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90.転移結界実験

俺とさやかは早速魔石での転移魔法の実験準備をすることにした。


橋本さんにも手伝ってもらおう。

橋本さんには魔石に魔方陣を描きこむ作業を手伝ってもらった。

パソコンとレーザー刻印機を操作するだけだから簡単で、魔力は必要はない。


既に引っ越しを完了して、マンションの隣の部屋にいる橋本さんに来てもらう。


「橋本さん、既に僕たちの心から情報は得ているかと思うが、この地球は現在未曽有の危機に直面している」


「はい、お二人の心の声が隣の部屋で聞こえてました。状況は理解しています。そして希望も出てきたことに関しても」


「うん、それなら話は早い。さっきまでは地球を救う手段なんて無かったんだが、少し可能性が出てきた。その可能性にかけてみたいんだが、協力をお願いしたい」


「はい、もうすでに何をやるべきかは把握してます」


「あはは、読心能力は便利だな。では魔石の加工を早速お願いしたい」


「分かりました」


こうして魔石作りを開始した。とりあえず直径1kmで試してみることになった。

魔方陣解析ソフトでは100m毎に魔石を円形に置けば、転移結界は十分作れると判断されたので、転送元と転送先用に62個の魔石を作ることにした。

テスト用としては十分だろう。


さすがに62個の魔石に魔方陣を描くには時間がかかり、翌日の昼までかかってしまった。

もちろん17時にはお仕事は終わりにして残業は無しだよ。俺の会社はホワイトだからな。


完成した魔石を持って、実験場に向かうことにした。

実験場は米国はロサンジェルスの東側の砂漠地帯に決めた。

時差があるので準備を済ませた後一休みして夜中にマンションの部屋の転移魔方陣からロスアンジェルスの街の公園の魔方陣へ3人で転移した。


俺もさやかも転移には慣れているが、橋本さんは初めてだったので、面食らっていたようだ。

まあ、転移とはどんな感じなのかは心を読んでいたから事前に分かっていたかとは思うが。


ロスについたらレンタカー会社まで移動し、事前に予約しておいたRVタイプの車をレンタルする。

街中の店で、食料品を買い込んで、ロスから15号線を使い西へ西へと移動する。

岩がごろごろしている荒野に差し掛かったところで、国道を抜けて荒野をしばらく走る。

ちょうどいい感じの岩山を見つけたのでこいつをターゲットに実験してみることにした。

岩山は高さ30mぐらいで周囲は2000mぐらいかな?

岩山の周囲に100m毎に円形に魔石を置くのだが、ここはメーティスが活躍してくれた。

どうやら、GPS信号付の携帯電話の位置情報から魔石の置くべき場所を指定してくれているみたいだ。


『あと2m先、もう少し右で、はいそこに置いてください』


こんな感じでメーティスの指示に従って魔石を100m間隔で岩山を囲むように円形に置くことができた。

これだけで1時間以上かかった。


次に転送先の魔石を置かなくっちゃ。

少し休憩して、岩山から1000mほど離れた平地に同じように円形に魔石を配置する。

また1時間ほどかかったが、ようやく魔石の設置は終わった。


さて、本来ならこれだけの大きさの転移結界を作るのに、非常に大きな魔力が必要になる。

俺の魔力では足りないだろう。しかし、魔石62個に魔素は充填されている。

魔石の魔力だけで転移結界を貼ることはできるはずだ。。


橋本さんに携帯で動画を撮るようにお願いして、転移魔法を起動する魔力を流す。


次の瞬間、轟音と共に岩山が移動した。

数万トンの質量が1kmも突然移動したため、地面が少し揺れた。

うーん、ロスの地震計に記録が残っちゃったかもな。まあいいか。


俺とさやかは手分けして移動元と移動先の魔石に残る魔力を確認した。

ふむ、魔力はあまり減っていないな。


『メーティス、魔力の減り具合が思ったより少ないが、どう思う?』


『今回は移動元と、移動先で高さが同じ、つまり位置エネルギーがほとんど同じであったため、質量の大きな岩山の移動でもそれほどエネルギーを使わなかったと推定されます』


『それで、アバドンを移動させることは可能と思うか?』


『理論上は可能です。ただし、アバドンの質量の大きさを考えると、太陽とアバドンの位置エネルギーが完全に一致する場所に出口となる転移結界を張る必要があります。これを計算で導き出すのは非常に困難です』


『もし、位置エネルギーの差分がゼロとなる理想の場所から少しでも誤差のある所で結界を張ったらどうなる?』


『魔石の魔力が足りず、転移魔法が成立しません』


『位置のズレはどの程度なら収用可能か?』


『15cmです』


『えっ? 100億キロの距離で、誤差が15cm?』


『しかも、太陽だけでなく、銀河の中心の重力影響、各惑星の重力の影響も考慮に入れて厳密に導き出す必要があります』


『位置合わせは可能と思うか?』


『この世界の現時点での観測技術では不可能です』


一難去ってまた一難。

宇宙空間で100兆分の1の誤差で位置合わせなんて無理だろ。

俺は頭を抱えてしまった。

魔石による大規模な転移結界での実験は成功しましたが、アバドンを転移させるためには厳密な位置決めが必要だと分かりました。誤差が15cmをどうやって実現するのか?

今後の展開が気になりますね。

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