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68.大賢者、人身売買組織を壊滅する

さやか視点:


井本君と打合せして、大災厄の各地での予想を調べるため、モスクワと中国の成都に転移魔法陣を設置しに行くことになった。

まあ、年末でメジャーな旅行先はチケットがなかなか取れなかったので、たまたまチケットが取れたここになったってこともあるんだけど、モスクワとか成都とか、興味無いんだけどな。


それにしても、恵さんのお姉さんの望さんは秘書として優秀よね。

急なチケット予約依頼、それも年末のこの時期なのに、キャンセル待ちも含めて、直ぐにチケットをゲットできるんだものね。


成田空港からモスクワ行の飛行機に乗るが、時間がかかりうんざり。

転移魔法陣さえあれば一瞬で移動できる事を考えると、余計にうんざりね。


それでも、家を出て24時間後にはモスクワに到着。

飛行機だけで10時間って勘弁してほしいわ。

念話で時々井本君に愚痴を言っていたので、彼に迷惑かけちゃったわね。


気を取り直して、予約していたホテルにチェックインして一休み。

うーん、ここに来るまでのタクシーも、ホテルのフロントの対応もいまいちね。

ホテルのレストランで食事したのち、転移魔方陣を描く場所を探すためホテルを出る。

事前にネットでめぼしい公園を見繕っていたので、タクシーで公園まで移動して、人気のない場所で魔方陣を描くだけ。


井本君に言われた方法で、土魔法で少し掘ってから、地面をガラス化して、魔方陣を描いて、その後地面を元に戻す。

30分も掛からずに魔方陣完成。

念話で井本君と連絡を取り、彼は早速転移してきた。


その後、彼と共に夕暮れのモスクワの公園で予知魔法を発動してみる。

うん、私の感じでは、パリやロンドン、東京と同程度の災厄の感じを受けるわね。

井本君も同じ意見で、隕石の落下場所はモスクワ近郊ではなさそうとの結論に至った。

翌日は中国ね。あー、疲れる。


翌日はモスクワから中国の北京を経由して、成都までのフライト。

経由地の北京でも予知魔法で確認してみたけど、災厄の状況は東京とあまり変わらないみたい。


それにしても人旅って移動中暇だわ。

経由地での乗り継ぎが悪く、結局24時間かかってしまった。


到着時にはへとへとになっていた。

身体強化魔法があるので、身体の疲れはそれほどでもないが、精神的に疲れた。

到着後、タクシーで予約してあるホテルに向かう。


比較的高級なホテルが満杯だったので、小さなホテルしか予約できなかったのが厳しい。

綺麗な建物が立ち並ぶ中心街から結構離れた所にあるあまり治安の良くなさそうな場所にあるホテルで、はっきり言って泊まりたくないようなホテルだった。

一応チェックインはしたのだが、部屋も古くてカビ臭かった。

フロントの親父が私をジロジロ見てにやけた顔をしていたのも気持ちが悪かった。

よし決めた。転移魔法陣を部屋に描いて、今晩は自宅に帰って寝よう。


とりあえずお腹が空いたし、中国での食事も興味があったので、食事はホテルのレストランで夕食を食べることにした。

ホテルのレストランは比較的綺麗で、出てきた中華料理もおいしそうだった。


一口食べようとしたところ、予知魔法により危険を感じた。

意識を集中して、探知魔法で危険の詳細を探知してみる。

すると、お茶の中に大量の薬が含まれていることが分かった。

更に詳細を探知すると、含まれている薬は睡眠薬だと判明。


やれやれ……。

私を眠らせて暴行でもしようと考えているのかしら?

ちょっと懲らしめてあげなくちゃね。


私はこっそりストレージからハイポーションを取り出す。

それを睡眠薬が入っているお茶に少し加える。

実はポーションには、人を治す力だけでなく、食品中の毒物を中和する能力もあるのだ。

探知魔法で確認するがお茶は無害になっていた。

それでも気持ちが悪かったので、結局お茶は飲んだふりをして、ストレージから出した水筒に入れて保管しておく。


料理には特に毒物や睡眠薬は混入されていないようなので、食事は堪能した。


その後、わざとふらふらした歩きでホテルの部屋に戻る。

部屋に戻り、念のため探知魔法で部屋を探ると、超小型の監視カメラが設置されていることが分かった。

なんなのよこのホテルは!!!


犯人は大体分かっているけど、念のため寝たふりしよう。

私はベッドに倒れこみ、意識を失ったふりをして様子を伺う。

しばらくして、ドアのカギがカチャリと音を立てて開錠され、フロントの親父が若い男を連れて入ってきた。


「親父、今日の獲物はスゲー上玉だな」


「だろ? パスポートを提示させてで確認したが、17歳の日本人だぜ」


「そりゃ高く売れるな。でも組織に売っぱらう前に味見させてくれるんだよな?」


「お前は後だ。俺が先に味見するから、ちょっと部屋を出てろ」


「親父、たまには俺が先に味見させろよ」


これ以上こんな会話を聞きたくないし、きもい親父が私の服を脱がそうとしてきたので、電撃をお見舞いして二人とも気絶させる。

同時に監視カメラにも電撃を喰らわせて、故障させておく。


やれやれ、とんだホテルね。

私は部屋の床に転移魔法陣を描いて、井本君に念話で連絡。すぐにこちらに来てもらうことにした。


井本君はすぐに転移して来てくれた。

念話で概ねの状況を説明しておいたので、井本君はこちらに来たと同時に、こいつら親子の額に手を当てて、探知魔法を使った。


「あー、こいつらどうしようもない悪党だな。 白人や日本人の女性の一人旅や女性だけのグループをターゲットにして、今回みたいにお茶に睡眠薬を混ぜて眠らせた上、親子で女性を慰み者にしたあげく、こいつらが組織と呼んでいる人身売買のグループに売り飛ばしている」


「とんでもない奴らね」


「そうだな。その人身売買組織は売られた女性を薬漬けにして、強制的に売春させ、最後はゴミのよう殺されているようだ。それを知っているのに、今までも何人もの女性に手をかけている。放置したらこれからも犠牲者が増えるな」


「それでどうする?」


「こいつら自身も直接何人かの女性も殺しているようだしな。有罪だな」


俺はこの親子を魔法陣まで蹴とばして移動させ、持ち物を全部取り上げた後、サハラ砂漠に飛ばした。

1本だけだ、ペットボトルの水も一緒に飛ばしておいた。


その後、フロントの奥の部屋に行き、監視カメラのデータを記録している装置を見つけ出して、記録用ハードディスクを電撃で破壊しておいた。


しかし、その誘拐の元締めの組織とやらも許せないな。

下手したらさやかがそこに売られていたかもしれないんだからな。

まあ、さやかを買った時点でその組織は壊滅しただろうけど、さらなる被害を出さないためにも潰しておくか。


組織の場所は、ホテルの親父の記憶で分かっている。ふむ、ここから比較的近いな。

さやかと共に、徒歩で組織の拠点に向かう。

やがて、如何にもいかがわしい建物が見えてきた。

親父から得た情報では、1階から3階までが売春を提供する部屋で、4階が奴らの事務所。5、6階が働かされている女性たちの暮らすタコ部屋らしい。


今回もピッピに活躍してもらおう。

ピッピに建物の様子を見に飛ばすと、組織のメンバーは4階で何やら打ち合わせをしているみたいだ。

ホテルの親父から得た情報ではメンバーは5人らしいが、4人しかいないな。


5階の一部の窓が少し開いていたので、そこからピッピに忍び込んでもらう。

5階から6階に移動してもらい、フロア内を探知する。

女性たちがすし詰め状態で押し込められているっポイな。

監視カメラを見つけたので、電撃魔法で破壊しながら移動する。


4階はスルーして、3~1階まで調べながら移動してもらう。

ここは小さな部屋で区切られており、客と行為をする場所らしい。

うまい具合にまだ客は一人もいなかった。

ピッピをつかって、全ての階の監視カメラを破壊しておく。


俺とさやかはビルの外側にある監視カメラをすべて電撃魔法で破壊し、ビルの裏口からそっと忍び込む。

誰にも見つからず階段を上り4階まで移動できた。


4階にたどり着くと、監視カメラの映像がすべて途切れたことに気が付いたのか、部屋の中が騒がしくなっていた。俺が先行して4階のドアを蹴破って中に入り、4人のメンバーを電撃魔法で一瞬で気絶させる。


まずは情報収集だな。

俺とさやかで手分けして奴らの頭から情報を収集する。

ついでに、部屋を家探ししたら金庫が有ったので、探知魔法で鍵を見つけ出し(机の引き出しに有った)、ダイヤル番号も探知魔法で判明したので、すぐに金庫は空けられた。


おぉ、意外と現金があるな。

これは、ここに監禁されている女性たちの補償金として使わせてもらおう。


分かったことは、

 ・一番人相の悪い奴がボス

 ・構成メンバーは5人で、もう一人はここには居ない

 ・5人とも何人もの女性を殺害している。

  (使い物にならなくなった女性は始末しているらしい)

 ・拉致されてきた女性は監禁され、短期間の間に薬漬けにされて、働かされる。


はい、全員有罪。


こいつらはしばらく起きないだろうから、女性たちを何とかしよう。

一度1階に降りて、受付に向かう。

受付の女は、構成員の内の一人の情婦で、彼女も女性の虐待に加担していたらしい。

なので容赦しない。


受付の女が何か言おうとする前に電撃をかけて気絶させる。

入り口ドアに施錠して、客が来ないように『CLOSE』の札を掲げておく。


さやかは5階の女性たちのケアを始めていたので、俺は6階に上がり部屋を順番に確認していく。

狭い部屋に2段ベットが両脇に2つ置いてあり、ベットの中には生気の無い女性たちが寝ていた。


俺は女性一人一人にヒール魔法を掛けていく。

体力の回復、薬物中毒を治すための解毒、心理的なケアのための脳へのリラックス効果の3つを念頭に置いてヒール魔法を掛けていく。


効果は劇的で、死んだような目をしてぐったりしていた女性たちは生気を取り戻し、元気が出ていた。


俺は、4階事務所に有った金庫からパクってきた現金を彼女たちに渡して、


「今なら組織の連中は気絶しているから、すぐに逃げるんだ。これは逃走資金。ここの組織はつぶすから追っ手については心配するな」


といって、順次逃がしていった。

彼女たちは半信半疑ながらも、逃げられるとの期待で、大急ぎで逃げ出していった。


6階の最後の部屋までたどり着き、ドアを開けると、そこは他の部屋と違い、ベッドに手錠と縄でつながれて身動きできない女性が3名おり、何やら薬物や注射器などがテーブルの上に大量に置かれていた。


なるほど、ここは拉致されたばかりの女性を薬漬けにする部屋なんだな。

この組織はとんでもない連中だな。

前世でもひどい奴らは多かったが、ここまでひどい奴らは居なかったかもな。

俺は怒りを覚えながらも、女性たちを解放しようと手錠や縄を外しにかかった。


直後、強い殺気を背後に感じてとっさに身体を捻った。

しかし、右の背中と胸に強い痛みを感じ、見ればナイフと思われる切っ先が胸から出ており、背中から刺されたことを理解した。


拉致女性にヒール魔法を掛けることに集中し、身体強化をあまり掛けていなかったことが災いした。

それにしても、こいつは部屋に潜んでいたはずなのに、どうして探知魔法で気が付かなかったんだろう。


そんな考えを一瞬思ったが、俺を刺した奴はナイフを引き抜くと、さらに俺にとどめを刺そうとナイフを振り下ろそうとした。

その動きは洗練されており、電撃魔法で反撃する間も無く、今後は正面から心臓を一突きにされた。


とっさに避けたため、心臓をわずかにそれたが、俺の受けたダメージは深刻だ。

意識が急激に遠のいていくが、奴を何とかしないと俺は殺されてしまう。


奴は俺にとどめを刺すまでは動きを停めないようだ。

身体強化魔法も、電撃魔法も、もちろんヒールで怪我を治す暇も与えられず、奴が無言でナイフを突き立ててくる。


あ、これはまずい、と思った瞬間、ピッピが奴の目を狙って突っ込んできた。

奴は俺に集中していたこともあり、まさかスズメが攻撃してくるとは思ってもいなかったようで、くちばしで右目を貫かれてのけぞった。


ピッピ、サンキュー。その一瞬のスキを見逃さず、俺は倒れながらも電撃魔法を奴に向け放つ。

高電圧に貫かれ、奴は意識を失って倒れこむ。


俺も血を吐きながら倒れこんでしまう。

もはや自身にヒールを掛ける力も、エリクサーをストレージから出すこともできず、意識を失う。

意識を失う直前にさやかに念話で助けを求める。


しばらくして意識を取り戻す。

どうやらさやかが駆けつけて、エリクサーを飲ませてくれたらしい。

服は血だらけだったが、胸や背中の傷は完全に無くなっており、立ち上がることができた。


エリクサーはチート過ぎるな。

これだけ出血しているのに、数分で元気いっぱいだ。

前世で、エリクサーを求めて戦争まで勃発したのもうなずけるな。


さやかは5階の女性たちもすべて回復させ、開放したらしい。

最後はここの女性だけとのことで、俺とさやかは3人の女性にヒール魔法を掛ける。

一人はかなり激しい暴力を振るわれていたらしく、右目がほとんど失明状態だったので、ハイポーションを目に掛けてあげる。

彼女の目はたちまち元通りになった。


彼女たちを逃がした後、部屋で延びていた男を引きずって、4階の事務所に戻る。

床にごろごろ転がっていた男どもを一か所に集め、机や椅子をどかして、そこに転移魔法陣を描く。

男どもの所持品を全部奪ってから魔法陣の中に引きずって積み上げ、ペットボトルの水を1本と共に、サハラ砂漠へ転移させる。


よし、ここにはもう用は無いな。

俺たちは魔法陣を消して、足早に建物から出る。

受付の女は殺人までは犯していなかったようなので、そのまま放置しておく。

この国の警察には連絡しておいたので、その内捕まるだろう。


しばらく歩いて、人気の無い公園を見つけたので、そこの片隅に転移魔法陣を描く。

その後、改めて予知魔法で、ここ成都での大災厄を確認してみる。


うむ、他の北半球の都市と何ら感じ方に変化はないな。

少なくとも、ここも隕石の落果地点に近くは無いみたいだ。


さやかはあのホテルに戻りたくないというので、俺たちは自宅へ跳躍して戻ることにした。

入手出国の記録があるので、明日にはさやかだけはここに戻って、飛行機で日本に戻るという苦行が待っているけどね。


それにしても隕石落下場所が分からない、巨大隕石落下なら地域の偏りが大きいはずなのに、極東でも、ロシアでも、ここ中国でも、ヨーロッパでもなさそうだ。

もう少し調査が必要なようだな。


◇◇◇

人身売買構成員Aの視点:


俺は政府の情報機関で特殊部隊に属していた。

主に、暗殺や破壊工作を任務とする訓練で、俺はメンバーの中でもトップクラスの実力の持ち主だった。

給料も高いし、政府公認で殺人もできるし、まさに天職だったな。

しかし、折り合いの悪かった上司と喧嘩し、殴った拍子に相手が転んで怪我をさせてしまった。

その上司は半身不随の状態となってしまい、巨額な賠償金の支払いが発生し、情報機関も首になってしまった。


その後色々な所を渡り歩いて、人身売買のグループの用心棒にまで落ちぶれてしまった。

しかし、この仕事も悪くない。

拉致されてきた女を薬漬けにするのは面白いし、この組織は警察とも癒着しているので、女が死んでもお咎めなしだ。

女を味見もできるしな。


その日も最近入った女を薬漬けにしていたが、反抗するのでぶん殴ってやった。

静かになった女に薬物を注射しているところで、俺は異変に気が付いた。


俺が居る6階のドアが次々と空けられ、その後女共が集団で階下へ降りて行っているみたいだ。

何かおかしい。

こういう時に、情報機関で培った能力が役に立つ。

俺は自身の気配を一切消して、入り口の扉近くで待機する。


ガチャリ、とドアの空くと、見知らぬガキが入ってきた。

ガキに見えるが、ここまで忍び込んできたんだ、只者ではないだろう。

侵入者が女の拘束を解こうと、意識をそちらに集中させた瞬間に奴の背後に近づき、ナイフを突き立てる。


ナイフを突き立てる瞬間に、ガキが俺の気配に気が付いたのか、身体を逸らしたので、背中から心臓に突き立てるはずだったナイフは、右肺を貫いただけだった。


俺はトドメを刺すために、間髪入れずに心臓に向かいナイフを突き立てる。

奴はさらに避けたため、ナイフは心臓をかすめただけだったらしい。

しかしナイフは左の肺も突き破ったはずだ。もう抵抗はできないだろう。


再度ナイフを突き立てようとした時、右目に何かが突き刺さった。

痛みとショックでナイフを落として右目を抑える。

次の瞬間、俺は意識を薄なった。


◇◇◇


焼けつくような暑さで目を覚ました。

起き上がると、俺は、いや俺たちは砂漠のど真ん中にいた。


周りを見回すと、人身売買の構成員は全員いる様だ。

俺以外は全員立ち上がっており、言い争いをしているようだ。

俺もそっと起き上がり、周囲を見渡す。


360度すべて砂漠だ。

なんでこうなったかは不明だが、これはまずいぞ。

俺は自身の持ち物を調べたが、何もなかった。


奴らをよく見てみると、言い争いの原因は1本のペットボトルの様だ。

結局ボスが独り占めするようだな。


俺はさっとボスに近づくと、手刀をボスの首に見舞い、奴を気絶させてペットボトルを奪う。


「これは俺がもらう。この中では俺が一番の実力者だ。文句はねえよな?」


俺は残りの3人に向かい。低い声で脅しておく。

しかし、奴らは納得いかなかったようで、全員で俺に殴りかかってきた。


こんな奴らは何人襲ってこようが、負ける気はしないが、さすがに3対1では少し分が悪かったようだ。

しかも、右目はほとんど見えない状態で、血がだらだら出ている。

負けはしなかったが、奴らが全員倒れるまでに何発かもらってしまい、体力も消耗してしまった。


とにかく移動しよう。

よく見ると、足跡が続いているのが見える。

とりあえず、足跡をたどってみるか。


3時間ほど足跡をたどっていくと、人影が横たわっているのが見える。

近くに寄ってみると、女をさらってくる拠点としているホテルのオーナーとその息子だった。

まだ息はあるみたいだが、熱中症のようで、意識が無い状態だ。


貴重な水をこんな奴らにやる必要もないし、現地の人間でも無い奴が、ここからの脱出方法など知らないだろうから、無視して先に進むことにした。

いや待て。ここが砂漠だとしたら、夜はかなり冷えるはずだ。

俺はホテルオーナーの親子の服を脱がせると、持っていくことにした。


やがて日が暮れ、辺りが真っ暗になると、俺の予想通り急激に冷えてきた。

月も出ていないので、急激に暗くなる。

大きな岩の陰で休むことにした。


奴らから奪った服が寒さを和らげるのに少しは役に立った。

しかし、昼間の内に、ペットボトルの水はあらかた無くなってしまった。


翌朝の明け方、俺は寒さで目が覚めた。

薄明りになっていたので、暑くなる前に距離を稼ごうと、俺は歩き始める。

太陽が昇ると、今度は急激に暑くなる。


わずかに残った水も飲み干してしまった。

情報局の工作員としての訓練中に、このようなサバイバル訓練も経験していたので、落ち着いて行動する。

日焼けは体力をそがれるので、死体からはぎ取った衣服を頭からかぶる。


少し小高い丘に登り、周囲を見回し、少しでも緑がありそうな方向に向かうことにした。日が高くなるにつれ、更に暑くなってきた。

日陰のある休める場所が無いか探しながら歩き続けるが、日陰となりそうな場所は無かった。

それでも何とか夕暮れまでは歩き続けることができた。

日が落ちると今度は急激に気温が下がり、体力が更に削がれる。

翌朝までは何とか意識を保っていられたが、もはや立ち上がる事さえできなかった。

日が昇り、急激に気温が上がったところで、ついに意識が途絶え、二度と意識が戻ることは無かった。

主人公は人身売買の組織を壊滅させました。

それにしても大災厄で予想される隕石落下の場所が特定できませんね。

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