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G20日露首脳会談

アメリカのオバマ大統領が軍事介入を議会承認の後にした為、この小説がまたしても道を反らしてしまいました。

まあブッシュ大統領の二の舞にはなりたくない気持ちは分かります。





ただ2020年夏季オリンピック・パラリンピックは東京で決まりでしょう。

2013年9月5日午後3時

ロシア連邦サンクトペテルブルクG20会場


午前中をG20総会に費やした為、午後から首脳会談が行われていた。注目されたのは米露首脳会談で、シリア情勢について深く話し合われた。現在のシリア情勢は米仏を中心とした多国籍軍が継続してシリアを攻撃している。イギリスは3日にキャロン首相が軍の引き揚げを決定し、イギリス軍は1日の軍事介入で引き揚げた。しかし米仏は引き続き巡航ミサイルによる攻撃を続けており、更には米仏の原子力空母がシリア攻撃部隊に合流した。

米露首脳会談は意外にアメリカ合衆国の強い意向で行われた。しかし結局は米露首脳会談は平行線に終わった。アメリカ合衆国はシリアへの軍事介入の正当性を、ロシア連邦はシリアへの軍事介入の不当性を、それぞれ言い合っただけであった。






「プーロン大統領、本日は両国の発展に帰する会談を開いて頂き、誠にありがとうございます。」

「こちらこそ、伊部総理の先日の記者会見は非常に私も両国の発展を進める物だと、確信致しました。」


伊部総理とプーロン大統領の日露首脳会談は、和やかに始まった。


「先日の伊部総理の宣言は非常に驚きました。まずは消費税率引き上げ凍結による海洋資源開発です。中国は尖閣諸島の開発に外務省が早速抗議していますね。」

「はい。しかし私は開発を進めます。尖閣諸島は我が祖国の領土であります。中国に文句を言われる筋合いはありません。残念ながらアメリカのオグマ大統領は懸念を表明しましたが、私はそれでも引きません。場合によれば第二護衛隊群の派遣も考えます。」

「分かりました。私は日本の尖閣諸島開発は当然であり、自国領を開発して当たり前と言いましょう。」

「ありがとうございます。プーロン大統領にそう言って頂けると心強いです。」「いえ、とんでもないです。しかし韓国を見捨てるとは凄まじい決断ですね。韓国は経済が完全に崩壊しましたが。」

「はい、南朝鮮を私は見捨てました。プーロン大統領にその事は是非とも理解して頂きたいです。南朝鮮は我が国が居てこそ、経済を発展出来たのです。南朝鮮の企業は我が国の企業から部品を輸入して組み立てて輸出していたのです。そんな国は知った事では無いです。」

「確かに韓国、いえ伊部総理の話では南朝鮮ですが、南朝鮮は確かにそのウォン安誘導により我が国経済の脅威でした。もしかすると伊部総理の言う通り、朝鮮共和国の方が扱いやすいかも知れません。」


プーロン大統領はそういうと大きく頷いた。

なお、シリア情勢については、2人は触れない事にしている。


「はい。朝鮮共和国を私は朝鮮半島に於ける唯一の正統政府としました。この決定には連立政権を組む、光明党が反対していますが説得を続けます。」

「光明党は確かに伊部総理の記者会見の直後に、山田代表が南朝鮮を見捨てる事に反対すると言っていましたね。」

「中国と同じ様な声明を出したので、何処の国の政党か疑いたくなりましたよ。あっ!!これは、聞かなかった事に……」

「ハハハ、分かりました。」


プーロン大統領が笑いながら答えてくれた為、伊部総理は安堵の表情を浮かべた。

光明党にしても伊部総理の宣言には一部異論があるが、連立政権を組んでおり政権与党の座を放り投げてまで、反対する事には至っていない。


「そして伊部総理の宣言は第二次樺太千島交換条約と、日露平和条約締結に入りますね。」

「はい、私は日本とロシアが共に手を取り合い発展する事を強く望みます。そこで現在の北方領土問題を解決し、日露平和条約を締結する事で経済交流を更に深めればと思います。」

「伊部総理の記者会見では樺太全土が我が領土になり、北方四島と千島列島が日本領となり、北方四島と千島列島からの住民の移転費用を負担して頂き、更に樺太とシベリアの資源開発にも援助して頂けると仰っていましたが?」

「勿論です。北方四島と千島列島の返還が叶うのであれば、我が祖国は移転費用と資源開発援助を喜んで提供致します。それが必ずや両国の発展に帰すると、確信しています。」

「確かに我が国は千島列島と北方四島を失いますが、樺太全土と樺太・シベリアの資源開発援助となれば、失う物より得るものは大ですね。」


プーロン大統領はそう言うと考える為か、黙り込んでしまった。伊部総理も答えを聞く為に、黙った。

暫くの沈黙の後に、プーロン大統領が口を開いた。


「分かりました、伊部総理。我がロシア連邦は伊部総理の提案を全面的に受け入れます。議会に提案するまでもありません。お互いに議会へは事後承諾にしてもらい、明日第二次樺太千島交換条約と日露平和条約を締結致しましょう。」

「!?分かりました、プーロン大統領。本当にありがとうございます。」


伊部総理はそう言うと立ち上がり、手を差し出した。プーロン大統領はその手をしっかりと握り返し、2人は固い握手を交わした。







翌9月6日午前9時に伊部総理とプーロン大統領はG20の最後の総会が始まる前に、第二次樺太千島交換条約と日露平和条約を調印し締結した。この締結により日露の国境線が確定。樺太全土はロシア連邦領となり、千島列島と北方四島は日本領となった。

この締結後の共同記者会見で、プーロン大統領は日本の尖閣諸島開発に口出しする中国を名指しで非難した。プーロン大統領は更にロシア連邦でも韓国を南朝鮮と正式に呼ぶと発表。ロシア連邦は伊部総理の決断を全面的に支持すると宣言したのである。

G20はその後の総会で、日本と中国が全く言葉を交わさない事態となり、結局日中首脳会談が行われなかったが無事にG20は共同声明を発表し、記念撮影を行って閉幕した。

そして伊部総理は2020年夏季オリンピック・パラリンピック開催地決定のIOC総会が開かれる、ブエノスアイレスへ向けて飛び立った。






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