表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/173

59.大賢者、不審者を撃退する

6月に入り、今年も学園祭が始まった。

昨年、大国主AIで予測したおすすめ株を掲載して、その多くがその後大幅値上げしたことが一部SNSで拡散されたため、今年の経済研究部の展示教室はその情報を見に来る客で、かなりの大盛況だった。

今年もおすすめ株を掲載したので、今回は色々質問が多くされてきた。


Q.本当に値上がりするのか? 損したら責任は取ってくれるのか?

A.株取引は自己責任でお願いします。


Q.どやって予測しているんだ。

A.わが部活の独自のアルゴリズムで計算しています。詳細は秘密です。


Q.昨年の予測の的中率はすごかった。今年も大丈夫なのか?

A.自信はありますが、株取引は自己責任でお願いします。


金井さんが、うまく対応してくれて助かった。さすが元学級委員長だ。

そんな感じで、比較的盛況な感じで学園祭は無事に終わった。


◇◇◇


学園祭が終わって数日したとき、事件が起きた。


授業中、何やら学内で騒ぎが起きていた。

別の校舎からで悲鳴やら怒号が聞こえている

何だろうと生徒が顔を見合わせていると、校内放送が流れた。


「校内に不審者が入り込みました。A棟の生徒は速やかに屋外に避難してください。B棟の生徒はその場で待機してください」


俺たちがいる建物はB棟だから今のところ大丈夫なのか? 俺は探知魔法で敵対状態の人物を探知してみた。

ふむ、A棟に確かに敵対者がいるな。

被害者が増えないうちにちょっと退治してくるか?

俺はさやかを見たが、さやかも同意見のようだ。


生徒が右往左往しているB棟を抜け出して、いったん校舎外に出て外を回ってA棟へ移動する。

校舎内からは生徒が血相を変えて走って出てくる。

俺たちは生徒の流れに逆らって、探知魔法で敵の位置を探知しながら移動していく。


どうやら2階の一番端の教室に何人かの生徒を人質に立てこもっているようだ。

他の教師や生徒は全員避難したらしく、2階の廊下には誰もいなかった。


おいおい、生徒が避難するのは分かるが、教師まで誰もいないってどうなんだよ?


俺とさやかは犯人が立てこもっている教室のドアに手をかけたが、中から施錠されていて開かなかった。

しかし、中からは女生徒の悲鳴が聞こえており、一刻を争うみたいだ。

俺は体力強化をかけて、力任せにドアを蹴り飛ばす。


教室の中では悲鳴を上げていた女子生徒を犯人が刃物で首を切りつけたところだった。

俺は全力で犯人に詰め寄り、力任せに犯人の顔を殴りつけた。


ボクシングの日本チャンピオンを凌駕する右ストレートを思いっきりたたきつけられたのだからたまらない。

犯人は顔がゆがむほどの衝撃を受けて吹き飛ばされて動かなくなった。


周囲を見回すと、多くの生徒が切りつけられていたらしく、血だらけで蹲っていた。

怪我はしているが致命傷ではないようだ。

しかし、俺が突入した時に首を切りつけられた生徒は、首を大きく切られ、即死状態だった。

俺はその女子生徒の顔を見て驚愕した。岩崎先輩だった。


さやかも岩崎先輩に気が付き、真っ青な顔をした。

俺はさやかに小声で、


「エリクサーを使う。ちょっと掩蔽魔法を使ってくれないか?」


掩蔽魔法とは、空間魔法の中の一つで、周囲から認識できなくする魔法だ。

さやかはうなずき、掩蔽魔法を俺と岩崎先輩の周囲に掛けた。


俺はストレージからエリクサーを取り出し、首の傷にそれを掛けた。

さらに、岩崎先輩の口を開け、エリクサーを流し込んだ。

効果はすぐに表れ、首の傷は瞬時に消え、停止していた岩崎先輩の心臓は鼓動を再開した。

ふー、エリクサーを作っておいて良かった。


さやかは掩蔽魔法を解除し、刺された生徒の様態を確認した。

2人ほど重症の傷の生徒が居たので、傷を調べるふりをして、こっそりヒール魔法を掛けて傷を治しておいた。


そこへようやく警察が突入して来て、俺に殴られて気を失っている犯人を確保していた。救急隊員も到着し、刺されて倒れている生徒を運び出していった。


岩崎先輩も意識を取り戻した。

目を覚ましたと同時に非常におびえた表情で、パニックになりかけたので、

ヒール魔法で、直近の記憶(暴漢に切り付けられた記憶)を薄れさせ、精神を落ち着かせる。


落ち着きを取り戻した岩崎先輩は救急隊員に担架で運ばれていった。

血だらけなので大けがをしている様に見えるけど、全部直しちゃったんだがな。


俺に殴られ気絶していた犯人も警察に確保され、運ばれていった。


その後、俺とさやかは、部屋にいて怪我の無かった生徒と共に、警察で事情聴取を受けることになる。


俺は、


「避難しようと廊下を歩いていたら、悲鳴が聞こえたのでドアをけ破って教室に入った。岩崎先輩がナイフで切りつけられようとしていたので、無我夢中で殴ってしまった。自分もパニックしていたので細かなところは覚えていない」


と証言しておいた。

まあ、俺の行動を見ていた生徒もいたが、概ね間違ってはいないだろう。

岩崎先輩にエリクサーを使った時は、さやかに掩蔽魔法を掛けてもらっていたので、よく見えていなかっただろうし、岩崎先輩が一度心肺停止状態に陥ったとは誰もわからないはずだ。


岩崎先輩は犯人に殺されかけたとき(実際は殺されたんだが)俺が身を挺して助けてくれたことは覚えており、岩崎先輩の中では俺はヒーローになったっぽい。


後日明らかになったが、暴漢犯人は以前この学校の生徒だったが、暴力事件を起こしたので退学になっていた。

それを逆恨みしての犯行だったようだ。


ナイフで切られた生徒は10数人に上ったが、幸いなことに死者や重傷者は居なかった。もっとも、あの教室には重症のけが人が何人もいたのだが、俺とさやかでこっそりヒールで直してしまったからな。


今回はたまたまエリクサーを作った直後での事件だったので、岩崎先輩が助かった良かった。

エリクサーが文献通りの効果があることも分かったしな。


しかし、俺もさやかも予知魔法で常に警戒をしているのだが、今回の様に自身に直接災厄が降りかからない場合は予知が非常に困難だ。

魔法も万能ではないことを改めて認識させられた。

主人公は学校に侵入してきた暴漢犯人を難なく撃退しました。

岩崎先輩は危ない所でしたね。

次章では主人公は関係者を守る方法を考案します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ