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133.異世界調査

前世世界である異世界への移動可能な転移魔方陣の存在に関しては公開していなかったが、魔法に関する研究の中で、魔法科学者たちがその可能性を指摘し始め、メーティスの科学者へのあいまいな回答と相まって、異世界への転移魔法が存在するのではないか? と俺に質問されることが最近しばしば発生した。


その都度俺は、”知らない”と回答していたのだが、ついに地球政府大統領から、大統領令として、”異世界間の転移魔法が可能かのか回答せよ”との命令が下された。メーティスは”回答不能”との回答を出したので、メーティスのマスターである俺に対し質問状が届けられた。


やれやれ、せっかく内緒にしていたのに大統領令では仕方がないな。俺は正直に異世界間の転移魔法は可能なこと、転移先は俺の前世の世界であることを白状した。

俺が白状した内容は以下だ。


 ・異世界間の転移は専用の魔方陣を使えば可能。

  現時点で向こう側の魔方陣は俺の前世の屋敷跡の地下の一つのみ。


 ・異世界の名前は”カルン”で、転移魔法陣のある国は”ユレム国”。


 ・住民はほぼ全員魔法が使え、魔法を使える魔獣も多い。


 ・先天的に魔法を使えない人もいるが、その多くは奴隷となっている。


 ・文明的には、地球の中世ヨーロッパに近く、科学技術は発展していない。


 ・ユレム国はトルナー大陸に存在するが、他に大陸があるかは不明。


 ・海洋には凶暴な魔獣が生息しており、遠洋航海は成功していない。


 ・各種資源に関しては地球と同程度と思われる。


そして、以下の理由で異世界との移動は奨励しないことも付け加えておいた。


 ・異世界では戦争が絶えないこと。下手をすると巻き込まれる可能性がある。


 ・魔獣が生息しており、非常に凶暴である事。


 ・未知の病原菌の危険がある事。


 ・魔石を有さないこちら世界の人間は彼らから格下に見られること。

  こちら世界の人間が捕まった場合、高い確率で奴隷にされること。


 ・文化的には低迷しており、向こう世界の技術や芸術を取り込む意味が

  無いこと。


 ・地球人類が魔石ネックレスを使って魔法を起動しても初級魔法程度であり、

  向こう世界の人間には魔法では敵わないこと。


これらを政府関係者や科学者、文化人に説明し、異世界転移魔法は使うべきでは無いと力説しておいた。さやかも俺と同じ意見で、メーティスの意見も”リスクが高いので推奨できない”俺と一致していた。


異世界を案内できるのは俺とさやかだけなので、異世界に進出する場合は俺が絶対駆り出されるわけで、余計に忙しさが増す。

”そんなのはごめんだ”との思いが強かった。


しかしながら、人々の意見は全く別で、異世界を新フロンティアと捉え、積極的に調査し、できれば文化交流や新たな市場として開拓を行うべきとの結論に達した。


条件と交流すべき理由として以下があげられた。


 ・異世界への政治にはノータッチとして紛争には係わらないようにする。


 ・こちら世界の武器を携帯し、魔獣や向こう世界の人からの襲撃に備える。


 ・地球との人の移動に際しては、隔離期間を設け未知の病気に備える。


 ・異文化の研究材料ととして、異世界は魅力である。


 ・世界の人口が急増しており、新たなフロンティアが必要である。

  宇宙は広いが人類が大きく繁栄できる場所はまだ見つかっていない。


うーん、中々説得力はあるし、拒否しにくいなぁ。俺個人的には前世の世界とはできる限り関わりたくないんだよなぁ。貧富の差は激しいし、不衛生だし、貧困が蔓延しているし。


結局説得に負けて、まずは探査のために少数での潜入を行うことになった。

探査に参加するメンバーが4名が選別された。

探査者には事前に知力強化魔法で現地の言語を習得させる。

言語習得は1週間ぐらいで何とかなった。


隣国からの旅人ってことにすれば、多少のイントネーションの不自然さは問題にはならないだろう。


一番の問題は。向こうの世界にはメーティスが存在しないことだ。

そのため、俺かさやかが一緒に行かないと帰還時に転移魔法が起動できないため帰ってこれない。


結局俺が同行することとなった。”地球政府の副大統領が危険な探査に参加していいのか?”との意見も出たが、外交の一環、ということで押し切ってしまった。


数か月の準備期間を経て、男性3名(内1名は俺)、女性2名の計5名の探査隊が結成され、準備が整った。


俺とさやかの監修の元、衣服は木綿の粗末なもの、荷車に荷物を乗せ、馬に引かせる形にした。(馬はこちらの世界から連れて行く)


現地の通貨を入手するため、向こうで高値で売れるであろう胡椒と砂糖、そしてハイポーションを持って行く。


拳銃やライフル銃とその銃弾、手りゅう弾やプラスティック爆弾など色々な護身用の兵器を準備し、ストレージに入れて持って行く。


ついでに、オリハルコン製の防弾ベストも特注で制作し、持って行く。これは魔法攻撃を受けた時のダメージを最小限にするためだ。


偵察用にドローンも持っていく。


さらには、ジープもストレージに入れて、機動力も確保しておく。野宿も考慮し、テントなどの屋外宿泊用の装備一式と、巨大なキャンピングカーまで購入してストレージに収容しておいた。


各自の胸ポケット部分に超小型のビデオカメラを設置し、異世界の映像を記録できるようにする。俺以外は全員特注の魔石ネックレスを装着する。それは特別仕様で、身体強化と探知魔法の魔方陣も刻み込まれている。


向こうの世界は魔素の濃度が薄いため、直ぐに魔力が枯渇してしまう可能性があり、予備の魔石も数セット準備しておく。


異世界転移の魔方陣は、米国のノーフォーク海軍基地内の地下シェルターに描かれ、万が一向こうの人間に魔法陣を乗っ取られてこちらが襲撃されても即時対応できるようにしておく。

そのため魔法陣は24時間体制で監視されることになった。

ついに異世界に転移可能なことがばれてしまいました。

次話からは本格的に異世界に行きます。

元々チートな能力の主人公が、21世紀の地球の工業力、科学技術、経済力、兵力をバックにどんな活躍をするのでしょうか?

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― 新着の感想 ―
[一言] 新しい土地と資源が欲しいから異世界へ!って、何て人間は強欲で傲慢なんだろう そこに生活している人がいても関係無いんだなぁ 太陽系の開発で満足できないんだろうか?
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