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第2話

最初の町に到着です。

「あれ?神様?」

周りを見回すと、草原がどこまでも続いている。

いや、町らしきものがひとつあった。

「マジか。もう放り出されたのかよ。どうするかな。」

とりあえず自分の服装を確認してみる。

麻だろうか、作りは雑だがしっかりとした黄土色のシャツに同じ材質の紺のズボン。

足元は草履のようなものを履いていた。

ズボンの後ろにポケットが付いているのに気づいたので、中を確かめてみる。

「メモみたいだな。なになに…」

『プレイヤーに定型文を語りかけるだけの簡単なお仕事です。

 なお、定型文は対象の人物の目の前に立つと表示されます。

 他の時間は自由にしてかまいません。

 拠点も自由に決めてもらってかまいません。

 ただし、生き延びること。

 死亡した際の補償はありませんので注意してください。』

「どーゆう仕事だ?プレイヤー?ハハッ、ゲームみたいな話だな。

 とすると俺は村人Aみたいな感じか?」

考えてみるが、いかんせん情報が少なすぎる。

先ほど見回した際に見かけた町へと向かってみることにした。


「しかし、何も無いな。異世界って言うよりどこかの田舎に来たみたいだ。」

雄大な草原に心地よい風が吹いている。

天気も良い。

「昼寝には最高の場所だな。」

そんな事を考えながら歩いていると、牛を放牧している一人の青年を見かけた。

「話しかけてみるか。あのー、すいません。」

牛の様子を見ていた青年が振り返った。

「はい、なんでしょうか?」

青年は金髪で青い目、そばかすのある人の良さそうな顔をしている。

白いシャツに紺色のオーバーオールという格好だ。

とりあえず現在地を聞いてみた。

「ここはなんと言う場所ですか?」

「あぁ、ここは初期の平原と呼ばれています。」

「初期の平原?」

「えぇ、神様から連れてこられた方が最初に訪れる場所と言われています。

 見たところあなたもそうみたいですね。」

「わかるんですか?」

「こんな辺鄙なところを着の身着のままで旅する人はいませんから。」

「まぁ、そうですよね。」

「それに、けっこう多いんですよ?半年に1人くらいですかね。」

「そうなんですか。」

確認できたことを頭の中で整理していると、青年は思い出したようにしゃべり掛ける。

「申し遅れました、僕はジャック。牛飼いをしています。」

「あ、俺は藤堂武士って言います。」

「トウドウがファーストネームですか?」

「いえ、タケシの方です。」

「あぁ、タケシ=トウドウですね。

 ではタケシ、このまま真っ直ぐ行くとプロトの町に着きます。

 門番に異界から来た者だと告げれば詳しく説明してくれるはずです。

 僕はまだ仕事中ですので。」

「あ、ありがとうございます。」

ジャックにお礼を言って、その場を離れた。

町に向かってしばらく歩くと門番が立っているのが見えた。

それほど高くない塀の真ん中に位置する簡素な門の左右に屈強な男が二人。

そのうち一人がこちらに気づいて軽く手を上げた。

「よう、ここはプロトの町だ。通行証はあるかい?」

そう言って男は豪快な笑顔を見せた。

「いえ、通行証は無いんです。異界から来たもので。」

ジャックに言われたとおり、異界からだと説明する。

「おぉ、異界からの人かい。じゃあ仮の通行証だな。」

門番の男は腰につけた袋から木の板を取り出した。

「これが仮通行証だ。身分の保証もするから無くすなよ?」

仮通行証を受け取って、ズボンのポケットに入れる。

「とりあえず中に入ったら冒険者ギルドに行く事をオススメするぜ。

 冒険者に登録すれば、身分の保証もしてもらえるし、

 仕事や宿の手配もしてもらえるからな。」

どうやら冒険者になるのが定番らしい。

とりあえず次の目的地は冒険者ギルドか。

「冒険者ギルドは大通り沿いの剣と盾の合わさった看板が目印だ。

 他にも道具屋は皮袋の看板、武器屋は剣、防具屋は鎧、宿屋は食堂と兼用で肉、

 酒場はジョッキ、あとは…まぁおいおいってとこだな。

 不慣れで苦労するだろうが、頑張れよ。」

「ありがとうございます。」

お礼を言って門を抜けた。

町の中はのどかな田舎町という雰囲気ながら活気付いている。

ここで生活していくのかと不安を感じながらも一歩踏み出した。







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