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鬼邪殺戮怒≪キャサリン≫が案の定超生物Ωになった - 長くなりそうなのでその1

 ・・・。

 ええ、またなんです済みませんね。


 今回の転生では、遂に私が人間じゃなくなりました。

 所謂メイドロボです。

 ここは基本的にはサイバーパンク的な世界観であり、そこで私は稼働寿命200年を誇る戦闘機能付きお世話マシンになってしまいました。

 なお、この体でも前から引き継いだ魔法が使えたし使った分の魔力も回復できたので、まあ大体の敵や状況に対して無敵なんでしょうね。

 例のアレ以外には。



 さてサイバーパンクとは言いましたが、一番要説明な部分はそこではありません。


『オメガバース』、と言う言葉をご存知でしょうか。

 ご存知な上で苦手と言う方はこの場で切っても構いません。

 どうせオチはアレなので。


 おっと追手が来たのでちょっと失礼・・・アームウェポンアンロック・・・弾丸に≪麻痺≫魔法付与・・・斉射により敵勢力沈黙を確認、バレル格納・・・あ、忘れずに空間魔法から弾丸装填っ、と。

 では安全確保されたところで。


 オメガバースとは、通常の男性女性に加えてアルファ、ベータ、そしてオメガと言う上下の性が加えられた設定の事です。

 強者が弱者を虐めて秩序を保つ狼の社会を元に考案された世界観モデルであり、近年急速に勢力を拡大している好みの分かれる種類のジャンルです。

 特徴としては基本的にアルファが社会的にも肉体的にも強者、ベータが私達の知る一般人と大差なく、そしてオメガが弱者と言う感じになっています。


 ほんとしつこいお客様ですね、≪凍結≫。


 それでここからが特殊設定のアレな部分なんですが、アルファの女性とオメガの男性は事実上両性具有、しかしオメガ男性は男性器が弱すぎて実質女性となっています。

 更にオメガは男女ともに発情期によりアルファやベータの発情を誘発し、またこのためまともな仕事に就けず社会的に冷遇されています。

 そう言った感じでBLGLに男女逆転、場合によってはケモにも対応している性癖よくばりセットとなっているのです。


 興味があるならお手元のスマートフォン、PCなどで調べる事をお勧めします。

 言うまでもなくモデルとなった実際の狼ではオメガが両性具有とかはありませんが、念のため。



 さてオメガは世界観によっては保護対象だったりもしますが、今回の転生先ではガッツリ差別対象となっております。

 具体的には、親が生まれてしまったオメガの子を売春や臓器移植用にコッソリ売り払っても周りが「あっ(察し)」となるだけで具体的には何もしない言わない、警察も黙認するレベルです。


 今回の私は、そのオメガ人身売買組織に最低限の世話係兼商品警備のために導入されたメイドロボです。


 そして、まるで太陽が東から登って西に沈むように当たり前に一緒に転生してきたあの野郎は・・・今丁度素手で鋼鉄の壁をぶち抜いてきましたね。

 オメガの男の子として生まれて幼くしてここに売られ・・・私と同じタイミングで前世の記憶を取り戻し、そしてまあ多くを語らずともお察しいただけるであろう状況となっております。


 なおオメガは男だろうと親からは呪いの様に女性名を付けられるようで・・・キャサリン、と言う名前でした。

 また鬼邪殺戮怒(キャサリン)か。



「ふー、今回のオメガバースと言うのはどうにも理解がしにくいな。お前の知識が無ければ下手をすれば詰みかねなかった要素もあるようだ」


『私だってそこまで詳しい訳じゃないわよ。・・・で、その子たちはどうするの?』



 覇王のオーラを立ち上らせて歩み出た、全てを拳で素粒子まで粉砕可能な特殊個体のオメガ男児。

 その後ろには、この世界で当たり前に差別冷遇されている普通のオメガの子供たちが身を寄せ合って震えていました。

 鬼邪殺戮怒キャサリンを始めとして、全員まだ十にもなっていません。

 私の視線にさえも怯える様子のその子達を振り返り、鬼邪殺戮怒(キャサリン)はまるで国を建てるかのように決然と宣言しました。



「決まっている。こいつらは俺の、仲間だ」

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