表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/173

62.大賢者、新事務所を開設する

夏休みに入り、恒例の経済研究部のバーベキューが開催された。

今回も俺の家の庭で実施し、会社での費用負担となった。

(社内厚生で経費となるしね。)

会社経費ってことで、買い出しの一年生二人と金井さんは、結構いいお肉を大量に仕入れてきた。


恵の父親でi経済研究所CEOの鈴木達也も参加予定であるが、少し遅れてくるとのことだった。


昨年から新入生の二名と金井さんの3人も増えてさらに賑やかなバーベキューとなった。金井さんは社員じゃないけど、部員だから無料で参加させても良いよね。


あの不良の隣家事件以来、金井さんの視線をいつも感じる様な気がする。

ん、まあ不良共から守ったのだから感謝はされるだろうけど。


今日も金井さんはお肉を焼いたそばから俺に食べさせようとしてくる。

コップが空になると、すぐにジュースやお茶を注いでくる。

そんな様子を恵さんがジト目で睨んでくる……、様な気がする。


いや、ちょっとほっといて欲しいんだが。

さやかはあまり気にしていないようで、淡々と肉を焼く作業を続けていた。


まあ、さやかは前世での年齢は27歳だっだはずで、こちらでの16年を合わせると、人生経験は43年だからな。

この世界での実年齢に比べると圧倒的に大人だから、落ち着いているよな。

あ、俺はもっと年齢が上か。


新入部員の二名も積極的に会話に参加して来ている。


1年男子の森田は、天文学が大好きな影響で、スペースZ社とスペーステレスコープX社に興味津々で、ICチップ内蔵のペンダントで顧客情報にアクセス可能となったので、ロケットの情報や、宇宙望遠鏡の資料を読み漁っていた。


あ、もちろん社員全員に『秘密保持契約』という契約書にサインしてもらって、会社で得た情報の漏洩はしないようにしている。


同じく1年生の原裕子さんは、自分で起業することが夢だったので、俺に対し、どの様に会社を興して、どうやって急成長させたのか、しきりに質問してくる。

まあ、俺の会社の場合、予知魔法というチートを使っているので、どこまで参考になるか分からないけどね。


彼女自身も株取引口座を開設して、大国主AIのおこぼれで、結構資産を増やし始めているようだ。

本人は将来会社を興すための資金が増えてると喜んでいた。


買ってきた食材も残り少なくなってきたとき、ピンポーン、と呼び鈴がなる。

俺が玄関先に行くまでもなく、鈴木達也氏が、若い女性を連れて庭に回り込んできた。


「遅れてすまない。事務所の契約も終わったんで、娘も連れて来たよ。紹介する。これは私の長女の鈴木望すずきのぞみだ」


若い女性は恵さんのお姉さんで、今年大学を卒業して就職したが、就職先がブラック企業だったので転職先を探していたのだ。

達也氏にi経済研究所の本社事務所と、そこに常駐してもらう正社員を探してもらっていたが、望さんが良いのではないかと達也氏から打診されていた。


望さんは大学生の時から父親の会社を手伝っていたため、色々な事務処理にも長けている。

俺はすぐに承諾し、事務所の準備もちょうど終わる今日、皆に紹介することにしたのだ。

「みんなに紹介するね。こちらは恵のお姉さんの望さん。今日からi経済研究所に入社します」


「鈴木望です。皆さんよろしくお願いします」


「「よろしくおねがいします」」


「それと、今日、駅前のビルに、i経済研究所の事務所が正式にオープンしました。望さんには基本的にそこに常駐してもらうことになりました。もちろん社員である皆さんも自由に出入りしていただいてOKです」


「おぉ。ついに我が社の本社オフィスが準備完了したんですね」


「はい、そうです。明日みんなで行ってみましょう。明日の朝会は新事務所で実施します」


「「了解」」


そして、達也氏と望さんも参加して、バーベキューを楽しんだ。


◇◇◇


翌朝、8時に全員で新オフィスに集合した。

まずは望さんにオフィスを案内してもらう。

といっても、受付と事務所と会議室と応接室があるだけだが、事務所はかなり広く、現在の社員だけでは広すぎだ。

まあ、今後さらに規模が大きくなることも想定している。


そして定例の朝会となり、一通りの投資状況や融資の依頼の状況についての打ち合わせを行った後、俺から新たな方針を発表した。


「現在の我が社の有価証券資産は50億円を越えています。そして、ラ・トレル社とスペースZ社、スペーステレスコープX社は株式の上場を予定しており、その場合我が社の有している3社の非公開株の価値は現時点で300億円を超えると予想されます」


皆は現時点での株の資産価値の総額は概ね把握していたが、出資先の3社の資産価値がそこまで大きくなっていることにびっくりした様だ。


「さらなる資産価値の増大のため、3社の非公開株を担保に銀行からの融資をしてもらい、それを投資資金として資産形成の速度をさらに加速しようと思います」


「おぉ! しかし、読みを誤った場合、借入での投資は危険ではないですか?」


「たしかに失敗した時に借り入れだけが残る事態も想定されますが、現在までの運用実績から、最悪の事態に陥る可能性は低いと考えています」


まあ、予知魔法のチートで失敗はあり得ないんだけどね。俺は言葉を続ける。


「そして、さやかの尽力により、大国主AIはニューヨークダウにも対応できるようになりました。運用資金増大と同時に、米国株への投資を開始します」


銀行から300億円の融資を予定しており、プラス現在の会社資産50億円を、信用取引で3倍のレバレッジをかけると、売買の可能額は1000億となるため、国内だけで投資すると市場への影響が顕著となり、大国主AIや予知魔法との結果とズレが生じやすくなってしまうと予想された。


東京市場の時価総額の何倍もあるニューヨーク市場であれば、影響も少ないとの考えての方針変更だ。

ただ、日本時間で夜間から深夜にかけての取引になるので、今後は夜勤も必須となってしまうが、うまくローテションを回していこう。


1年生社員の森田君と原さん2名が、米国株の運用に大いに乗り気で、メインは彼らに任せることとした。

今までは東京市場が開く前の8時にその日の売買方針を決めるために朝会を開いていたが、今後は16時にも、米国株の売買方針を決定する夕会も開くこととなった。


銀行融資に関しては比較的スムーズに降りた。

大国主AIによる米国株予想も、想定以上の的中率だったため、その後の会社資産は急激に増えていくこととなった。

励みになりますので、面白いと思った方、ブックマーク、ポイントをつけていただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ