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 ユグドラシルファンタジー・オンラインを初めて最初に目にするのは、世界樹と呼ばれる規格外の大木の姿だ。九つの世界を繋ぐという巨木の姿は圧巻で、枝振りは端から端まで見渡すことができないくらい幅広い。


 そんな巨木の麓にミッドガルズの街がある。その名もずばり〖始まりの街〗。


「わぁああ! 凄い、これが〖あばたー〗なんですね」


 上原さんが興奮してぴょんぴょん跳ねている。彼女が選んだジョブは吟遊詩人。「衣装が可愛いから」というのが選んだ理由らしく、彼女らしいというか。|こんな殺伐としたゲーム《ユグドラシルファンタジー》でも吟遊詩人の設定が有るのには驚いた。アカウント名は無難なところで〖レイナ〗にしたそうだ。



「何だかガテン系って感じだな」


 盛山は重戦士を選んだ。チョイスの理由は「漢だからだ」そうだ。変な方向に進まない事を祈りたい。元がイケメンなので、普通にプレイしていれば女の子プレイヤーの人気出そうだな。ぐぬぬ……

 アカウント名は〖モリモリ〗。盛りが山だからモリモリ(盛り盛り)なんだって。マシマシ(増し増し)と同じ法則ね。



「そして経堂さんは……」

「私は〖モンク〗ね」

「ふ〜んモンクかぁ…… モンク…… モンク…………? モンクぅ!?」


 そんなジョブ、このゲームに有ったっけ? 一応、剣と魔法が織り成す北欧神話の世界なんだけどなぁ。いや、腰巻きヒラヒラさせて可愛いのは分かるけどさ。わざとやってるでしょ? ボーイッシュな経堂さんにはドンピシャだけどさ。あと経堂さんってスタイル良いのね、結芽原さんが恨めしそうに見てるよ。

 コレはあれだな…… ネタ切れして全然違う世界観のゲームとコラボしちゃうやつ。ネトゲ、ソシャゲあるある。

 アカウント名は何にしたのか訊いたら、〖セイラ〗だそうだ。似合ってると思う。




「そういう竜道寺さんは?」

「へへへ…… かっこいいだろ? 竜騎士だ」


 これこそ”おまゆう”だよな。北欧神話なんて関係がなくてもカッコ良ければ正義だ! 前のギルドに一人居たんだよな、竜騎士。あの頃は邪道だと見向きもしなかったけど、正直言うとめっちゃ羨ましかった。聖騎士のレアスキル取ってなかったら、ジョブチェンを真剣に考えてたかもしれない。


 俺もノミみたいにピョンピョン跳ねてやる!

 ちなみにアカウント名も〖むつごろう〗に変えた。開き直りってやつさ。




 そして(華藤さん)こと結芽原さんはというと……


「結芽原さん、素敵です。正義の味方? さんですか?」

「上原さんありがとう。魔法使いよ」

「それって魔法少女? ですよね。この北欧神話の世界でですか?」

「経堂さん、魔法使いは万能なのよ」


 どうみてもキュ〇ドリームさんなんだけど、本人がいたく気に入っているようだし、深く追求するのはやめてあげよう。それよりそのアバターをどうやって再現してるかの方が気になって仕方がない。

 アカウントは〖のぞみん〗にけってーい! だそうだ。


「さぁ無駄話もなんだから、さっさと移動しちゃいましょうか」



 のぞみんが意気揚々と歩き出した。


「それで何処にむかうんだ?」

「貴方もよく知っているところよ」


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