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106.真闇教団教祖の最後

教団シェルターの制圧は特に大きな犠牲もなく終了した。

教団のメンバーの一部は心を支配されていたが、病院で治療を受けるうちに正常に戻ったようだ。

奴の心を支配する超能力は継続性はあまりないみたいだ。

半面、脳を破壊されて寝たきりとなっていた人も何人か保護されたが、彼らは回復できなかった。

試しに一人の寝たきりの犠牲者にエリクサーを使ってみたが、脳を破壊されて時間が経ちすぎたためか回復には至らなかった。


教祖に対する怒りが更に膨れ上がった。

奴の始末方法として、南極の転移魔方陣への転送で追放しようとも思ったが、教祖の超能力の到達範囲が不明であるし、万が一南極基地の誰かに接触できると由々しい問題が発生する可能性もある。

さやかと相談し、俺たちの故郷の異世界の方針に従うことにした。


前世での最高刑は死刑ではなく、魔獣の樹海と呼ばれる凶悪な魔獣が支配する場所へ、何も持たせず移動させる、”追放刑”だった。

魔獣の樹海ではどれほど魔法の能力の優れたものでも魔法が発動がうまくいかない特異な場所なのだ。


したがって、魔獣の樹海に移動させられたものは、魔方陣を描いて別の場所に移動して逃げることができない。

過去300年間で、誰も助かったものはいないと言われ、ほぼ死刑と同じだ。

ただ、この世界の最高刑だけあって、よほどの重罪人でなければこの刑にはならないが。


俺は異世界間転移の魔方陣を使い、前世の世界に移動。

その後、教祖をストレージから引っ張り出して、転移魔方陣を使い、魔獣の樹海の魔法陣へ教祖を転送させる。


気絶したまま転送させたらすぐに魔獣に食われてしまうので、水をぶっかけて目を覚めた瞬間に転送する。

奴は目を覚まして俺を確認すると、なにか叫び声をあげたが、次の瞬間魔法が発動され、目の前から消えた。

これでひと仕事終わったな。


◇◇◇

教祖視点:


 私は物心ついたときから人の心を読むことができた。

10歳になる事には、人の心を支配することもできるようになってきた。

クラスの気に入らない奴は、道路に飛び出させて事故にあわせたりもできた。


何人かの大人が俺の能力に気が付いて、化け物呼ばわりして殺されそうになったので、逆に殺してやった。

だがそれ以来、自分の能力については隠すようにした。

まあ、もしバレても、秘密を知った奴は始末すればいいんだから簡単だ。

ただ、あまりに周囲に変死する人が多いと、警戒されるのでほどほどにしておいたが。


俺の試験での成績も優秀だった。

試験中、他の人の心を覗き放題なんだから当然ではある。

さすがに大学に入ると、研究とか論文で苦労したが、優秀な人間の心を支配して、俺の代わりに論文を書かせればよかったので、大した障害にならず、私は有名大学を首席で卒業した。


しかし、まじめに働くことなどしたくなかったので、自分の能力を最大限に生かし、新興宗教の教団を立ち上げた。

最初は金持ちのマダムの悩み相談的なことで知り合いとなり、彼女を通じて旦那や他の金持ちに近づき、心を支配して、教団に多額の寄付をさせた。


この国には金持ちは履いて捨てるほどいる。

俺は心を支配した金持ちを通じ別の金持ちとも知り合いになり、金を出させる。


これを繰り返し、金はどんどん増えて行った。

金を貢いでくれる金持ちの他に、手足となって動く手下も増やしていった。

心を読んで、その隙をつくだけだなので、容易に信者は集められた。

当然だが若くて美人な女性をメインに入信させた。


心の支配は時々接触していれば継続できるが、長く離れていると心は支配状態から覚醒してしまう。

一部出資者は全財産を失った状態で覚醒してしまい、正気に戻ったそいつは、弁護士を雇って訴訟を起こしてきた。

そんな奴らは心を破壊して廃人になってもらった。


信者が増えるに従い、全員の心を常に支配することが困難になってきたので、教義を終末論的な物に変えた。

つまり、”この世はもうすぐ滅びるが、私の元にいる選ばれた民だけは助かる”といった新興宗教ではよくある手だ。


終末論などでっち上げだったが、一応見せかけの為ボストン郊外にシェルターを兼ねた本部を建設しておいた。


しかし最近になって信者である上院議員から耳寄りな情報を聞けた。

この世界が5年後に本当に滅ぶらしい。

詳細を聞いたところで、早速アラスカに本格的なシェルターを建設することにした。

金ならあるしな。


更に情報を集めるため、大統領補佐官の秘書のケイトに接触し、心を支配しておく。

案の定最新の情報がバンバン入るようになった。


しかし、世界の終末を回避する計画がある事が分かった。

せっかくシェルターを作って俺だけのハーレムを作る予定なのに終末が回避されたら計画が台無しだ。


しかも協力者は超能力者の様だ。

なんてこった。私以外に超能力者がいるとはな。

俺は計画の詳細を入手し、妨害工作を試みたが、すべて失敗に終わった。


情報によれば、向こうの超能力者はイモトとか云う若造と、さやかという女の2名らしい。

超能力者なら、私の心に接触してくるはずだ。

その瞬間相手の心を破壊してやる。


敵の抹殺計画をボストン本部で考えていると、いきなり本部が特殊部隊に包囲された。

どうやら補佐官の秘書のケイトが捉えられて、教団の事がバレてしまったみたいだ。

くそ、失敗した。


まあ、そういうこともあろうかと、本拠地には脱出用の地下通路があるからな。

私は愛人2名を従えて脱出用通路を足早に出口に向かう。

その時、ものすごい衝撃を受け、俺たちは吹き飛ばされた。

どうやら本拠地が爆撃されたらしい。

何てことしやがるんだ。


爆撃時には本拠地からかなり離れたところまで移動していたため、なんとか無傷ですんだ。

私たちは足早に出口に向かうが、その時、心に何らかの接触された気配を感じた。


これは、敵の超能力者による心への接触だな。

すぐにそう判断し、接触してきた相手に逆にこちらから接触する。

距離が離れているため、心の支配は出来そうに無かったが、心を破壊することができる。

私はありったけの力で相手の心を破壊する。

手ごたえあり。


相手の心が支離滅裂になり、破壊されたことが分かった。

ざまあみやがれ。私に逆らった罰だ、

今まで出会った中で一番厄介と思われる敵を排除できたな。もう一名いるらしいが何とかなるだろう。


私たちは地下通路から抜け出し、事前に準備していた車に乗り空港に急いだ。

そこからプライベートジェットでアラスカまで移動し、建設途中のシェルターに移動し、なんとか一息つけた。


ボストンの本拠地を失ったのは痛いが、資金や資材の大部分はすでにここアラスカのシェルターに移動済みだ。

教団幹部も多くはこちらで作業中だったので助かった。

なんといっても、幹部は私好みの美人で構成されているからな。

地球が滅びた後の大切なハーレム要員だ。


◇◇◇


その後しばらくアラスカのシェルターでのんびり過ごしていたが、いきなり周囲が包囲された。

くそ、アラスカのシェルターの場所も知られてしまったのか。

まだ建設途中なので、入り口の守りも完全ではない。

あっというまに敵はシェルター内になだれ込んできた。


ボストンみたいに睡眠ガスは使われなかったが、兵がなだれ込んできただけなら何とかなる。


ここまで敵兵が到達したら、何人かの兵の心を制御し、同士討ちさせるだけだ。

そうこうするうちに4人の敵が部屋の前まで来た。

超能力で、うち一人の心を乗っ取り、仲間に向け射撃させた。


よしうまくいった。

角の向こう側にも一人敵がいるな、奴も始末させよう。

そう思った瞬間、心を乗っ取っり操っていた兵の意識が失われた。


ん? 何が起こった?

そう思っていると、いきなりドアが吹き飛び、青年が入ってきた。

なるほど、こいつがイモトとかいう超能力者だな。

しかしなぜこいつの心が読めないんだ?

今まで面と向かった人物の心が読めなかったことは無かった。

こいつはただ物ではないな?


私は奴に協力を呼び掛けたが聞く耳は持って無い様だ。

ならば問答無用。私は能力を使い、奴の心を破壊しようとした。

よし、手ごたえあり。

奴は頭を抱えてふらついたが直ぐに持ち直した。


なぜだ?奴には私の攻撃が利かないのか?

私は焦ってもう一度攻撃を繰り出そうとしたが、次の瞬間意識を失った。


◇◇◇


急に水をぶっかけられ、意識を取り戻した。

薄暗い地下室の様で、目の前にはイモトとかいう若造がいた。


「貴様、ただではおかんぞ」


そう言おうと思った瞬間、薄暗い地下室がいきなりジャングルになった。

なんだ? 何が起こった?

周囲を見渡すと、ジャングルの中にぽっかり空いた空き地の様なところだ。

周囲は360度ジャングルで、直径20m程の広場の真ん中に私は立っていた。


何が起こったのかは全くわからなかったが、あまりよくない状況の様だ。

広場のあちこちには人骨らしい骨が散らばっている。

私は能力を最大限使い、周囲に人が居ないか確認してみる。

少なくとも周囲20kmには人は居ないことが分かり絶望した。


私が訳も分からず立ち尽くしていると、周囲のジャングルからうなり声が聞こえてきた。

やがて周囲のジャングルから見たことのない化け物がぞろぞろ現れる。

こいつらの思念が流れこんでくる。

こいつらは私を餌だと認識している!


慌てて化け物を避けてジャングルに逃げ込むが、何匹もの化け物が追いかけてくる。

まるで悪夢の中の様だ。

逃げても逃げても周囲はジャングル。

ついには前にも化け物が現れ、囲まれてしまった。


一番でかい化け物が私を腕で弾き飛ばす。

地面にたたきつけられて動けなくなった私に容赦なく化け物が食らいついてくる。

俺を食おうとしている化け物の思念が俺になだれ込んでくる。


『久しぶりのごちそうだ。うまそうだ』


「た、助けてくれ」


私は声を限りに叫ぶが当然誰も助けてくれない。

それどころか別の化け物まで呼び寄せてしまったようだ。


最初の化け物が俺の足に食らいつき嚙み千切られた。

もう一匹は俺の右腕に食らいつきこれも噛み千切られる。


『うまいうまい』『うまいぞ』


奴らが俺の手足を食べている思念がいやおうなしに流れ込んでくる。


これは夢だ。これは夢だ。

最初の化け物が、俺の腹に食らいついてくる。

私の意識はそこで途絶えた。

ついに敵対してきた教団の教祖をやっつけましたね。

教祖の最後は悲惨でしたが、教祖がやってきたことを考えると当然の報いですね。


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