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75.大賢者、大災厄調査を更に行う2

主人公視点:


俺とさやかは成田空港まで一緒に移動し(東京の魔法陣まで転移してから電車で成田へ)、そこからは別行動。

俺はスリランカのコロンボ行きの飛行機に乗り込む。

えー、14時間も掛かるの?うんざりだなぁ。

まあファーストクラスは快適だから、のんびりしますか。


14時間後、特に問題もなくコロンボに到着。

直ぐにホテルに移動してチェックイン後、ホテル近くの公園で転移魔法陣を描く。


予知魔法を働かせて、大災厄の状態を確認してみる。

うーん。北半球の各都市の影響より、コロンボの被害の方が酷いような気がする。

何がどう違うのかがはっきりわからないが、樹木や建物へのダメージがこちらの方が酷いように思える。

後日さやかと一緒に検証しよう。


コロンボに一泊し、次はフィリピンセブ島に向かう。


移動は……、きついな。2回も乗り継ぎがあるなんて思わなかったわ。

メーティスもその辺りは事前に説明しろよな。


18時間も掛かり、くたくたになりながら、セブ国際空港を降り立ち、海岸線沿いの高級リゾートホテルに向かう。

ホテルはさすがにいい感じだった。

ビーチも綺麗で、プールも良い感じなのだが、その日は疲れたのでチェックイン後寝てしまった。


翌日朝食をホテルで取った後、歩いてホテル周辺を散策し、ホテル敷地内に良い感じの場所を見つけたのでそこに転移魔法陣を描いておく。


その後、さやかと連絡を取り、さやかが現在滞在しているエクアドルのキトへ転移する。

海抜ゼロメートルのセブ島から標高2850mのキトにいきなり移動したため、耳がつーんとなってしまい、息苦しさも感じる。

まあ体力強化魔法があるので、大した影響はない。


キトの魔法陣の横で待機していたさやかと合流し、予知魔法と使って大災厄の影響を調べてみる。

キトは赤道直下で、標高も高い場所だが、今までで一番被害が酷いような印象を受ける。

5年ぐらい先の災厄なので、Lvが上がった予知能力でもぼんやりとした映像だが、建物への影響や、自然破壊の状態も今までで一番ひどいと感じた。


さやかの予知能力は俺より低いため、俺の見たイメージを念話で共有する。


「どう思う? 今までで一番影響が強いように思えるんだど」


「そうね、私もそう感じる。ただ、それほど大きな差分は無いわね」


「とりあえず、今回魔法陣を設置した場所を全部回ってみよう」


俺はそういうと、さやかと一緒にハワイはホノルルの魔法陣へ跳躍した。


標高2850mmから一挙に海抜ゼロメートルのホノルルに移動したので、さっきとは逆の感じで耳がツーンとなる。

ハワイは赤道直下ではなく、南回帰線に近い。

早速予知してみる。


「ん?ここも結構被害が大きい印象だな」


「そうね。キトよりも多少マシだけど、他の北半球の都市より被害が大きいように感じるわね」


ワイキキビーチをさやかと探知しながら歩いていると、遠くから二人組の男が血相を変えてこちらに走ってくるのが見えた。

なにかこちらに向かって叫んでいる。


「金を返せ」

「ぶっ殺してやる」


良く聞こえないがこんなことを言っている様に聞こえる。


「さやか、知り合いか?」


「あー、あの二人ね。めんどくさいから逃げましょう」


そう言って身体強化を掛けて転移魔法陣の方へ走っていく。

慌てて俺も後を追う。

転移魔法陣でコロンボへ転移する。


◇◇◇


俺とさやかは男二人を振り切ってコロンボに移動した。


「で、あの二人は何なんだ?」


「実はね……」


俺はさやかから話を聞いて笑ってしまった。

犯した罪に比べて罰が甘すぎる気もするがまあいいだろう。


気を取り直してコロンボでの予知を開始する。

コロンボでの被害はホノルルよりは低い感じだ。


最後にフィリピンセブ島へ向かう。

ここでの被害はコロンボとほとんど同じぐらいだな。

今までの情報をまとめると、


・被害の大きさは、

 キト > ハワイ > セブ・コロンボ > 北半球の各都市 > 南半球の都市

 の順。ただしそれほど大きな差分には感じられない。


・どの地域でも樹木は消失しているように見える。


・建物は残っているがダメージに関してはよく分からない。


・津波などの被害はあまり感じられない。


「どう思う? 隕石の落下とは違う感じがするんだが」


「そうね。メーティスにも聞いてみましょう」


「そうだな。メーティス、お前の意見を聞かせてくれ」


俺は念話でメーティスに今まで得た情報と、予知魔法でぼんやりとだが感じることができた各都市の予知画像を共有する。


『情報不足です』


メーティスからの返答はひどく簡単な物だった。

なんだよ。推定で良いから意見言えよ。


とりあえず、調査を継続していこう。


さやかはエクアドルのキトへ戻った。そこから米国のヒューストンを経由で成田まで飛行機で帰るのか。大変だな。


俺は明日のフライトで数時間で成田だから気が楽だな。

ホテルの部屋は快適で、ゆっくりできた。

ただ日本の観光地では定番の温泉付き大浴場が無いのが海外のホテルの難点だな。


翌朝、ホテルで朝食をとった後、タクシーで空港に向かうが、空港周辺で大渋滞。

ようやく空港に到着したら、空港が閉鎖とのこと。

空港内の表示を見てみると、貨物便が今朝空港着陸を失敗して、滑走路で機体が真っ二つに折れ曲がってしまったらしい。


幸い貨物便なので、乗客はいなかったことと、パイロットも無事だったらしいが、散乱した機体と荷物で当面空港は閉鎖らしい。

滑走路が1本しかないから仕方がないな。

2,3日は閉鎖されるとのこと。

セブ島にはここにしか空港が無いので、しばらくは足止めだな。


一度日本へ転移で戻ってもいいんだが、折角なのでセブ島観光でもしますかね。

ここはフィリピンでも有名なリゾート地だしね。

俺は一度ホテルに戻り、部屋には空きがあるとのことで、再度チェックインしてからタクシーでセブ市内を散策することにした。


それにしても、マッサージ屋(SPA)が多い気がするな。

タクシーの運転手に聞いてみると、街中にあるマッサージ屋はいかがわしいタイプの店ではなく、健全らしい。


なるほど、日本にもマッサージ屋が多く存在するが、行ったことが無かったな。

あちこちに移動して疲れも出てるからマッサージも悪くないな。


タクシーの運転手にマッサージ屋で良い所が無いか聞いてみると、日本人観光客だったら、日本食レストランと大浴場付のマッサージ屋が良いんじゃないか? ということで、メインストリートの一角にあるお店に案内してくれた。


セブ島にも岩風呂銭湯みたいな所があるのね。

ちょうど腹も減っていたので、併設されている日本食レストランで食事しながら、周りを見渡す。日本人が多いな。

隣で食事している爺さんにちょっと聞いてみると、オーナーは日本人らしい。


「ほら、ちょうどそこで話をしているおっさんがオーナーだよ」


「おう、どうした」


オーナーが俺たちの会話に気が付いてこちらにやってきた。


「あ、いえ、僕は旅行で来ていて、タクシーの運ちゃんに紹介されてここに来たところです」


「そうか。観光か?」


「いえ、仕事ですね」


うーん、実際に観光できたわけじゃないけど、仕事でもないかな? まあいいか。


「おー、こっちで仕事を探しているのか?」


「そういう訳じゃないです。僕は日本で会社を経営してまして、その関係で」


「なんだって? その若さで会社を経営してるのか。やるな。俺はこの店のオーナーの小川 健太っていう者だ。よろしくな」


「僕は井本って言います。会社って言ってもそれ程でもないですよ」


「よし! 若くして会社のオーナーで、ここにも仕事で来ている君に敬意を表して、ここの飯代はおごってやるよ」


「えぇ?いいんですか。じゃあごちそうになります。ところで小川さんはなんでこちらに来たんですか?」


「色々理由はあるんだけどな。一番の理由は神経痛と花粉症だな」


「え? どういうことですか?」


「日本の冬は寒いだろ? 昔から冬は神経痛がきつかったんだよ。さらに花粉症が酷くてな。その点ここは冬は無いし、杉の花粉も舞ってないし、天国だぜ」


「あ、なるほど。たしかに冬も杉も無いですね」


「だろ? でもな、最近こっちでも神経痛が出始めてなぁ。今日もひどいんだよ」


小川さんは、左腕をさすりながら顔をしかめる。


「お風呂もマッサージ店も併設してますが、風呂やマッサージでも良くならないですかね?」


「まあ、少しは効果があるが、焼け石に水だな」


ふむ。食事も奢ってもらったし。ちょっと見てあげようかな?


「実は僕は神経痛によく効くツボというか、マッサージが得意なんですよ。ちょっとやってみましょうか?」


「わはは、そうなのか? まあちょっとやってみてくれ」


小川さんはそう言うと左腕を俺に向けてきた。


俺は、小川さんの左二の腕を軽くつかむと、ツボを押すような感じで力を込めながら、ヒール魔法を掛けてみる。まあ、神経痛ぐらいはヒールで簡単に治せるしな。

軽くヒールを掛けただけだが、確実に効果はあったようだ。


小川さんはびっくりしたような顔で、俺を見る。


「おい、マジか? 本当に痛くなくなったぜ。井本君だっけ? すごいな。どうだセブ島に移住してここで働かないか? 実はここセブ島って日本人でリタイヤして移住している年寄りも多いんだよ。絶対需要あるぜ」


おいおい、早速商売に結び付けてきたな。大したもんだ。


「いやいや、本業は全然別なもんで」


「そうか?残念だな。神経痛を治してくれたお礼に、風呂もマッサージもタダにしてやるからゆっくりして言ってくれ」


せっかくなので、お言葉に甘えて風呂とマッサージを堪能させてもらった。

うん、やっぱり大浴場は良いよね。こちらで宿泊しているホテルは、高級リゾートなんだけど、日本と違って大浴場は無いもんね。

マッサージは健全なマッサージだったけど、若い女性がマッサージしてくれたのでちょっと恥ずかしかった。


すっかりリラックスできたので、小川さんにお礼を言って店から出る。

しまった! タクシーを待たせたままだった。

タクシーの運ちゃんにチップをはずんでおく。

筆者も神経痛がたまに出るので、主人公に直してもらいたいです。

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