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104.ロケット打ち上げ準備完了

俺とさやかは大学3年生となった。

そして大災厄まで後2年となった。


超忙しかったが、体力強化とポーションにより大学の講義は概ね出席し、ヘスティア―計画にも全面協力し、i経済研究所の社長業務もこなし、なんとかやってこれた。

大学の試験の成績も上々だ。


ヘスティア―計画はメーティスの公開の効果で開発効率が一挙に上がり、各種作業は順調に進んでいる。

なにより、俺とさやかへの質問メールが激減したのが良かった。


既にフロリダのケネディ宇宙センターには4機のロケットが設置完了して最終チェックの段階となっている。


例の宗教団体の教祖(名前はダニエルとしか分かっていない)の消息は全く不明で、FBIはもちろんCIAやNSA(米国国家安全保障局)まで全力で調査しているが、未だに見つかっていない。


ロケットが発射場に設置され、格好の標的となるため米国政府は軍を動員して周囲の警戒にあたっている。


俺たちも警戒活動に参加することになった。

教団の信者が作業者に紛れ込むと非常に厄介なので、組み立て作業に携わる人員の身辺調査をするとともに、橋本さんの協力の元、全員の心を読んでの確認も秘密裏に行われた。


教団教祖の超能力による頭脳への攻撃は俺たちの魔法を使っても対応できないと思われたので、さやかと相談して対応方法を事前に検討しておいた。


結論として、物理結界を張れば心理的攻撃を防ぐことが出来そうだった。

物理結界を張ると、橋本さんが俺の心が読めなくなることは確認済みだったが、再度詳細にチェックしてみた。

俺たちが物理結界を張った状態では、かなり近くに寄っても俺たちの心が読めなくなることが分かった。

つまり、教祖の心理攻撃も防ぐことができる事を意味する。


新規に魔石ペンダントを作り、そこには物理結界の魔方陣と、予知魔法の魔方陣を刻み込み、超能力による攻撃を受ける直前に予知魔法で察知し、物理結界が作動するように調整した。

実際に試すことは困難だったが、たぶん大丈夫だろう。


このペンダントを橋本さんに着けてもらい、念のため、俺とさやかもこの魔石ネックレスを身につけることにした。


”魔法を使って怪しい人が居ないか調べる”という名目で、組み立て作業場に出勤して来る全作業員を一カ所のゲートから入場するようにしてもらい、ゲート近くに橋本さんを待機してもらって、不審な人物が居ないか確認してもらった。


橋本さんに千人近くの人の心を確認してもらったため、作業完了時に疲れ切って倒れてしまった。


すかさず橋本さんにハイポーションを飲んでもらい、元気を取り戻してもらったが、まるで俺は”徹夜作業で倒れた部下をたたき起こし、栄養ドリンクを飲ませて更に仕事させる”ブラック企業の鬼の上司だな。


数日間橋本さんに張り付いてもらった結果、3日目に2名の怪しい人物が抽出できた。

確認作業終了時にその2名だけ別室に移動してもらい、取り調べをすることになった。

理由を告げず別室に呼ばれた2名は、最初はおとなしく言うことを聞いていたが、急に暴れだしたため、警備員がスタンガンを押し付け気絶させた。


荷物を調べてみると、持っていたバックの底にプラスティック爆薬(C4爆薬)が敷き詰められていた。

起爆装置は持っていなかったが、C4爆薬は電気を通すと爆発するので、例えば天井等の照明から電気配線を引っ張り、爆薬に接続するなどすれば、作業所内でこいつを爆発させるのは容易だっただろう。


あまり期待はしていなかったが、気絶している2人の額に手を当てて探知魔法を使う。

案の定、教祖がどこにいるのかの情報は無かった。

しかし、こいつらがC4爆薬を爆発させると同時に、外部からも攻撃を行う計画がある事は分かったので、早速周囲を警戒してもらうことにした。


どこからどのような攻撃が行われるかまではこいつらは知らされていなかった。

前回は迫撃砲での攻撃だったが、失敗したので今回も同じだとは思えないな。


『メーティス、発射場周辺で何か変わったことは無いか?』


『北側20km離れたところの交通状態確認用カメラに気になる映像がありました』


『なんだ?』


『この映像です。シートで覆われた何かが、トレーラーにけん引されている様子ですが、シートの形状からM777 155mm榴弾砲の可能性があります。射程距離は24kmです』


『わかった。では北側を中心に20から24Km付近にドローンを飛ばして榴弾砲らしき物が無いか確認してくれ』


『了解しました』


今回も借用できた軍用ドローン2機をメーティスに操縦を任せて、探索させた。

同時に護衛隊長にも警告を上げておく。


それにしても、どうやったら榴弾砲まで入手できるんだ?

とんでもない宗教団体だな。


しばらくすると、メーティスから念話が入る。


『敵榴弾砲と思われる物を発見しました。発射台より23Km離れた林の中です。位置情報と映像を送ります』


送られてきた映像にはシートに覆われていたが、明らかに砲身を有した何かの様な形状の物が林の中に設置されていた。

赤外線映像に切り替わり、周囲には複数人の人影らしき物も映っている。


『よし、この映像と場所を護衛部隊に送付しておいてくれ』


『了解しました』


数分後に、護衛部隊の隊長より連絡が入る。


「井本君、君の協力には重ね重ね感謝する。映像を確認し、無人偵察機を派遣し確認したところ、155mm榴弾砲で間違いないことが分かった。これから攻撃する」


その直後、メーティスが気を利かせて、無人偵察機からの映像を送ってくれた。

リアルタイムのその映像を確認していると、無人機搭載の機関砲を使って敵に発砲が開始された。

無人機の機関砲の威力はすさまじく、5,6人いた敵はあっという間に動かなくなった。

『前回は奴らは2カ所から攻撃を仕掛けようとしていた。今回ももう一カ所攻撃拠点がある可能性が高い。引き続き確認してくれ』


『了解しました』


更に数分後に最初に発見した拠点から5kmほど離れたところにも榴弾砲が発見された。

別の拠点が攻撃を受けたことを察知したためか、すでに発射準備に取り掛かっている。


『直ぐに護衛部隊に知らせろ』


今回供与されたドローンにも武装が無いため攻撃ができない。

それでも少しでも発射を遅らせようとドローンを突っ込ませようとしたところ、敵は榴弾砲を発射してしまった。


その直後、駆け付けた無人偵察機が機関砲で敵を薙ぎ払う。

しかし時すでに遅しで、発射された榴弾は、ケネディ宇宙センター内に着弾した。

幸いなことに、発射台に設置途中のロケットには被害は無かったが、ロケットを運び終わったトレーラーに着弾し、作業していた作業員数人が犠牲になった。


ロケット本体は無事だったが、発射台や制御装置の再確認のため、打ち上げ作業は一時中断し、再点検が行われることとなった。


ロケットの準備は整いつつありますが、まだまだ一波乱ありそうです。

敵対勢力を排除して無事ロケットは打ち上げできるでしょうか?

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