鬼邪殺戮怒≪キャサリン≫はインフィニットじゃないよ、もっと質が悪いよ - Ε・力こそパゥワァー(いい発音)
時は流れて、いよいよ決戦の時は来ました。
結局エクスターの奴を引きずり下ろす事は出来ず、コイツは堂々と軍用艦の甲板からまた例の調子で演説しています。
まあ、ロボメイドなしの僕だけではアレを搦め手的にどうこうするのは難しいので、結局予定通りではあります。
空を埋め尽くす壮観なレイヴァースの大部隊も、奴にとっては祭壇に奉げるヤギみたいなもんなんでしょうね。
宇宙人の故郷にそんな宗教儀式があるかは知りませんが。
ま、あれです。
お前だけは逃がさない。
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僕の乗るグラムフェンサーを中心とした矢じりの形。
カオルコ達6人の専用機として用意されたレイヴァースが左右に3機づつ追従。
特記戦力が全レイヴァース部隊に先行する形で打撃を与える陣形です。
閃光が空を貫き、ヴィザークの群れを爆発で吹き飛ばしました。
僕の一撃を皮切りに次から次にビームが撃ち込まれ、見る間に地平線が着弾の光で埋め尽くされました。
梅雨は最早のこの地上に存在しない季節ですが、その土砂降りを彷彿とさせる攻撃。
これだけのレンフォス能力者による大攻勢と言うのは、空前のはずです。
同時に、二度準備するのもほぼ不可能であり間違いなく絶後でもあります。
僕達7機が敵集団を切り取り後続が殲滅。
そのサイクルが続きます。
レンフォス能力を発現すると心身の持久力が恐ろしく増大する為、丸一日のそれにも余裕で耐える事が可能です。
両手のビームサーベルで敵を切り裂くカオルコのルナプリンセス。
正確な射撃を放ち続けるトキオのホワイトウォーロック。
ヴィザークを掴んで超音速で投げつけるゲロゴのフォレストウィザードに、アクロバティックなカンフーで敵をなぎ倒すメイメイのブラッドドラグーン。
超能力じみたコンビネーションで敵を翻弄するのは二人の姉さんのストームランサー&テンペストシールダー。
そしてその全ての先頭に立ちヴィザークの群れを切り裂き粉砕し続ける、僕のグラムフェンサー。
全機体が、順当に伸ばした通りの戦闘力を発揮しています。
その時前触れもなく、ヴィザークの動きが変わりました。
レイヴァースとの接近戦しかしてこなかったのが、急に距離を取り出したのです。
・・・そして。
ズドオオオオオオオオオオンン!
『う、うわああ!ビーム攻撃ですって!?今までそんなの使ってこなかったのに!』
味方の無線を拾い、パニック寸前の声がコクピット内に響き渡ります。
ヴィザークはレンフォスの収集が目的なのですが、それを武器として使用できる可能性を上が全く考えていないのは・・・エクスターの仕込みなんでしょうねあのクソ野郎有責ポイント増加です。
で、さらに仕込みは用意されていました。
キュウウウウン・・・・。
そんな音と共に突然、グラムフェンサーのシステムがダウンしたのです。
カメラとモニターは生きていますが、僕に付いて来た6機のレイヴァースも同様に動かなくなってしまいました。
そして攻撃を受け、次々に爆散・・・!
・・・ま、分かってたんですけどね。
あの宇宙チンカスが考えそうなことは調べるまでもなく(一応調べたけど)お見通しです。
止めの攻撃を行おうとしていたヴィザークどもですが、その時爆発と共に蒸発しました。
空からの攻撃です。
次いで天空を切り分け顕れた新たな6機のレイヴァース。
その1機の手から、脱出ポッドのような者がグラムフェンサーの目の前に投げ落とされました。
それは地上まで落下する寸前に停止、コクピット内によく知った声が流れ込みました。
『お待たせしましたマスター。多少予定変更はありましたが万事整いました』
「・・・遠慮なくイヤミ言うようになったなあ」
そして6機のレイヴァースが降り立ちました。
カオルコ達の機体に似ながら微妙に違うデザイン、それでいて従来を置き去りにする次元の違うレンフォスエネルギーを内包しているのが一目で分かります。
『まだパーティーは始まったばかりよ!』
爆散した方の機体に乗っていたのは、彼女たち本人ではありません。
分身です。
特訓のために、僕は6人全員をメイドロボのいる謎空間に送り込みました。
そして僕の魔法とレンフォスの融合技術により本人たちと意識がある程度つながった分身を作成、それで学生生活を送ってもらいつつ特別コースでメイドロボ鍛えてもらっていました。
それと並行して行っていたのが、真の専用機の作成です。
メイドロボの入ったコアを送り込んだ地下空間にあったのは、レイヴァースとも違う謎の人型機械でした。
多分後半の主人公専用機とかその辺でしょうね。
元の予定ではそれを僕専用の決戦兵器に改修するはずでしたが、そこを変更し未知の材質の機体を流用して彼女達の機体を一から作る事にしたんです。
そして今飛んできたのが、その新しいレイヴァースです。
で結局僕の分まで作るのには足りなかったんですが・・・問題はありません。
あ、モニターの中でエクスターの野郎が「何だと!?」とか驚いて変な目で見られてます。
でもざまぁにはまだ早いですよクソドハゲ。
ヅラ引ん剝くぞ。
強制ロックの掛かったグラムフェンサーのハッチ。
それを魔力を込めたパンチで叩き割り、僕は外に出ました。
手元にはメイドロボの入ったレンフォスクリスタルが吸い寄せられ、一度強く光るとそれは魔法の杖に変化していました。
という訳で、これからが異世界ファッキンチート魔法使いの本格出番です。




