69.魔石ペンダントの効果
正月になった。
前世も1年の始まりのお祭りみたいなものはあったが、こちら世界の日本の風習とはかなり違っていた。
金井さんに誘われたので、初詣に行くことになった。
恵さんも誘い、さやかと一緒に近くの神社に4人で出かける。
おぉ!? 金井さんと恵さんは示し合わせたかのように着物を着てきてる。
あ、そういえば近藤先輩から「女の子がいつもと違う髪型にしたり服装にした時はとにかく褒めるのよ」って言われてたっけな。
俺はこっそり携帯電話を使い、”着物を着た女性の誉め言葉”を検索して、定型文を入手。
早速使ってみる。
「お二人とも、普段と違う雰囲気でびっくりしたよ。すごくきれいで恋に落ちてしまいそう」
ん?こんな感じで良かったかな?
金井さんも恵さんも恥ずかしそうだが嬉しそうな表情をしていたので、良かったんだよな?
誰が声を掛けたのか知らないが、1年生の二人も神社近くで合流してきた。
あれ? 二人手をつないでる?いつの間に仲良くなったんだ?
近くの神社は普段全然人が居ないのに、今日は溢れかえらんばかりの人で大混雑だった。お参りに並ぶ列に皆で並ぶが、待っている間にも女性陣は色々な話題で盛り上がっており、退屈はしてないみたいだな。
女性陣の会話には入って行けそうになかったので、俺は1年生男子の森田と話をする。
「最近は調子はどうだ?」
「はい、なんかすごく体調が良いんですよね。自分は中学校の時に事故で腕を痛めていて、ずっと痛かったんですが、最近痛みが無くなったんですよ」
「それは良かったな。湿布とか使ったのか?」
「何もしていないんですけどね。そうそう、このペンダントを付けたぐらいから急に腕の痛みもなくなって、体調も良くなったんですよ。パワーストーンの効果ですかね?」
それを横で聞いていた1年の原さんも相槌を打つ。
「それって、私も感じた。実は私、女の子の日が非常に重くて、いつもつらかったんだけど、このペンダントをもらったぐらいから全然苦にならなくなってるの。もしかしてこのペンダントの石って本物のパワーストーン?」
さやかと俺はと顔を見合わせる。
ペンダントには、予知魔法の魔方陣と、物理結界の魔方陣と、魔力を維持するための魔方陣が刻まれている。
さらにヒール魔法の魔方陣が描いてあったが、この効果が出たんだと思われる。
非常に小さい魔方陣だし、それほどの効果は期待していなかったが、よく考えれば微弱とはいえ、四六時中ヒール魔法を掛け続けられるんだから、何らかの影響は出そうだよな。。
俺は念のため、金井さんと恵さんにも体調について聞いてみた。
二人とも最近は体調は非常にいい様だ。
ペンダントをつけるようになってから体調が良くなった気がする、との事。
やはりペンダントによる、健康効果はあるようだな。
前世で魔方陣を刻んだ魔石なんて作ったことが無かったからな。うれしい誤算、としておこうか?
しかし、恵さんが仰天発言をする。
「この間、家で飼っているる猫が家の前で車に引かれたの。直ぐに病院へ連れて行ったんだけど、医者からはもう助からないって言われて、痛み止めの注射だけ打たれて、家に連れ帰ったんだけど、もう最後だと思って一晩中膝の上で撫でてあげていたら、朝には元気になっちゃったの。それでもう一度病院に連れて言ったら、医者がびっくりしていて、どこも悪くないんだって」
「そ、そうなんだ。最初の診察で誤診だったんだろうね」
俺はそう言ったが、恵さんがヒール魔法を使ったとしか思えない気がした。
魔石ネックレスのヒール魔法陣で、ヒール魔法が使えるようになるのか?
後日詳しく調べる必要があるな。
初詣の人込みでうんざりだったが、何とか初詣も完了し、一旦みんなで俺の家に行くことにした。
1年の二人はこれからデートってことで、どこかへ行ってしまった。
「デートか、いいなぁ」
俺がそういうと、1年の森田が、
「何言ってんですか、井本先輩は新年早々、3対1のハーレム状態じゃないですかぁ」
いや、別に俺と女性三人は特に変な関係じゃないからね。
前世の人生では100歳だったからか、どうしても16,7才の女の子は、孫にしか見えないんだよな。
◇◇◇
3月になった。
来月はいよいよ俺たちも3年生か。
先輩方は全員大学進学で、全員志望校へ合格していた。
3人とも東京の有名大学だったが、i経済研究所はリモートでの仕事でも問題無いので、引き続き会社に所属してもらっている。
今日は先輩方に学校へ来てもらい、俺たち在校生で卒業祝と進学祝いを兼ねたお別れ会だ。
事前に準備しておいた、お菓子や飲み物を部室に用意して、先輩方を招き入れる。
既に8月から俺が部長になっていたので、俺が乾杯の音頭を取って、お別れ会のスタートだ。
「先輩方、いままで色々ありがとうございました。そして大学合格おめでとうございます。先輩方のこれからののご活躍をお祈り申し上げます。かんぱーい」
「「かんぱーい」」
しばし、歓談した後、先輩方が挨拶の言葉を発した。
大谷先輩は東京の有名国立大学に進学だ。
「俺は、卒業したら起業するためにアルバイトでお金を貯めていこうと高校時代は頑張ってきた。井本君のおかげて、i経済研究所で働けて本当の良かったと思っている。目標の十倍以上のお金が貯められたし、色々勉強になった。東京に行ってもi経済研究所で仕事するので、ビデオ会議で毎日話しすることになるから、お別れって感じはしないけど、これからもよろしく」
「「よろしくお願いします」」
岩崎先輩は。大谷先輩と同じ大学に進学だ。
「私も、高校時代はアルバイトで、大学進学費用や生活用にお金を貯めてきたけど、井本君のおかげでたくさんのお金を貯めることができて、受験勉強に専念できたわ。井本君にも、他の皆にも本当に感謝しているわ。大谷君と同じく、引き続き一緒に仕事続けるので、こらからもよろしくね」
「「よろしくお願いします」」
近藤先輩は、他の先輩とは別だが、東京の国立大学に進学だ。
「私は、母子家庭だったので、大学進学は半分あきらめていたんだけど、井本君のおかげでいっぱいお金を貯めることができて、大学に行けるようになって、井本君にも、他の皆にも本当に感謝してます。私もお仕事続けるので、これからもよろしくお願いします」
「「よろしくお願いします」」
この高校の多くの生徒はアルバイトしているけど、i経済研究所は莫大な利益を上げていて、給料もかなり出しているので、下手な社会人よりよっぽど年収は良い。
入社希望者が殺到するのも困るので、給与に関しては全員に口止めしてもらっている。
「それにしても、ここ数か月で急に成績が伸びたんだよな。ちょうど、会社からこのペンダントをもらったぐらいから、集中力が高くなって、記憶力も良くなった気がするんだ。やっぱりこれって本物のパワーストーンなんじゃないか?」と大谷先輩がいう。
それに対して、岩崎先輩も同意をしめす。
「私もそう思う。このペンダントをするようになってから、成績が良くなっただけじゃなく、風邪もひかなくなったし、ずっと悩まされていた頭痛も無くなったの。絶対パワーストーンよね」
うーん、ヒール魔法をわずかながら放出する形にしたが、風邪を引かないや頭痛が無くなるのは理解できるが、成績が良くなるのか?
ヒール魔法により、集中力が増す可能性はあるかもしれない。血行も良くなるから記憶力も良くなるのかな?
やっぱり色々研究してみる必要はあるな。
パーティーも終わり、俺たちは片づけをして帰る。
家に戻り、さやかとペンダントの効果について色々議論する。
結論として、魔石ペンダントの効力は想像以上のものがあるかもしれない、となった。
これから色々試してみることにしよう。
魔石ペンダントにより、普通の人も魔法が使えるようになりそうな感じですね。




