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プロローグ
薄いレースカーテンが揺れる。
キィ...キィ...キィ...
木製の家のある一室の中心にはロッキングチェア、そしてその部屋のすみにはパソコンが置かれている。
キィ...キィ...キィ...
パソコンは機械音を鳴らしながら動いている
パソコンの周りには様々な機械が繋がれ、おおよそ何に使われるものか想像もつかない
『やっと、始まる...か』
ギィ....
今までロッキングチェアに揺られていた老人は億劫そうに立ち上がりパソコンのキーボードを老人と思えぬ程の手つきで操作し、ある画面で手を止めた
『頼むぞ』
老人はふらつきながら再びロッキングチェアにもたれかかりつらそうに目を閉じる
『すまない...すまない。』
インストール終了しました。
パソコンの画面に紡がれた言葉に、老人はただ、謝り続けた