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講話と契約

とりあえず、終結...

「やぁ、人間の者よ。私は南の龍、ノートスだ。よろしく頼む。」

 私は困惑している。

 先行させた部隊から、ドラゴンに完全に敵意がないことを確認して上陸した。そしたらこれだ。しかも、今この龍は『南の龍』といった。これは王国の資料にあったものだが、包囲を司る龍がいて、そいつらは四方位を守っているそうだ。古代龍や龍王種、四龍なんて呼ばれている。もちろんそいつら四龍は相当強い。(具体的に言うと、国が簡単に滅んだ記録があるらしい)

 ただ、もっと困惑しているのはその龍が人語を話しているからだ。

(おい、ルーよ、こんなこと聞いてなかったぞ...最初はただ下級ドラゴンがこの島にいただけで、そこまで大ごとになると思わなかったのに...)

動揺しながらこちらも自己紹介する。

「私はこの部隊の総司令、秋津 明人だ。古代よりこの地を守る龍に会えるとは光栄だ。」

ノートスさんは遠くを見ながら言う、

「ハッハッハ、『この地を守る』?私は君たちに負けたのだぞ?数年に一度はどこかの国が大艦隊を組んでやってくるが、私をここまでやったのは久しぶりだよ......   ボレア以来か?」

「それは申し訳ないことをした。私はここに国をつくりたいと考えている。我々としてはこれ以上あなたがこちらに攻撃しないと約束してくれれば嬉しい。」

「なるほど、それは事実上の降伏勧告か?まぁ、私は負けた身だ、いくつかやって欲しい事があるのだが、それさえやってくれれば私としては何でもしよう。もちろん潔く死ねというのならそれでもいいし、夜伽の相手となれというのなら喜んでやろう」

いや、そこまで言ってないんだが...それに夜伽とかどんな異種姦だよ、声も男のようだし、こんなんいやだ。

「いや、そういうことではない。私としては不可侵か協力関係を結んでくれればいい。条件といったが、それも実現可能な範囲で受けよう。」

ノートスさんが目を見開きながら驚いた顔で見てくる。まぁ、普通は負けたやつは絶対服従が基本だからな。「………本当にそれでいいのか?」

「ああ、私としてはあなたを殺すより、危険と認知されている君をこちらの陣営に引き込み、外交カードに使うほうがよっぽどいい。それより早くその条件とやらを教えてくれ。」

「あ、ああ。わかった。条件についてだが

 まず一つ目に、本来私が殺された場合、その殺したものが次の方位を司るものとなる。ただ、これは殺された場合、であって今回だと適用されないんだがな...

 そこで二つ目だ。私は、殺してくれないというのならあなたの勢力下へと入る。これによって、守護者の権限は私が持ったままとなり、私があなたにつくことで、実質的にあなたが南の守護者となる。ただ、実際は私が守護者となり続けるので、責任は一切そちらに向かないはずだ。

 そして三つ目だが、間接的にあなたが守護者となるので、南の防衛を一部負担してほしい。今、私は死にかけに近い...だから、私が回復するまではどうか頼みたい。身勝手だと思うが頼む。

 この南の島は大きな魔動脈がある。それを守るのが我々の仕事なのだが、実際あなた方は魔力を使っていなかった。空を飛ぶ鉄トンボもあの巨大すぎる鉄の船も、高速で飛んでくる火弾もだ。そして極めつけに、この中に魔力を感じるものはあなた以外いない、推測するに魔法が使えないのだろう?普通はありえないことだが...」

なるほど、魔力を使えないものがこの下にあるらしい魔動脈を持っていても意味がない。なら、そいつらをここに住ませたほうが安全、ということか。

「わかった。大筋その内容で合意しよう。こちらとしては、いくつかの土地を開拓したい。それについてはよろしいか?」

「ああ、アンデット種が湧くほど汚くしたりしなければ大丈夫だ。」

すると、今の内容をもとに山口君が契約書をつくってくれていたそうで、すぐ持ってきてくれた。

「これにサインしてもらう...積もりだったんだが、サインできるか?指印でもいいんだが...」

「大丈夫だ、待ってくれ」

そういうと、光とともにドラゴンが縮む。

はっ?


「この姿でよかろう。先ほどまで龍の威厳やらなんやらであの格好だったが、人と話すときはこっちのほうが良かろう。口調も畏まったのよりこっちのほうが楽だ。どうだ?まだ若いだろ?」


は?普通ここで来るのはお姉さん系美女だったり、強い武人系美女が来るはずだ...

しかし来たのは

「...おばあさん?」

...おばあさんだったのである。期待が裏切られたどころか、とんでもない方向に行って逆に面白いほどだ。(せめて、声と同じようなダンディなおじさんのほうがイメージついたかもしれないのに...)

「なんじゃいその目は。これでも子持ちのピッチピチのおばあちゃんだぞ、そんなことより早よせい」

あぁ、まだ混乱している。とりあえず、これだけ書いてもらおう...

このばあさんは重要人物です。

ついでに言うと、この話の中に出てくる名前のまだ出ていない子がもっと重要になります。

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