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日露朝首脳会談

2020年夏季オリンピック・パラリンピック開催地が見事に決りました。大方の予想通りの結果でしたが、これ以上の喜びはありません。祖国でオリンピック・パラリンピックが開催される。この興奮はまさに歴史的であります。





2013年9月20日午前9時

ロシア連邦ウラジオストク


ここで歴史的な首脳会談が開かれようとしていた。日本の伊部総理、ロシア連邦のプーロン大統領、そして朝鮮共和国の金世遠(キムジョウオン)第1書記が集結していた。朝鮮共和国は伊部総理の記者会見以来、伊部総理と日本をひたすら称讃し続けた。朝鮮共和国の国内経済は完全に壊滅しており、その立て直しと経済発展は急務であった。経済の立て直しと言えば日本のスワップ協定破棄により経済が壊滅した南朝鮮であるが、南朝鮮は何と中国への全面的経済援助を受ける事になった。南朝鮮は中国との経済交流を更に深める事となり、人民元をウォンの変わりに通貨とする案も出ている程である。南朝鮮はなりふり構わず経済の立て直しを進めようとしているのである。

話を戻す。

朝鮮共和国への経済援助はロシア連邦にも言える話であった。今回の三ヶ国首脳会談は日本によるロシア連邦と朝鮮共和国への経済援助・朝鮮共和国による日本への拉致問題解決案の提示、これが大きな議案であった。




「それでは三ヶ国首脳会談を始めます。」


便宜上議長役を務める事となった伊部総理の言葉に、日露朝首脳会談が始まった。

歴史的な首脳会談の為、世界各国からマスコミが集まっていた。今回はあえて世界中への公開首脳会談となり、全てのマスコミは生中継を行った。


「開催に先立ち、プーロン大統領が一言宣言をなさりたいと、仰っていましたのでどうぞ。」

「ありがとうございます、伊部総理。それでは私より宣言致します。我がロシア連邦は上海協力機構からの正式脱退を宣言致します。」


プーロン大統領の言葉に、会場が騒ついた。伊部総理と金第1書記も驚いている。プーロン大統領は更に続けた。


「私はこれ以上の中国との付き合いを抑止したいと思います。南朝鮮を助け、過激な軍拡を続ける中国を私は許しません。我がロシア連邦は上海協力機構を脱退します。そして日本と朝鮮共和国、更に東南亜細亜諸国に対して『日本海条約機構(JSTO)』の設立・加盟を求めます。」


プーロン大統領の宣言に会場は更に一段と騒ついた。上海協力機構を脱退する事にも驚きだが、新たな多国間同盟の設立を呼び掛けたのである。伊部総理と金第1書記の驚きは大きい。


「JSTOの設立は必ずや極東に平和と安定をもたらします。中国の軍拡は止まる事を知らず、進み続けています。今こそ我々が手を取り合い、一致団結してこの難局を乗り越えないといけないのです。」


プーロン大統領の言葉に、中国や南朝鮮そしてアメリカ合衆国のマスコミ関係者以外は、盛大な拍手を送った。中国や南朝鮮にしてみれば名指しで批判され、面白くも何とも無い。アメリカにしてみれば日本がアメリカから離れる事を危惧し、更に東南亜細亜が対中国を旗印にして一致団結する事を恐れたのである。

このプーロン大統領の言葉に伊部総理は満面の笑みを浮かべながら口を開いた。



「私はプーロン大統領の宣言に全面的に賛成致します。JSTOの設立は必ずや極東の平和と安定をもたらします。そして私からも世界中に向けて1つ宣言致します。我が内閣は第5次防衛力整備計画を国会に提出します。」


伊部総理の発言は特に中国と南朝鮮のマスコミを驚かせた。


「第5次防衛力整備計画では海兵隊の創設、巡航ミサイルの配備、航空母艦の建造、新型国産戦闘機の開発等を予定しています。更に集団的自衛権行使を可能とする新法整備も進めます。」



更なる発言に会場は大きく騒ついた。

中国の記者に至っては「軍国主義の復活だ!!」と叫んだ。それを伊部総理は手で制し、再び話し始めた。


「中国の記者が軍国主義と言われましたが、中国も空母を保有しようとしています。比例の原則に則り、私は空母保有を明言します。空母は侵略兵器と仰いますが、私はそうは思いません。尖閣諸島沖に浮かべていれば、何処かの国の海軍は手を出せないでしょう。」



伊部総理の言葉に、中国の記者は黙るしかなかった。次に口を開いたのは、金第1書記であった。


「伊部総理とプーロン大統領に続き、我が共和国も宣言します。私は日本を含め拉致被害者を全て帰国させる事を宣言します。」


会場は例によって騒ついた。


「更に私は父と祖父との決別を決意し、民主化・自由経済資本主義を取り入れ、共和国の近代化を推進します。」


この金第1書記の発言に中国のマスコミ関係者以外は、盛大な拍手を送った。

この発言は朝鮮共和国の新時代を切り開く物であり、極東から独裁国家が1つ消える切っ掛けになるのである。


「それでは各宣言が出た所で、議論に入りたいと思います。」


伊部総理の言葉に首脳会談が始まった。









午後3時


6時間に及ぶ議論は、数々の結果を残した。

まずは日本による支援である。日本はロシア連邦に対して今後5年間で1000億円をシベリア開発と北方領土からのロシア連邦民移転の為に、朝鮮共和国に対して今後5年間で1500億円を民主化と自由経済化の為にそれぞれ支援する。ロシア連邦は朝鮮共和国に対して自由経済化の為に今後10年間で800億円を支援する。

朝鮮共和国は全ての拉致被害者を帰国させる。民主化と自由経済化の為に日本とロシア連邦から顧問団を受け入れる。

日露朝三ヶ国はJSTO設立に向けて協議を重ね、2015年を目処に創設を目指す。

以上となった。

この日露朝首脳会談により、世界の流れは大きく変わろうとしていた。





伊部総理が第5次防衛力整備計画を宣言したので、22DDHはやはりヘリコプター搭載護衛艦にします。未来に正規空母が配備される訳ですから。




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