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交渉

誠に大きく投稿期間が開いてしまい申しわかりませんでした。久しぶりの投稿となります。

 相手方は皆呆然とした顔つきで固まった。

(やはり、自己紹介をしなかったのはまずかったか…)

本来、このような場では相手が自己紹介をしてきた時点で。こちらも名を名乗るべきなのだろうに、私はとんでもないミスを犯し、かつこの世界においてある程度の力を持った国家の外交団を無碍に扱ったのである。これは、最悪の事態として国交断絶や、国家全会における制裁決議もあり得るし、この外交団内に相手方の王族やそれと同位の人間がいた場合、侮辱とみなされ宣戦される可能性もある。

(やっちまったぁ)

本当にやっちまったのである。

 張り付いた笑顔が、気を抜けばすぐにはがれてしまいそうなほど、焦り、私の手の中は現在汗に濡れ、手袋はしっとりと濡れていた…


―side外交団―

(今、目の前のこの人間は何を言った?)

頭の整理が追い付かない。何をやるべきなのかも一瞬頭から抜け落ち、今はただ、目の前の男に平伏していた。圧倒的に我々はこの国より劣っていることは道中見てきた。その国を作った男なのだ。そう、目の前の男が。

 私は、止まった頭を無理やり動かし、球体間接人形のようにぎこちなく謝罪を述べた。

「この度は、数々の無礼申し訳ございません。先ほどの申し出ですが、私の権限で貴国外交団の派遣を了承いたします。私の名前と血判、事に関す書をこしらえます故、この度の無礼、どうかお許し願えますでしょうか。」

 私はどうしようもないほど、「無能」をさらした。これまで、人間諸国に対し外交の席に座り戦っていた私は、この国の「武力」に負けたのだ。大した駆け引きもせず、譲歩に譲歩を重ねるまでもなく開ききった戸を見せつけ、呼び込んでしまっているのである。

(私の命も、これまでと考えよう。今ここで首を落とされるか、国に帰って貼り付けにされるかだ。外界のものを国内に呼び入れた「売国奴」に私はなり下がったのだから。)

 嫁に、娘に会いたい。なのに、国に帰ることを考えると喉が締め付けられるように息苦しくなるとはなんとも弱くなったものだ…


―side 秋津―

 今、目の前の巨漢は足を曲げ、私に頭を下げている。

(今何と言った?これは問題を起こすことなく、簡単に交渉につけるのでは…)

私は最高ににやけている。面倒なことが起こると思っていたのに、話は進み、相手が交渉の間もなく勝手にこちらの要件を飲んでくれたのだ。地獄に落ちたと思ったら目の前に女神さまが佇んでいるかのようだ。(まぁ、普通に見たことはあるのだが…)

 ともあれ、上手くここは事が運べそうだ。

「今言ったことは本当か?君は今、祖国を裏切る可能性のあることを全て自分の責任とまとめ承諾したんだぞ?」

そう、この行為はもしかすると国家反逆に問われる可能性もあるのだ。外敵を招き入れ、自国の文化、経済、政体を崩しかねないこの行為は相手の国王が相当なお人好しでない限り打ち首確定である。

 さて、返答は?

「はい、そのことに関してですが、今回の貴国の申し出は非常に我が国にとって有益であると判断いたしました。貴国の軍艦や飛竜?でしょうか…また、その他建築物や食品の状態など、すべてにおいて我が国を含め、世界で見たことはないものであり、わが国をより強国に押し上げる起動力になると考えております。それに、貴国は我が国に対し相互防衛の関係及び外交的友好を望んでいると拝見いたします。それに対し我が国も貴国に対し、一部技術の相互共有、貿易の独占化、大使館の設置などを要求します。安全保障を越えた軍事、経済、あらゆる面において対等な同盟こそ我が国、ひいては貴国の国富につながると思います。」


…なんとも驚いた。要求を鵜呑みしたと思ったら、明らかな実力差の見えるものに対して対等な関係を提案してきたのである。なんとも、腹のしれない大男といえよう。

 しかし、相手方の要求は我が国にとってもうれしいばかりだ。技術提供は各国のパワーバランスがあるため少々慎重に進める必要があるが、輸出などにおいて、わが国は外貨を稼がねばならない。自国内ですべて補うことも不可能ではないが、「野望」を遂行するには他国に対し、経済的優位を持たなければならないのだ。我が国の製品は機械製のもので大きさ、形などは洗練されたものであり、安価なものをこの世界における価値で売ってしまえばかなりの額を手に入れることができ、且つ獣国はその一部を独占し、市場を操作できるようになって互いにwinwinな関係を維持できるのである。

「いいでしょう。その話は我が国にとっても大きな利益になると確信いたしました。お帰りは我が国の艦艇がお送りいたします故、わが国の外交団もその旅路に邪魔をさせていただきたい。必ずや、両国の友好と国民の平和のために成功させましょう。貴官の働きかけに期待します。」



現在、ネット環境の悪い場所におり、投稿が難しくなっております。勝手に作品を投稿しておきながら、このような身勝手なこと誠に申し訳ありません。現在の状況から察していただく通り、投稿期間が開いてしまうことがありますが、何卒ご容赦ください。また、失踪に関してはする予定はありません故、続けて読んでいただけると幸いです。

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