのに 誰も戻ってこないのだ。
「誰も帰ってこないな」6時間超過して 誰かがぽつりと呟いた。
「くそー魔道具なんか使ったから 誰も戻らないじゃないか」
「そうだ 俺達は俺達の体でやればいいだけなんだ あんなのを使う必要なかったんだ」
「こんな組織意味ないじゃないか」
「そうだ もうやめてやる」闇ギルド内でそんな声が出始めた。
「ままま まってくれ 今やめられたら俺の立場が?」あわてて闇ギルドマスターが口を挟んできた。
「立場?」その言葉に犯罪者達がマスターを一斉に睨んでくる。
「ここは”俺達のような犯罪者の集まり”でしかないはずだが?」犯罪者ににらめれて 縮こまるマスター。
そんな中やっと一人の獣人 狼獣人が戻ってきたのだ。
「だだ大丈夫か?」戻ってきた仲間に声を掛ける犯罪者達。
「捕まったが 隙を見て逃げてきたんだ」狼獣人はそう答える。
「よく逃げられたな?」他が感心する様に声を掛ける。
「”あんな化け物”がいたとはなぁ」狼獣人が溜息を吐く。
「どういうことか?」
「城壁の上で小柄な人物が対峙したんだが 対峙したとたん動きが鈍くなったんだ」
「不具合だったんじゃないのか?」
「いや 後の2人も同じようだった」
「まさか その人物がか?」
「あぁ 理由は判らん が 魔道具の力が無くなった感じですかねぇ」
「おいおい そんな事が出来ればどんな魔道具も意味を無くすだろう?」
「えぇ だから 無理をしても皆に伝えなきゃと逃げてきたんだ」
「そうだったのか よくやったな」
「原理が判れば 今までの魔道具も使えるんだろうが?」
「詳しいこちらの魔道具の動作原理も知りたいけどなぁ」
「無理無理 今までの力強化ですら無理なんだから」
「だなぁ」と皆が笑った。
「おうおう 獣人は帰ってきたのかよ」景気いい声を出しながら 奥から人が出てきた。
どうやらかなり酒を飲んでいるようだ。
計画で3人も同時襲撃だと聞いて 既に酒を飲んできたのだろう。
高そうな服装でどう見ても犯罪者には見えない相手だ。
「「「誰だ あんたは?」」」犯罪者の目が一斉に男に向けられる。
「おう俺か 俺はゲスダインのドーグン大佐様だ 敬いやがれ!」
「その大佐さんはなんでこんな場所にいるんだよ」
「こんな場所? おいおい 俺達が魔道具を提供していたからだよ」
「なんで?そんな事を?」
「魔道具をテストするのに 大事なゲスダイン国民を使えんからなぁ」
「なんだと!?」
「当たり前だ バーザンもゲスダインの役人だし 俺は支援担当だ」がははと笑うドーグン。
「ゲスな犯罪者の一人や二人 ゲスダインの為になったらなら光栄な事じゃないか」
「「「なんだと(怒)」」」更に怒声を上げる犯罪者。
ゲスダイン高官の言葉に犯罪者が飛び掛からん様子である。
うち一人の怒り狂った男が手にしたナイフを突きだしたが あっさりかわして腕をねじりあげる。
「相手の力量も判らんから 何も上手く出来ないんだよ 雑魚が」
ドーグンはナイフを奪うと 男の胸に突き立てた!
「ぐふぅ」男はナイフの一突きで絶命した。
「お前らごとき 俺にかなうわけないだろうが」
「では”俺達で苦労して出来がった魔道具”だ しっかりとその体で確かめろ!」戻ってきた狼獣人 ゲスダインの男とマスターに襲い掛かっていった!。
「お前達のせいだ あいつもあいつも帰ってこなかった」叫びながらナイフと突き出す。
「ははは 俺達がお前ら相手に対策しないはずがないだろうが ばかめが!」ドーグンはそう言い笑いながらナイフをかわしていく。
「ばばかな」狼獣人は驚くが 先ほどの言葉の意味を理解していた。
「お前達も魔道具を」
「そうに決まっているだろう お前らのおかげで調整も万全だしな」ドーグンがそう言ってナイフを繰り出してくる。
「く、くそ」元の武術の差か 狼獣人は何カ所かに傷を負っていた。
「魔道具も完成した 反抗的なお前達はもうようがない」ドーグンはナイフを一舐めして 狼獣人を睨みつけた。
「ところでお前は ”なんでこんなマネをしたんだ?”」さっきと違う高い声がしてドーグンの動きが止まる。
「だれだ?」
「とりあえず 影の魔導士 とでも言っておこうかな」そう言って小さな人物が いつのまにか立っていた。
「影だと?」
「あぁ 光に寄り添う常にともにあるもの・・・それが影だ」
「だから何だというんだ?」
「だから光を汚す闇は許さん!」
「へ! 口では何とも言えるがな」そう言いナイフを突きだしてくる。
だが それは他から見ると明らかに遅く勢いのないものになっていたからだ。
「ほう 凄い動きだな」小さな人物の動きに感心し ドーグンと比較していたのだ。
「お前が前に言った3人を”殺った”んだな?」マスターも軽やかにナイフを割ける人物に声を掛けてくる。
「さぁ? 殺った覚えはないですよ?」
「どうしてここにいる? まさか”つけて”きたのか」
「さぁ きっと”犯罪者を捕らえるため”だよ」
「一人で全員捕まえると?」
「いや無理でしょ まぁ2人だな」
「は?」
「不法入国 殺人現行犯 不法魔道具使用の3件でお前達を逮捕する!」
「お前ごとき 何をいっているんだ?」
「捕まえられるなら やってみろ」そう言ってナイフを突きだし襲い掛かってくる!
「”手加減無し”でいいよね」そう言い腕を上げていた。
「どうせここは去るのだ ついでにお前も血祭りに・・・」
「あ 危ない!」狼獣人が間に入り ナイフを繰り出して応戦した。
ガキン!
大きな音がして ドーグンのナイフが飛ばされる。
「ば ばかな?」先ほどまで圧倒していたのに ナイフを飛ばされたことに驚きを隠せないでいた。
「それを知る必要はない!」狼獣人は一言いうと 二人をあっという間に切り刻んでしまった。
パーソンが相手のドーグンとマスターの魔道具”だけ”を無効化したためだ。
「今までにもてあそばれた”仲間の恨みだ”」狼獣人はそう言うとナイフを手放した。
「私を”暴行しよう”とした相手に対しての行為ですからね」小柄な人物がそう呟く。
「”過剰防衛”ですが まぁ問題ないでしょう」
「いいのでしょうか?」
「”貴方”も 異常だと知っていたから協力をしてくれたのでしょう?」
「闇ギルドなど 犯罪者の民間団体 金も技術もない・・・そんな集団にあれほどの物が出来るはずがないんだ」
「確かにあれは”国家”レベルの協力がないと無理ですよねぇ」
「俺は真実を知りたかっただけだ」
「仲間の恨みも果たしたから 俺も”処分”してください」
「処分?何のことです?」あっさり否定する。
「ですが俺は犯罪を?」
「では そうですね ”取引”しましょうか?」
「”取引?”」
「”ゲスダイン”の情報収集をお願いしたいのです それで貴方を”特務情報員”扱いでどうです」
「他のメンバーは?」
「犯罪現場を見ておりませんので 犯人扱いには出来ませんね」
「まぁ 厳重注意の監視対象かな」と 相手と笑った。
「手が足りないようなら 彼らを”部下として一緒に活動”をしてくださいね」
闇ギルドも所詮寄せ集め しかも 他の影響を受けていただなんて
能力はないが プライドだけの犯罪者だもん
そんなプライドを傷つけたんだもの
処刑されてもしかたないね
不定期更新となります