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5.大賢者、予知魔法を練習する

翌日、朝7時に目覚ましと共に起きる。


夏休みだし、一人暮らしなんだからもっとゆっくりしても良いんだけど、体は中学生だが心は年寄りだから朝が早いのかな?


今日は予知魔法の鍛錬をすることにした。


21世紀の日本は治安は良いとはいえ、いつ交通事故やら暴漢に襲われるとも限らない。


強化魔法Lv2とはいえ、常に身体強化を維持しているわけではないし、身体強化した状態でもトラックに曳かれたらただでは済まないし、銃で頭や心臓を撃ち抜かれたら確実に死ぬ。


危険の事前察知のためにも予知魔法のレベルは上げておきたいところだ。


予知魔法なので未来の出来事が予知できるわけだが、特に自分に危険が迫った時は強く予知が出来る。

危険回避には非常に有効だ。


自身への危険の予知だけでなく、日常の些細なことも魔力を使えば予知できる。

さらには、その場で起こった過去の出来事も見ることができるのである。


しかしLv1ではちょっとカンが鋭い程度でまともな予知はできず、ほとんど役に立たない。


まずはLv2に上がるように鍛錬しよう。


鍛錬方法は色々あるのだが、前世での経験で単純かつ効果的な方法で鍛錬することにした。


庭に出て、小石を10個ほど握りしめて真上に放り上げるだけである。


そのままじっとしていれば2,3個は小石が頭にぶつかり痛い思いをする。


しかし予知魔法を発動すれば、ぶつかる前に予知できるため石の軌道を見なくても避けられるようになるのだ。


さっそく庭に出て適当な小石を10個ほど拾い上げ、身体強化魔法も使って真上に放り上げる。


すかさず予知魔法を起動させ、危険察知能力を発動。

予知がうまくできれば最小限の動きで石が身体に当たるのを避けることができる。


最初の数回はうまくいかず、かなり痛い思いをし、頭にたんこぶが出来たり、肩に痣が出来たりした。


この方法では、予知に失敗すると痛みが伴う。

そのため痛いのを避けたい心理が働き、予知魔法の上達が加速する。

強化魔法を掛けておけば痛くは無いのだがそれでは上達が遅くなるので強化魔法は使わない。

前世では子供に予知魔法の訓練をするのによく使われている手法だ。


回復魔法でたんこぶや痣を回復させて、1時間ほど鍛錬を行ったところでほとんどの石を避けることができるようになった。


そこで投げる石の量を倍の20個にしてさらに鍛錬を続けたところ、午前中には予知魔法がLv2へとアップできた。


本来なら1,2ヵ月まじめに鍛錬しないとLv1から2へはアップできないのだが、やはり前世は大賢者だったし、前世の記憶と体験を有しているで上達は早いようだ。


ステータスを確認する。


名前:イモト シロウ(転生者)

性別:男

年齢:14


魔力:230/260


魔法:

 ・空間魔法:Lv2

 ・予知魔法:Lv2

 ・探知魔法:Lv1

 ・回復魔法:Lv2

 ・強化魔法:Lv2

 ・土魔法 :Lv1

 ・水魔法 :Lv1

 ・従魔魔法:Lv-


予知魔法だけでなく、たんこぶを回復し続けた効果で回復魔法までLv2へと上がっていた。


お腹が空いたので簡単に昼食を済ませて、午後も引き続き鍛錬するぞ、って意気込んだところで『ピンポーン』、と来客。


誰だよ……、と思いながら玄関を開けると、委員長の金井容子さんが立っていた。


一瞬、誰だっけ? と記憶を呼び戻し、数秒の後思い出す。


「えっえっと……金井……さん? なっなんか用?」


相変わらずこの子は苦手だなぁ、ついついどもっちゃった。


「なによ!? 1年ぶりに会ったみたいな言い方ね。つい数日前にあったばかりでしょ? 今は一人暮らしだって聞いたんで、どうしているかなって思ってきてあげたのよ。ちゃんとご飯食べてる? これ差し入れね」


と言ってお弁当箱を手渡してくる。


相変わらず、記憶の多くが前世の記憶で占められちゃってるので、こっちの世界の人に会っても久しぶりに会った感がするんだよなぁ。


「えっ、いや申し訳ないよ。それにお昼食べちゃったし」


「じゃあ、夕ご飯で食べてよ」


「う、うん、ありがとう。 じゃぁ忙しいから」


そう言って玄関から追い出してドアを閉める。


「ちょっちょっと待って……」


委員長が何か言いかけていたが無視無視。


やがて委員長はあきらめて帰っていったみたいだ。

邪魔者も消えたし、次は土魔法と水魔法でも訓練するか。


俺は自転車に乗って、30分ほど離れた所にある周囲を丘に囲まれた場所に行く。


ここはほとんど人も来ないし、魔法の訓練をするにはちょうどいい。

水魔法はなにもないところから水を出すことができる魔法だ。


レベルが上がれば上がるほど出すことのできる水量が増える。


最初はちょろちょろ程度だったが、練習を重ねると水道蛇口からの水量程度まで水を出せるようになった。

ただし、水魔法は魔法の消費が大きいので、余り多くの水は作り出せない。


結局2時間ぐらい休み休みの練習で、水魔法がLv2までになった。


次に土魔法のレベル上げのため、平らな地面に対し土魔法をかけてみた。


最初は直径50cm位、深さ50cm位の穴をあけたり、高さ50cm位の土の山を作れたりしただけだったが、2時間ぐらい練習すると、幅1m、長さ10m、深さ1mの大きな溝(というより塹壕だな)や、幅1m、長さ10m、高さ1mの土の壁を作れるまでになった。


また、土を固くして、ガラス化する魔法も練習する。

この魔法は地面に魔法陣を描くときに非常に有効で、地面を平らにしてからガラス化すれば、精密な魔法陣を描くことができる。


練習の結果土魔法がLv3になった。


前世では水魔法や土魔法は色々便利な魔法として重宝され、「Lv3でも食うに困らない」とまで言われた魔法だが、21世紀の日本じゃ建築機械などを使えばいいんだからほとんど意味ないな。


とりあえず今日の目標は達したので、持ってきたコンビニのサンドイッチを食べて遅めの昼食にした。


土魔法でできた穴を平らにならし、痕跡をできるだけなくしてから自転車で帰途につく。


結局誰も来なかったのでゆっくり練習ができて良かった。


名前:イモト シロウ(転生者)

性別:男

年齢:14


魔力:150/280


魔法:

 ・空間魔法:Lv2

 ・予知魔法:Lv2

 ・探知魔法:Lv1

 ・回復魔法:Lv2

 ・強化魔法:Lv2

 ・土魔法 :Lv3

 ・水魔法 :Lv2

 ・従魔魔法:Lv-

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