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80.大賢者、大学生になる

4月に入り、東京での生活が開始された。

俺もさやかも19歳になる。


俺とさやかは東京は臨海部にある、タワーマンションを購入し、そこに住むことにする。

築10年の部屋だが、1億5千万円程度と、それなりの価格だった。

個人での資産も株の取引により膨れ上がっており、現時点で100億円近くになるので、中古のタワーマンションの部屋ぐらいは問題なく即金で購入できる。


会社のビルにもほど近く、大学にもにも近いので便利だ。

しかし、住み始めてみて朝晩はエレベータの乗り降りに時間がかかるのが判明した。


そこで、駐車場を借りてそこに転移魔法陣を描いておくことにした。

俺たちのマンションの空いている部屋に転移魔法陣を準備したので、タワマンからの出入り時にエレベーターを待ち続ける必要はなくなった。


もっとも、会社のビルの屋上と、大学のキャンパスの片隅にも魔法陣を描いて、タワマンの部屋から直接会社や大学に行けるるようにしたため、駐車場の魔法陣はあまり必要なかったかかもしれない。


なお、タワーマンションにした一番の理由は、高所から東京の街並みが見えるからだ。

別に夜景を見たいわけでは無くて、この状態で予知魔法を働かせると、大災厄のヒントが得られるのではないかと期待したのだ。

俺の予知魔法のLvは現在9なので、もう少し鍛錬してLv10になれば何かわかるかもしれない。


大学での生活も特に問題なく講義もまじめに受ける。


そういえば、国立天文台の加藤さんが大学との共同研究もしているので、時々研究室にいるはずだ。

俺は加藤さんとコンタクトを取り、大学に来る日にキャンパス内で会うことにした。


「やあ、井本君お久しぶり。この大学に進学したんだね。さすがだね」


「いえいえ、ところで、宇宙望遠鏡での観測はいかがですか?」


「ああ、順調だね。同一性能の望遠鏡2台が常に地球の反対側の軌道上にいるから、合わせて一つの巨大な望遠鏡の様に使えるのが良いね。役に立っているよ」


「それは良かったです。小惑星の探査にも使えますか?」


「十分使えるね」


「そうなんですね。小惑星探査はやらないんですか?」


「ああ、現在のメインの観測は、太陽系外の惑星の調査と、中性子性のような特殊な星の調査だが、合間の時間で別のグループが未知の小惑星の発見にトライしているね」


「おぉ!そうなんですね。是非そちらのグループの方をご紹介ください」


「おおいいよ。そのグループはここの東京大学の研究者だから今からでも行くかね?」


「えっ良いんですか?是非お願いします」


俺は加藤さんに連れられて、建物内の部屋まで行く。


「前田さん、お久しぶりです。今いいですか?」


前田さんと呼ばれたパソコン画面を見ていた男性がこちらを振り返る。


「お、加藤さん、お久しぶり。今日はどうしました?」


「こちらの新入生が小惑星探査に興味があるみたいで、連れてきました」


「井本と言います。小惑星探査に興味があるので、是非色々教えてください」


「うーん、君はまだ1年生だよね。3年でゼミに参加してくれるならいいけど、ちょっとどうかな?」


「加藤さん、彼はスペーステレスコープX社の大口出資者で、彼がいなければ日本の宇宙望遠鏡は未だに打ちあがって無かったですよ。さらに打ち上げに使ったスペーズZ社にも出資しているんですよ」


「なっなんだって? スペーステレスコープX社とスペースZ社に日本の投資会社が出資しているって聞いていたが、君がオーナーなのか?」


「はい、そうです。スペーステレスコープX社の谷口社長とも、スペースZ社のエンゼルCEOとも仲良くさせてもらっています」


「そりゃすごい! そんな人物なら大歓迎だよ。いつでも研究室に遊びに来てくれ」


「小惑星探査のデータにもアクセスさせてもらえますかね?」


「ああ、いいとも。その代わりそちらの加藤氏と谷口社長に、『もっと小惑星探査用に望遠鏡の使用時間を拡大してくれ』ってお願いしておいてくれ」


「はい、分かりました。あと、現在スペーズZ社の新型イオンエンジンが完成間近で、これを使って小惑星探査機を打ち上げようかとも計画しているんですよ。興味あります」


「なっなんだって!! 君、井本君だっけ? 細かな話を聞かせてくれ」


そこから数時間、前田教授につかまって色々話をする羽目になった。

加藤氏はいつの間にかいなくなっていた。

その代わり、小惑星探査用のデータベースに自由にアクセス可能にしてくれた。

教授のデータベースは、全世界の小惑星探査用のデータベースにも相互アクセス可能となっており、非常に便利だ。


前田教授の研究室を後にして、俺はメーティスと話をする。


『どうだ、小惑星探査のデータベースにアクセスできるか?』


『はい、IDとパスワードをもらえたので、自由にアクセス可能です。全世界の小惑星探査のデータベースにもアクセスできました』


まあ、メーティスはIDとパスワードが無くても自由に全世界のデータベースにアクセス可能なんだけどな。

何か情報を見つけた時に、データベースへのアクセス権を持っていると、公表するときに理由付けが簡単だよな。


『メーティス、引き続き地球衝突の可能性のある小惑星探査を頼む』


『了解しました』

主人公は大学に進学しました。

これからの生活拠点は東京になります。

メーティスは地球衝突の小惑星を特定できるのでしょうか?

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