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117.魔石ネックレス爆売れ

魔法発動を指導する講師の育成は順調で、全米で400人の講師が要請できた。

ネックレス用の魔石の量産体制も整い、イリノイ州の新工場で、日産1万個の魔石ネックレスの量産が開始された。


価格は当面1個1万ドルとした。かなり高額であるが、”量産体制が整えば徐々に価格は下げていく”、とアナウンスしていたにもかかわらず、初日販売分は予約を始めて10秒で売り切れ、予約も半年先まで埋まってしまった。

Magic-stone社は生産ラインを増強して、1ヶ月後には日産10万個まで生産量を増強したが、今度は講師の数が足りなくなった。


予約後、魔石は数か月で入手できたが魔法を使うための講義が10ヶ月待ちの状態となり、クレームの嵐となった。


全世界からの要望もあり、各国に支社を作り、講師養成に努めた。

会社設立2ヵ月で世界展開を開始し、当初はG7各国へ、すぐにOECD加盟国を中心に展開、魔石製造工場も日本、ドイツ、イギリスと徐々に広げていった。

魔石を販売開始して1年が過ぎるころには全世界で5000万人が魔石を使えるようになったのである。


量産体制が整ったので、魔石の価格も徐々に下げていき、現在では1個3000ドルにまで下げていったのも普及を後押ししていた。


多くの人が魔法を使えるようになり、社会に色々影響が出始めていた。


まず、ヒール魔法の普及で、小さな怪我や腰痛などはすぐに治るようになり、絆創膏や湿布薬の需要が激減してしまった。


また、交通事故などによる死者が減少していった。

大怪我の場合は、ヒール魔法では応急処置しかできないのだが、瀕死の重傷を負った場合でもヒール魔法をかけることによりダメージが軽減され、病院で処置を受けるまでの延命確率が飛躍的に向上したからだ。

そのため事故での死亡確率も小さくなってきていた。


念話の普及では、携帯電話による通話や、アプリによる通話が激減するかと思われたが、そうでもなかった。

念話での通話は、”かなり親しい人との間で”という暗黙のルールができたからだ。


念話はメーティスのみとしている人も多かった、


念話は音声でのコミュニケーションよりも、自分の思い描いているイメージそのものも送れるため、この点では非常に便利で、ビジネスで活用している人もいた。


ただし、念話では音声通話よりも感情が伝わりやすく、噓をつくことがかなり困難なので、浮気を疑われたとき旦那や妻から、”やましいことがないなら念話で話しましょう。”などと詰め寄られることも多々あった。


動画サイトでは”そのようなときにごまかす方法”などのノウハウ動画がアップされたりしていた。


登山中に遭難したり、難破し海で漂流するような場合でも、念話で話ができ、メーティスの助けを借りることにより、遭難者の位置特定も容易で、遭難時の救出の成功確率も非常に高まった。


物理結界に関しては、災害時に役に立った。洪水に巻き込まれたときは、結界を張ることにより、自分の周囲に水が来ない、つまり水に浮くことができるので溺れることがなかった。土石流に巻き込まれた場合も、岩に押しつぶされることもなく生存確率が大きく上昇した。

災害発生が多い日本では、政府が補助金を出して、魔石ネックレスの普及に努めたのである。


半面、銃弾も防ぐことができるので、物理結界を犯罪者が使う懸念が浮上した。


警察からの銃で撃たれても効果が無くなるので、犯罪を助長する可能性があり、犯罪者が警察から撃たれた場合は、頭部と心臓以外は結界から外れるようにメーティスが調整することになった。


このあたりのルールは全世界でかなり論議を呼んだが、メーティスからの提案だとわかったとたん、反対意見はほとんど出なくなった。


すでに世界人口の半数以上がメーティスと定常的に会話をしており、メーティスが非常に知的で公正な考えを有していると知れ渡っていたからだ。


◇◇◇


日本のあるビジネスマンの視点:


東京在住のC氏は、都内の住宅メーカーで営業として働いていた。魔石ネックレスが発表されたときはめちゃくちゃ欲しかったが、さすがに100万円を超える値段では手が出なかった。


半年ほど前に価格が30万円ほどに下がったのと、業務で使う場合は会社から7割補助が出るとのことで、思い切って購入した。


予約してからなかなか順番が来なかったが、1か月ほど前にようやくMagic-stone Japan社から連絡が入り、魔石ネックレスが入手ができることになった。


指定された日に指定場所に行くと、研修室のような場所に通された。全部で50人が同時に魔石ネックレスと魔法発動のセミナーを受けるらしい。

講師が二人入ってきて、まずは魔石ネックレスが各自に配られた。その場で、何かの機械を使って認証を行うらしい。認証はすぐに完了して、講師が注意事項を話す。


・魔石にはシリアル番号が付加されており、一人ひとりと一対一で管理される

 こと。


・他人には譲渡できないこと。他人の魔石は使えないこと。


・魔法の習得に要する時間には個人差があるが、最大でも2日で習得できること。


・ごくまれに魔法が発動できない人がいること。その場合は料金は返金すること。


・ヒール魔法で自分を治療するのは問題ないが、他人を治すのは緊急時以外は

 違法であること。


・ヒール魔法で他人を治療し利益を得ることは、医療法違反となり厳罰が

 課せられること。


・魔石禁止の国があるので、海外旅行の時は注意すること。


事前に聞いていた内容と同じだったので、俺も含め全員が同意書にサインをした。


それから魔法を発動するための講義が始まった。俺は事前に動画サイトでノウハウを確認してきたから楽勝だな。

しかし、実際にやってみるとなかなか魔法は発動できない。

受講生の半分は女性だったが、女性たちは次々に魔法を発動できている。

やや遅れて男性も次々に成功していった。あれ? あれだけ攻略の動画見たのになんで俺はできないの?


発動できない受講生が3人までになったとき、ようやく俺も発動できた。

ふー、良かった。


講師によると、


「魔法発動の感覚は個人差があるので、動画サイトで他人の感覚やノウハウを聞いたりすると、却って発動がしにくくなる場合がある」


ってことだ。そんなの事前に言ってよ。


まあ魔法が発動できたので良しとしよう。


そこからまさに世界が変わった。

一番便利だったのはメーティスとの会話が念話になったことだ。

スケジュール管理をメーティスに任せてあるので、朝は起こしてくれるし、しかも電車が遅れている時は早めに起こしてくれる。


会議の10分前には教えてくれるし、久しぶりに会う取引先の担当者の名前と役職まで念話で教えてくれる。

今までもメーティスに任せていたが、魔法が使える前は全て携帯電話経由だったので、携帯電話を身に着けていないと意味なかったが、念話ではいつでもどこでもメーティスと会話できるのが素晴らしい。(実際は携帯電話経由になるので携帯電話の所持は必須だが)


ヒール魔法もすごい。先日アパートの足を滑らせて階段から落ちて足をねん挫した時、試しにヒール魔法を自分に掛けたら、1回目で痛みが和らぎ、2回目で痛みが無くなり、3回目で完全に元に戻った。


本来なら歩けないので救急車かタクシーで病院直行ぐらいの捻挫だったが、ほんの数分で治るなんて、すごすぎるだろ?


物理結界はまだ試したことはないが、動画サイトを見る限り、かなり有効な魔法みたいだ

車がめちゃめちゃに壊れた事故でも、物理結界魔法により、ドライバーはかすり傷ひとつなかったというニュースも見た。

このドライバーは事前にメーティスによる自動発動を設定していたおかげで、事故発生と同時に物理結界が発動されたとのこと。

俺もさっそくメーティスによる自動物理結界発動を設定しておく。


これは便利だし、魔石ネックレスを身につけるようになってまだ一か月だが、もう手放せないな。

俺はMagic-stone社がさらに成長すると読んで、他社の株のほとんどを売り払い、Magic-stone社の株を買っておいた。

ついに魔石ネックレスが一般に普及し、人類は魔法を使えるようになりました。(初級魔法ですが)

次は何が商業化されるんでしょうか?

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