表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/173

16.大賢者、進学先を決める

翌日、俺が登校すると既に担任教師は代わっていた。

新担任教師からは簡単な説明が有った。


「田部井先生は一身上の都合により昨日付で退職しました。臨時ですが今日からは私が担任となります」


既に恵さんの両親が何人かの父兄に今回の話をしていたらしく、生徒の間にも田部井が首になった理由があっという間に広がっていた。


当然教師の間にも周知されていたため教師からも白い目で見られており田部井は挨拶することもなく学校から消えてしまった。

不良どももいなくなったし、これでとりあえず残り少ない中学生活は何とかなりそうだな。


恵さんからはすっかり感謝されてしまい、昼休み中は俺の席の向かいに座り一緒にお弁当を食べる仲になった。


俺はお弁当を作ってくれる人もいなかったのでパンを買って食べていたのだが、直ぐに恵さんが俺の分までお弁当を作って持って来てくれるようになったのだ。

せっかくなのでありがたくいただいておく。


概ね恵のお母さんが作っているみたいだったが、


「こっこのウィンナーは私が焼いたんだよ。」


とか言ってくる。


『おいおい、ウインナーを焼くって俺でもできるぞ』とは突っ込まなかったが。


周囲からは『仲良しだねー』などとからかわれたが、俺の中身は前世の100年とプラスこの世界で14年の合計114年生きた爺さんだからな。

さすがに14歳の女の子は恋愛対象にはならないね。


昼休みに恵さんとお弁当を食べている時委員長の金井さんがこちらをジト目で見ている気がしたが、気のせいだよね。


前世の記憶が戻ってから初めての中学校の授業だが、退屈極まりなかった。


強化魔法で知能を活性化して中学校の教科書・参考書を読み漁りすべて頭に入っているし、なんなら高校三年間の教科書の内容まで暗記していた。

土日は図書館で本を読み漁っていたが、そろそろもう一段上の書籍を読みたいと思っているぐらいだ。


◇◇◇

数日後に中学生全国統一模擬試験が実施され、俺の中学校も参加した。

転生してから初めてのテストだな。

あまり気にせず、すらすらと回答を書いていく。


既に高校3年レベルの知識は記憶しているので難しい問題は無かった。

直ぐに回答欄を埋めてしまい時間を持て余して周りを見渡すと皆真剣に試験を受けていた。


まあ3年生の俺たちにとってはこの結果が進路を決める最終判断となるみたいだからな。とりあえず真面目に回答を書いておく。


模擬試験の結果は2週間後に発表された。


結果は俺がぶっちぎりでトップ。全教科ほぼ満点だった。

一部うっかりミスで書き間違いがあり、数学だけ99点だった。

全国での順位は3位(満点が2名いたので)だった。


自校から全国模試の3位が出たということで、教師の間では大騒ぎとなったみたいだ。

目立たないようにするつもりがうっかりしていた。気を付けなくっちゃ。


クラスのみんなからは、


「屋上から落ちたとき頭を打って天才になったのか?」


などと噂されたらしい。


恵さんが真っ先に俺の席に来て、


「井本君成績トップおめでとう」


と祝福してくれた。


恵さんは普段おとなしくて無表情のイメージだったけど、笑顔の彼女はこんなにかわいかったんだな、などどぼんやり思った。


もっとも、恋愛感情を伴った『かわいい』ではなく、孫を見ての『かわいい』って感情に近いかもしれないが。


そして数日後、今回の模試の成績を元に進路相談となった。

俺は両親がいなくて保護者の祖母も遠くに住んていて忙しかったので一人で進路相談に参加した。


「井本の今回の成績なら、県内トップの進学校にも行けるぞ」


と言われたが俺の中では既に行く学校は決めていた。

単位制の学校でかなり自由な登校形態が認められる富士フリーダム高校を希望した。


進路担当の先生は驚いていた。


そりゃそうだろう、名前さえ書ければ入学することができる学校で、希望する学校をすべて落ちてしまった場合の最終的な進学先で、高校でついていけなくなった生徒の転校先として入学する生徒の多い高校なのだ。


俺としては魔法をさらに伸ばしたいし、魔法を使って色々やりたいこともあったので、画一的に全部の授業を強要されて自由な時間が得にくい進学校や普通高校は選択肢に無かった。


なにより父親が残してくれた遺産も少なく、何らかの方法でお金を稼ぎながら学校に通わざるを得ない。

その意味でも自由が利く学校が望ましかった。


俺の意思が固いことや、働きながらでないと高校に通えない状況を知ると進路指導の先生もしぶしぶ説得をあきらめたようだ、


「いやしかし、君ほどの成績なら県内のどこの高校にも入れるんだけどねぇ……」


進路指導の教師は未練たらたらだった。

まあ先生としてはより多くの生徒がより高い偏差値の学校に進学してくれた方がいいだろうからね。


恵さんにも進学先をどこに希望するのか聞かれたが、富士フリーダム高校と聞くと絶句していた。


どうやら恵さんは俺と同じ学校に入りたかったようだったが、さすがに第一志望であの高校は無いのかな?


一緒の学校に行きたがっている(と思われる)恵さんには申し訳ないがここは譲れない。


主人公は前世では全く女性と縁が無かったようですが、21世紀の日本では、その落ち着いた性格(100歳を超えているので落ち着いていて当然ですが)のおかげか、女子にもて始めているようです。

もっとも、本人は全然女性に対し、その気は無いようですけどね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ