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39.大賢者、高校1年の夏休みを楽しむ

テロリストを撃退した後、すぐに期末テストが行われ、その後夏休みとなった。

さやかは大国主AIのソフトの最終調整も完了し、今は魔法陣解析ソフトの開発に夢中だ。

そして1ヵ月もしないうちに概ね完了させてしまった。彼女は天才か?


彼女によると、このソフトはまだ開発途上であり、最終的には新しい魔法陣を半自動で生成できるまで成長させていきたいんだと。

さやかは学業と経済研究部の活動と会社の運営サポートと同時に着々と解析ソフトを作りこんでいった。


さて、経済研究部の活動だが、普通夏休みは活動しないのだが、会社の運営もあるので毎日証券市場が始まる前の8時半からビデオ会議で社内会議兼経済研究部の会議として打ち合わせすることになった。


夏休み初日。会社の会議なのか部活の会議なのかどちらともいえない会議であったが、-まあ俺が音頭を取っての会議なのだから会社の定例会議なんだろうな。 第一回目のビデオ会議を始めた。


「えっと、皆さん、聞こえてますか?」


俺は事前に電話会議用のノートパソコンを会社会費で購入し、先輩方に貸し出していた。先輩方はそのパソコンを使い、ビデオ開始に参加している。


「おう、聞こえてるぞ。ビデオ映像もばっちりだ」


「はい、では会議始めますね」


会議はさやかが音頭を取って今日の売買銘柄についての議論を開始した。ここ最近の我々の運用勝率は95%で、順調に会社資産を増やしている。

予知魔法での情報も使って、会議中の議論を誘導して儲からない銘柄を選択しないようにはしてはいたが、先輩方の判断も回数を重ねるうちに的確になっていったので、予知魔法の結果を使わない日も増えていた。


「では、本日の売買銘柄はこの3点とし、残りは保留ということで」


「了解。それでいいと思う」


俺たちは本日の売買銘柄を決定し、次の議題に移る。


「ではここからは大谷先輩お願いします」


「おう、じゃあここからは部活の会議な。毎年恒例の経済研究部のバーベキューを今年も開催します。そしてなんと今年はi経済研究所株式会社からバーベキュー代が補助されます」


パチパチパチ・・・。ビデオ通話先でみんなが拍手する。


「そして場所は、井本君の家の庭を提供してくれるとのことです」


パチパチパチ・・・・。


そう、無駄に広い庭があるので、我が家でバーベキューをすることにしたのだった。でも会社の所在地が俺の家だし、経済研究部のメンバーは会社のメンバーと同じだし、金も会社持ちって、もう会社主催のバーベキュー大会じゃね? 

まあ細かいことは気にしないでおこう。


こうしてバーベキューの日時と、それぞれの分担を決めてから会議は終了した。会社としての株の売買は先輩方がいつものように処理してくれた。


そして数日後の土曜日にバーベキューが開催された。

買い出し係はさやかと岩崎先輩と近藤先輩にお願いし、俺と大谷先輩でバーベキュー会場の準備をした。

親父が生前使っていたバーベキューセットがまだ十分使えたのが助かった。やがて買い出し係が肉や野菜や飲み物を買ってきたのでバーベキュー開始。


皆で紙コップにジュースを注いで、部長の大谷先輩が乾杯の音頭を取る。


「では、経済研究部のさらなる発展と、i経済経済研究所の発展を祈願して、かんぱーい」


「「かんぱーい」」


バーベキューコンロで肉や野菜を焼きながら、みんなでワイワイ楽しく会話する。主な内容は各自の最近の株取引の成果と資産内容だ。


「俺は信用取引をメインに売買していたので資産増加が半端なくて、ついに1千万円を超えたぜ」


と大谷先輩。


「私は500万円を超えたところ」「私は450万円」と岩崎先輩と近藤先輩。


「それにしても、大国主AI様様だな。会社の資産ももうすぐ1億を超えるんじゃないか?」


「昨日の段階ですでに超えているわ」


俺たちも含め、先輩方は元々経済的に厳しい家庭事情があったから、学校の授業料やら生活費に困らなくなった今の状況は非常に助かっているらしい。

皆笑顔でバーベキューを楽しみながら語り合う。


バーベキューを楽しんで30分も経った頃、誰かが玄関を通って、庭の方に近づいてくるのが見えた。。訪問販売かな?などど思いつつ、訪問者の方を見てみる。


「あれ?恵さん。どうしたの」


そこには思いつめたような顔をした鈴木恵さんが立っていた。


「急にごめんなさい。実は井本君に相談したいことがあって」


「なんか深刻そうだね。相談は全然いいよ。でももし急がないなら、今高校の部活のメンバーとバーベキューしてるから一緒に参加しない?」


「えっでも、お邪魔だと思うし」


「全然大丈夫。ほらこっち」


と言って、俺は恵の手を取り裏庭に引っ張っていった。恵さんは俺に手を引かれながら恥ずかしそうに真っ赤になっていた。うん、ちょっと熱でもあるのかな?


「皆さん、僕の中学校時代のクラスメートが遊びに来たんだけど、参加してもいいかな?」


「おぉー歓迎するぞ」


「是非ご一緒しましょう。食料品買いすぎちゃったの」


「いらっしゃい、はい、ウーロン茶をどうぞ」


皆ニコニコと恵さんを受け入れてくれる。彼女は嬉しそうな顔をしてコップを受け取り、バーベキューに参加してくれた。


「はじめまして、井本君の中学校時代の同級生の鈴木恵と言います」


「はじめまして。経済研究部の2年生。俺は大谷、こちらは岩崎さんと近藤さんだ」


「「よろしく」」


「あと、先日学園祭でも見かけたかと思うが、こちらは俺の従妹の佐藤さやかだ」


「さやかです。よろしく」


自己紹介も済んだところで、恵さんも交えバーベキューを再開した。


岩崎先輩と近藤先輩が中心になって恵さんと楽しそうに話をしている。


恵さんも最初はぎこちなかったが、だんだん笑顔が増えてきて打ち解けてきたようで良かった。俺は恵さんをさらにリラックスさせようと軽くヒール魔法を恵さんに掛けてみた。


「で、何か相談事があったみたいだけど、話してみなよ」


「えっ、でも……」


「ここに居る先輩方はみんないい人だし、従妹のさやかも秘密は守ってくれるよ」


「そうそう、大丈夫よ。悩みがあるならみんなで解決しましょ」 と岩崎先輩。


ヒール魔法の効果で心が落ち着いたためか、みんなに促されて、恵はぽつりぽつりと悩みを話し出した。


まとめると


 ・高校でいじめにあっていること。

 ・いじめのせいで6月以降学校に行っていないこと。

 ・いじめは、中学校の時の、担任の先生よるセクハラ事件が原因なこと。

 ・今年3月に父親の経営する会社が倒産してしまったこと。

 ・借金が母親に及ばないように、父と母が離婚したこと。

 ・家計を助けるためにアルバイトしたいのだが、学校はアルバイト禁止なこと。


知らないうちにひどいことになっているみたいだな。


「なので、バイトOKの高校への転校も考えたんだけど、公立高校から公立高校への転校は基本的にダメみたいだし、私立高校なら転校はできるみたいだけど、授業料が高いので転校しても授業料が払のが難しくて。だからもう高校は退学して就職しようかと考えているの」


俺たちは顔を見合わせた。


先輩方は俺に目で合図を送ってくる。


うん、そうだよな。これしかないよな。


「恵さん、俺たちの学校に転校してこないか?」


「それも考えたんだけど、井本君の学校って私立だから授業料が高くてとても無理なの」


「うん、大丈夫。僕の会社に入社してもらえれば費用面はたぶん何とかなるよ」


「えっ?それってどういうこと?」


「僕が会社を興したのって知っているよね? 実はここに居る全員が僕の会社の従業員でもあるんだ」


「えぇ?そうなの?」


「そう、それでね、僕の会社には奨学金制度ってのが有って、従業員が学校へ通う場合は授業料を貸し出ことができるんだ」


この奨学金制度はたった今俺が勝手に考えたことだ。でも社長は俺なので別にいいよね?俺は言葉を続ける。


「だから恵さんが俺の会社に入って希望すれば、社内奨学金制度で高校の授業料の貸し出しは出来るし、その分は毎月の賃金からの天引きでの返却になるけど、給料も十分出せるから生活費も心配いらないと思うよ」


「それはとっても嬉しいけれど、私働きながら高校に通うなんてできるかしら?」


そこで岩崎先輩が言葉を発した。


「全然大丈夫よ。私はついこの間までコンビニのバイトと高校生活でゆっくりできる時間が無かったけど、井本君の会社に雇ってもらってからは全然楽になったの。私たちの高校も時間の融通が利くし、なによりクラス単位って概念が無いから、クラスでのいじめってのもないから」


恵さんはしばらく顔を伏せて考えていたが、やがて顔を上げると、


「井本君、皆さん、親身に相談に乗っていただきありがとうございます。井本君のお世話になろうと思います。今日帰ったら母と相談してみます」


すると大谷先輩がどこかへ電話をかけ始めた。


「はいはい、そうです。はい、大丈夫ですか? 分かりました。ありがとうございます」


大谷先輩は電話を終えると、


「今高校の先生に電話で確認したんだ。夏休み中に手続きを踏めば、夏休み明けから転校できるみたいだよ。夏休み中も手続きは可能だって。恵さんの高校でも休み中の転校手続きは可能だろうって」


大谷先輩もフットワークが軽いな。頼りになるぜ。


「皆さん本当にいい人たちばかりです。私本当に井本君の高校に転校したいと思います。実はみんなでバーベキューを楽しんでいる皆さんを見て、とってもうらやましかったんです。私もこの中に入りたいです」


「うんうん、大丈夫だよ。とりあえず帰ったらご両親の了解を取ってみてね」


その後もしばらくバーベキューを楽しんだのち、夕方が近づいてきたので後片付けをしてバーベキューはお開きとなった。


そして数日後、恵さんから「両親の説得できたので、転校の手続きに入ります」との連絡が来た。


◇◇◇

鈴木恵の視点:


私は希望する高校に合格し、4月までは希望でいっぱいだった。井本君と別々の学校になるのが寂しかったが、親もとても喜んでくれていた。

しかし、その幸せは長くは続かなかった。父親が経営していた会社が突如倒産してしまったのだ。


倒産は突然だった。元々それほど儲かっているわけではなかったが、売上や利益は比較的安定していた。

しかし、一番の大口の取引先がオーナーの不祥事により突然多額の不渡りを出して倒産。その会社に多額の売掛金を有していた父親の会社は、それを回収することができず連鎖倒産に見舞われてしまった。


父親は多額の借金を抱え、自宅や預貯金は差し押さえされてしまい、私たちは家を追い出されてしまった。そして借金が私たちに及ばないように、父親と母親は協議離婚して、私と母親はいきなり母子家庭となってしまった。

しかもタイミングが悪いことに、急な倒産劇だったため、入学時点での両親の所得は十分あるものとされてしまい、「就学支援金」の支給の対象外とされてしまい、授業料も満額支払う必要があった。


母親は、


「仕事を掛け持ちして頑張るから、恵は心配しないで高校に通うと良いよ」


とは言ってくれたが、高校生活は授業料だけではない。制服代、教科書代、修学旅行の積立金、学校から請求が来るたびに、心臓が縮こまる思いだった。

さらに悪いことに、同じ中学校から進学した生徒の誰かから私について、『担任の先生を誘惑して、先生を懲戒免職に追いやった。』と捻じ曲げられた情報を拡散され、父親の会社の倒産情報も同時に拡散され、クラスで孤立する形となってしまった。


自分もアルバイトして少しでも家計を助けようとアルバイトを考えたのだが、学校側と相談しても『我が校はアルバイトは禁止です』の一言で却下されてしまった。

仕方なく学校には黙ってコンビニでこっそりアルバイトをしたのだが、学校からかなり離れたコンビニでバイトをしていたにもかかわらず、学校にバレてしまい、1週間の停学処分を言い渡されてしまった。


そのことがクラス中に知れ渡り、停学処分解除後はさらにいじめがひどくなり、6月になるころには精神を病んでしまい、学校に行けなくなってしまった。

母親にも申し訳ないので、なんとか朝家を出て学校に向かうのだが、どうしても学校に行くことができず、図書館で時間をつぶしたりしていた。


そんな時、ふと井本君を思い出した。彼と仲良くなったのは中学3年生の2学期以降の半年足らずだったが、井本君と一緒にお弁当を食べたり、一緒に帰ったりした中学3年生の後半の生活はとても楽しかった。


井本君は私にとってヒーローであり、憧れの人だった。懐かしくなって井本君の高校についてネットで調べたらちょうどその週末に学園祭があることが分かり、会いに行ってみることにした。


学園祭1日目の土曜日に井本君の学校に向かうが、『もし会っても冷たくされたらどうしよう』とかくよくよ考え始めてしまい、過呼吸気味になってしまったので、途中で引き返してしまった。


翌日、意を決して再度井本君の学校へ向かう。勇気を出して門をくぐり中に入ると、校内は楽しそうな学園祭の雰囲気に包まれていた。

彼が入部した部活名は知っていたので、入り口でもらったパンフレットで確認して、経済研究部の教室に入ってみた。


井本君が丁度説明員をやっていて、すぐに会えた。

たった3ヵ月足らず会っていなかっただけなのに懐かしさで泣きそうになっちゃった。

私は井本君に近づいて声をかけた。


「井本君。お久しぶりです」


「おっ! 鈴木恵さん? 久しぶり。元気?」


「う、うん。元気だよ。井本君も元気そうだね」


「うん、この高校での生活楽しんでるよ」


「そうか……、楽しそうで良かった」


井本君は中学時代より生き生きして見えた。私はどんなふうに見えているんだろう。


「あの、鈴木さんはちょっと元気がなさそうだけど大丈夫? 僕で良ければ相談に乗るよ」


「う、うん。何でもないの。せっかくだから、ここの展示を説明して」


「うん、あんまりおもしろくないかもだけど、説明するね」


そう言って、井本君に色々説明してもらったんだけど、正直ちんぷんかんぷんだった。そのうち井本君が会社設立した話になった。


「えっ? 井本君会社を設立したの?」


「うん、会社設立って言ってもそれほど難しくないんだよ」


「でもすごいよね。一応社長さんなんだよね?」


「うん、まあそうなるのかな?」


私はちょっと迷ったが、勇気を出して井本君に聞いてみた。


「あ、あの、今度また色々相談に乗ってもらてもいいかな?」


「え? うん、いいよ、いつでも連絡してくれていいから」


井本君は中学時代と変わらない、優しい笑顔で答えてくれた。その一言で私の胸はキュンと切なく温かな気持ちになった。

顔が真っ赤になりそうだったので慌てて、


「ありがとう。じゃあまたね」


と言って、足早に教室を後にしてしまった。あー、私のバカバカ。もっといっぱいお話すればよかった。学校内も案内してもらえばよかった。

それでも久しぶりに井本君に会えて、優しい笑顔も見れたし、温かな気持ちを胸に秘めて家に帰ることにした。


その後井本君に相談しようと何度も思ったのだが、『嫌われたらどうしよう』とか、『いくら井本君でも、私の家庭事情やいじめについて相談してもどうすることもできないよね』とか色々考えてしまい、どうしても連絡できずにいた。


そして夏休みになりしばらくは学校に行かなくても良くなり多少は心が軽くなったこともあり、意を決して井本君の家に向かった。


「急に訪ねたら迷惑かな? やっぱり事前に連絡したほうが良かったかな?」


などど、くよくよ考えながらも井本君の家に到着した。すると庭の方からワイワイと楽しそうな声が聞こえてきた。私は声のする方に導かれるように近づいてみた。


「あれ? 恵さん。どうしたの?」


そこには井本君がいつものニコニコした優しそうな笑顔で立っていた。庭には井本君の友人達らしい男女がバーベキューを楽しんでいた。井本君は私にも参加するように促してくれ、参加しているみんなも温かく迎え入れてくれた。


「皆さん、僕の中学校時代のクラスメートが遊びに来たんだけど、参加してもいいかな?」


「おぉー歓迎するぞ」


「是非ご一緒しましょう。食料品買いすぎちゃったの」


「いらっしゃい、はい、ウーロン茶をどうぞ」


そんな優しい言葉を掛けてもらっただけで私は泣きそうになってしまった。

私が行っている学校のクラスメートの対応と全然違う。


そしてバーベキューに参加したら、井本君の先輩方と色々お話ができてすごく楽しかった。

しばらくした後、井本君がちょっと真面目な顔をして話しかけてきた。


「で、何か相談事があったみたいだけど、話してみなよ」


私はまだ少し緊張していた心が急に温かく、楽になった感じがして、堰を切ったように悩みを話し始めた。

そう、私は誰かに悩みを聞いてもらいたかったんだ。別に解決なんて期待していない。聞いてもらいたかったんだ。涙をポロポロ流しながら、全て話してしまった。今日初めて会った方たちもいるのに……。


そして、井本君も他の人も黙って聞いてくれて、驚くことに解決策まで示してくれた。

井本君が通っている学校には簡単に転校できる? 井本君の会社に入れば奨学金制度でお金を貸してくれる? しかも給与から返却すればよい?


私は夢みたいな感覚にとらわれ少しぼーっとしてしまった。聞けばここにいるメンバーは皆同じ部活の先輩後輩であると同時に、井本君の会社の社員だとのこと。

仕事量はそれほど多くないし、高校のカリキュラムは非常に自由が利くので、働きながら十分勉強や部活動ができるとのこと。


「皆さん本当にいい人たちばかりです。私本当に井本君の高校に転校したいと思います。実はみんなでバーベキューを楽しんでいる皆さんを見て、とってもうらやましかったんです。私もこの中に入りたいです」


私は心の底から返事をしていた。その後はすぐに家に帰り、母親に転校と同時に働きたい旨相談した。


母親は、


「そんな都合の良い話があるわけないでしょ。いかがわしい事か、非合法な仕事をやらされるにきまってる」


と最初は猛反対だったが、会社や井本君の通う富士フリーダム高校のホームページを見せたりして説得した。結局最後に私が言った一言ですべてが決まってしまった。


「そもそも、この会社は井本君が立ち上げた会社で、非合法なことなどするわけないでしょ」


「えっ、あの井本君が設立した会社なの? なぜそれを早く言わないの? 井本君の会社なら信用できるわ。いいわよ。恵の好きなようになさい」


どうやら母親の中での井本君の信頼度は絶大なようだ。その後父親にも説明したのだが、井本君の名前を出した途端、すぐに了承してくれた。

父も母もどれだけ井本君を信頼しているんだろう?


そこから先はとんとん拍子に話が進み、夏休み明けから私は井本君の通う学校へと転校することとなった。


二学期から井本君と毎日のように会えると思っただけで心が弾み、普通なら憂鬱なはずの夏休み明けの登校日が楽しみで仕方が無かった。


主人公は21世紀の日本で青春をエンジョイしているみたいですね。(うらやましい)

当の本人は淡々と生活している感じですけどね。


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