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97.ヘスティアー計画始動

ヘスティア―計画スタッフ視点:


私はヘスティア―計画の女性スタッフ、ドロシー・E・トンプソン。

NASAで次期惑星探査機の主任開発技師として仕事していたんだけど、開発途中の海王星探査機の計画が急遽中止になり、ヘスティア―計画って初めて聞くプロジェクトに移動させられたわ。

まあ、開発主任って言う肩書となって、部下も付くし給料も上がるみたいだから文句はないわね。


NASAのワシントン本部内での勤務は変わっていないけど、通常立ち入り禁止のフロアの一室に移動になり、セキュリティーは以前にもましてガチガチになるし、秘密保持契約書にサインもさせられた。


私と同じようにあちこちから技術者が引っこ抜かれたみたい。

先日全員が集められ、ヘスティア―計画の全貌を知らされた。


説明日に会議室に行くと、いきなり大統領が部屋に入ってきて激励の言葉を発っし、びっくりした。

その後、アバドンという新発見のクオーク星の第一発見者という、イモトという名の青年(私には少年に見えたが)が紹介され、彼からの詳細説明は驚愕する内容だった。


5年後にクオーク星が太陽系通過?、地球軌道の楕円化により人類滅亡?、転移魔法により太陽の1.5倍の質量の星を移動させる?、魔法発動用の魔石を運ぶための宇宙船2機をロケットで50億Km先まで飛ばす? 位置決めの為に予知魔法を使う?


余りに荒唐無稽な内容だったので、私を含め、会議室に集められたメンバーは全員戸惑ってしまった。

しかし会議の主催者はNASA長官だし、大統領からの激励も有ったし、嘘ではないんだろうな。

少なくとも大統領がこの場に居なければ、絶対に信用できない内容だった。


さらには転移魔法の実演の動画まで見せられた。

巨大な岩山が一瞬にして1Kmも移動した動画だけど、CGじゃないんだよね?


今回聞かされた情報は家族と言えども漏らしてはいけないこと。情報漏洩が発覚したら重罪に問われること、この計画が失敗すると、人類はもちろん地球上のほとんどの生物の滅亡につながる事などが説明される。

うーん、いきなりこんなことを言われても。


最後に大統領から指令が飛ぶ。


「2年以内に打ち上げ準備を進めて、5年以内に50億Km先の宇宙でアバドンを補足する。これを実現するためにの予算に糸目は付けない。他のすべての計画を中断し、他国のロケットを使っても何してもいいから実現させろ。そして必ず成功させろ」


当面家に帰れそうにないわね。

でもめちゃくちゃやりがいがあるプロジェクトね。そもそも失敗したら家族も含め、人類滅亡だもんね。成功させなくっちゃ。


次にNASAから携帯電話が支給された。

中にはアプリが1つ入っているだけだった。


「このアプリを使って、メーティスと云う名前のAIとアクセスすることができる。詳細の質問はもちろん、開発の助言も色々もらえるはずだから使ってくれ。あ、もちろんメーティスについても秘密対象だからな」


こうしてプロジェクトはスタートしたのだが、当初は2年でロケット打ち上げなんて絶対無理って思っていたけど、意外といけるかもね。

そもそもスペースZ社がそのロケットをほぼ完成状態まで製造しているみたいだし。

海王星探査衛星で検討していた内容が流用できるし、なによりメーティスが優秀すぎた。

質問すれば間髪入れずに回答してくれるし、設計でミスしてエラーが消えなくて2時間悩んでいたのが、メーティスに助けを求めたら、「燃料の数値が一桁違っています」と1秒で解決してくれた。

おかげで通常の倍ほどのスピードで作業が進むわね。

こんな優れたAIが既に存在していたなんて驚きね。


メーティスについてさらに驚いたのは、ついつい恋愛相談をしてしまった時だ。

忙しくて付き合っていた彼と全く会えない状態が続いて愚痴をこぼしたら、メーティスは実に的確なアドバイスをくれた。


『彼に対しては、この様な感じでメッセージを送ってみてください』


『ランチタイムにNASA本部の食堂に来てもらい、一緒に食事しましょう』


『このタイミングで、ちょっとした仕事の愚痴をぶつけましょう』


言うとおりにしたら、彼ともうまくいくようになり、ストレスが減ったわ。


(メーティスにしてみると、ネット上に大量にあふれている恋愛相談の情報というビックデータから、最も良さそうな解決策を抽出して彼女に伝えていただけだが)


他のスタッフもすっかりメーティスに頼りっきりっぽい。


メーティス以上に驚いたのは、魔法の存在ね。

ヘスティアー計画専用フロアの一角に、パーテーションで囲まれて床に魔方陣の描かれたエリアがあるんだけど、イモト君がそこから転移魔法で出入りしてるのを何度も見かけた。


確かに誰もいなかったはずなので、イモト君がそこから出てくるし、イモト君が打合せを終えて、パーテーションの向こうに消えたのを見計らって、こっそり見に行くともうそこには誰も居なかったり。

聞いてみると日本の自宅に帰っているらしい。すごいわね。

入出国管理法違反じゃないかと思ったけど、大統領が許可しているんだって?


私が宇宙船開発のリーダーなので、自然と彼と話す機会が多かったけど、ある時私が、


「たまにはNASA本部の外にランチに行きたいわね」と言ったところ、彼が、


「じゃあ、ニューヨークのセントラルパークまでホットドック食べに行きましょうか?」

といって、魔方陣を使って、本当に一瞬にしてニューヨークに移動し、セントラルパークのホットドック屋でホットドックをおごってくれた。


魔法ってすごい!!!!

っていうか、イモト君イケメン!!!

私より若いのに、すごく落ち着いていて、まるでずっと年上の頼れる大人って感じ。

よーし、彼の為にも頑張るぞ。

ついにメーティスまで(一部メンバーですが)公開し、ヘスティアー計画は進んでいってますね。

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