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ネオニートの日常は魔科不思議。  作者: 如月奏
第一章 エルフが転移してきた。なので土台を固めようと思う。
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第六話 痛いエルフの服問題

遅れてすいません。モチベーションが中々上がらず⋯⋯


 次の日。

 朝か昼か微妙な時間帯。

 煌夜の部屋で、煌夜、ネタル、アリシアの三人で話し合いが行われていた⋯⋯。


「成る程⋯⋯つまりあいつら四人を市役所に連れて行きゃあいいんだな?」


「大雑把に言えばそうだね。住所は⋯⋯煌夜のマンションでいいかな」


 「オッケー」


 市役所か⋯⋯面倒だが、ちゃっちゃと行って早く終わらせてしまおう。

 「それじゃあ行くぞ」と煌夜は椅子から立ち上がったが、ネタルからごもっともな意見が出た。


「早めに行かないといけないないのは分かるけど、アリシア達の服はどうするの?四人の着てる服はかなり目立つと思うんだけど⋯⋯」


 煌夜はそう言われて四人の服装を思い出した。

 全員が革でできた防具を胸と関節に着け、マントを羽織っている。

 確かにこれで行くのはマズイかもしれないな⋯⋯。完全に痛い人に見える。もしかしたらコスプレイヤーと思われるかもしれんが。

 どうするべきか⋯⋯。

 ーーいいこと思いついた。


「ネタルのとこの(あね)さん呼べよ。女性物の服、どんなのがいいか知ってるんじゃないか?」


「ええ⋯⋯芽依姉(メイねぇ)呼ぶの?」


 ネタルは嫌そうに顔を逸らし、ため息をついた。


「だってさ⋯⋯あの人カツアゲしてくるんだよ?」


「いいだろ別に、お前だけだし。じゃあ呼ぶぞ?」


 煌夜はスマホの電話帳から『姉さん』をタップし、電話をかけた。ネタルはと言うと、もう諦めてカーペットに寝転がっている。


「ネタ⋯⋯ワタルさん。ワタルさんのお姉さんってどんな人?」


「そうだね⋯⋯あっ、別に『さん』とかつけなくていいよ?」


 ネタルはそう言った後、軽くため息をついて話し始めた。


「まあ、頼りになるって言ったらなるんだけど⋯⋯振り回された挙句にカツアゲされたりするしね⋯⋯」


「そうなんだ。でも、頼りになるんだったらいいお姉さんだと思うよ?」


 だが、ネタルは結構否定している。アリシアは、首を傾げて「お姉さんっていいと思うけどなぁ」と呟いていた。

 しばらく雑談していると、『ピンポーン』とインターホンが鳴ったので、アリシアが玄関へ向かった。


「よー煌夜。久しぶりー⋯⋯って部屋間違えたか?」


 Tシャツに短パンと、かなりラフな格好をした女性が来たが、煌夜には無縁だろう人物(かなり痛い格好)がいたので少し戸惑っている。アリシアは、ここで間違いないと言って彼女を部屋に入れた。


「おぉ、煌夜いたのか。女に無縁のお前の部屋にこんなヤツがいるなんてな。一瞬、部屋間違えたかと思ったぞ」


 なんて失礼な。

 ⋯⋯まあいい。今回はこっちが頼みごとをしてるんだからな。


「ところで⋯⋯いたいた、おい(ワタル)。三万貸してくれ。今金欠なんだよ」


「やっぱりそう来たよ⋯⋯」


 ネタルは三万を渋々渡した。彼はため息をつくと、つまらなさそうな顔で机にあったペンを器用に回し始めた。

 

「ああ、この人が姉さん⋯⋯じゃなくて芽依だ」


「よろしくぅ。てか、姉さんって言うなよな⋯⋯」


 芽依は苦笑いしながら『姉さん』を否定する。


「アリシアです。メイさん、よろしくです」


「いーよそんなにかしこまらなくて」


 芽依はネタルからカツア⋯⋯借りた三万を団扇がわりにしながら上機嫌に挨拶した。


「えーと?それで要件はなんなんだ?いきなり電話で『いますぐ来て欲しい、ネタルから三万取っていいから』って言われたから来たんだが⋯⋯」


 それを聞いてネタルがキレた。


「なんで僕の金なんだよ!?煌夜が渡せばいいじゃん!!」


「まぁまぁ」


 悪いなネタル。目的の為なら犠牲も必要なのだ。諦めてくれ。


「話を戻そう。実は⋯⋯」



 青年説明中⋯⋯



「ふん、何バカなこと言ってんだ煌夜。ラノベの読みすぎじゃねぇのか?」



 青年ら公園に移動中⋯⋯ 



風刃(ウィンドナイフ)


 木の枝だったもの「」


「マジか⋯⋯」


「ほら、これで信じてくれるか?」


 煌夜は少し自慢げに聞いた。芽依は、とりあえずそういうことにしておくとでも言うように、ため息をついた。


「それはそうとアリシアとロアの服を選んで欲しいんだ。俺らはダイアーとアンヘルの服を選ぶからさ」


「はいはいわかったよ。とりま疲れたから部屋に戻そう」


「へいへい」


 四人は一旦煌夜の部屋に戻り、ロアとダイアー、アンヘルを呼んだ。


「これからこの世界に合う服装をしてもらう為、服屋に行く。男どもは俺とネタル、女子達は姉さんと一緒に行ってくれ」


 煌夜はそう指示して、鞄を持ち、部屋着から着替えた。その後、二手に分かれて服屋に向かった。

 服屋か⋯⋯行くのは久しぶりだ。最近はネットで買ってばかりだったからな。ちゃっと行ってちゃっと帰った方が、ネットで買うより手に入るのが早い。とりあえず、この二人に似合うような服を選ばねぇとな。

 それより⋯⋯用事があるから帰るって⋯⋯ネタルの野郎、覚えてやがれ。


「ところでこの世界の服を売ってる店はどこにあるんですか?」


 痛い格好ではなく、煌夜の部屋にあったネタルのものを着たアンヘルが聞いた。


「確か⋯⋯駅を三つばかり乗ったところにあったような気がするな」


「そんな状態で遭難したりしたりしないだろうな?」


 煌夜の服を着たダイアーが苦笑いしながら聞いてきた。


「遭難はしないね。多分」


 遭難って⋯⋯。

 森の中じゃあるまいし。だが、コンクリートジャングルとか言ったりするな。遭難って言葉も、もしかしたらあっているのかもしれない。

 そんなことより、服屋はどこがいいだろうか?

 ⋯⋯ウニクロとかでいいか。どうせ男だからそこまでいいやつにしなくてもいいだろ。

 場所が分からないが。


「その⋯⋯場所は分かったのですか?」


 アンヘルが不安そうに煌夜に聞くが、煌夜はきっぱりと言った


「さっぱり分からん。なにせここ半年間、ネットだけで買い物をしていたからな。初めて行く場所など、見当もつかない。」


「ネットと言うのは確か⋯⋯あの四角い機械でできる機能のことですよね?いや、それよりどうするんですか?場所分かるんですか?」


 確か何かあったような⋯⋯。

 煌夜はしばらく考えると、何かを思いつき、スマホを取り出した。

 こういう時は⋯⋯


「ガーグルマップだ」


「ガーグルマップ?」


「なんだそれは」


 二人はリズム良く質問した。


「これはな⋯⋯行きたい場所を検索すると、目的地までの道のりを教えてくれるんだ」


「なるほどな。俺らにも地図の魔法があった気がするが、あれは行ったことのある場所を記憶しておく必要があるからな」


「ホント、便利なものが多い世界ですよね」


 二人は腕を組んで頷き、ガーグルマップを覗き込む。煌夜は、少し邪魔だと顔をどかした後、一番近いウニクロを検索した。すると、二駅先にあると表示されたので、煌夜達は駅に向かった。


「さて、こっちだこっち」


 煌夜は、交通系カードをピッとかざして、二人を呼んだ。しかし⋯⋯


「どうなってるんですかこれ!?なんか閉じちゃってそっちに行けませんよー!!」


 あーそうだった。この二人は切符買わないとな⋯⋯。

 二人に切符の買い方を教えるため、煌夜は二人の所へ戻った。

 料金を余計に払わなくてはならなくなったので、損した気分になった煌夜だった。




お読みいただきありがとうございました!!

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