表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/12

伊部総理記者会見

この小説は空母大和2010みたいに、秘密兵器は出て来ません。

純粋に自衛隊が竹島を奪還します。



ついこの前進水した『22DDHいずも』が実は……って言うのはあるかも知れません。



(注)8月29日午後10時21分本文一部修正

G20を忘れていた為、記者会見を9月3日に変更。後半のロシア連邦政府の反応も修正しました。

2013年9月3日午前10時

日本首都東京霞ヶ関首相官邸1階記者会見場


この日、伊部総理は緊急の記者会見を行うと発表していた。先月31日まで行われた集中点検会合に於いて60人から意見聴取を行ったが、その結果を受けての増税判断を発表する物だと記事連中は思っていた。しかし現実は違った。






「これより伊部総理の緊急記者会見を行います。」


秘書官の言葉に伊部総理は登壇し、国旗に一礼するとマイクの前に立った。

日本放送協会を筆頭に民放各局も臨時中継を行っていた。


「本日は緊急の記者会見にも関わらず、記者の皆さんには集まって頂きありがとうございます。私は今から国民の皆様に5つの重要な事をお伝えします。まず1つ目です。先月に行った消費税に関する集中点検会合の最終報告を踏まえ、私は消費税率引き上げの凍結を決定致しました。」


伊部総理の言葉に記者会見場は一瞬騒ついた。しかし伊部総理は話を続けた。


「消費税率を引き上げる事があたかも国際公約のような雰囲気がありましたが、イベノミクスは正直に言って実体経済を回復させた訳ではありませんでした。資産経済は投資の活性化により回復し、日経平均株価も大きく回復しました。しかし実体経済の回復にはまだ時間が掛かります。そんな時に消費税率を引き上げるとかつての橋元竜太郎総理の二の舞になります。そうなら無い為にも、私は消費税率の引き上げ凍結を決定致しました。そしてその消費税率引き上げ凍結により財政健全化が遅れるとのご指摘に対して私は、2つ目の発表としてメタンハイドレートを始めとする海洋資源の採掘を正式決定致しました。2018年度に採算化技術を整備するとしていましたが、それを前倒しし採算化技術と採掘を同時進行させます。メタンハイドレートは分解するとメタンガスが発生し、日本周辺に天然ガスの国内消費量の約100年分があるとされます。もしかするとそれ以上の物があるかも知れません。更に新潟県佐渡沖約30キロの海底約2700メートルに国内最大級の油田が見つかっています。こちらは既にある技術で生産が可能で中東の中規模油田に匹敵するか、それ以上の油田に匹敵すると見ています。此れに加え沖縄や伊豆・小笠原諸島周辺にある海底熱水鉱床の採掘を進めます。海底から噴出する熱水に含まれる金や銀、銅、亜鉛が沈殿して形成され、近海全体で5000万トンと推定されます。日本の最東端南鳥島周辺の海底にはレアアースが国内消費量の200年分以上存在します。そして尖閣諸島沖の海底油田です。私は此等の海洋資源採掘を加速させます。尖閣諸島は我が国固有の領土です。自分の国の資源を採掘する事に文句を言うのは、明らかな内政干渉です。中国は黙って頂きたい。

話を戻します。3つ目のお知らせは原子力発電所の早期再稼働を宣言致します。原発の停止により火力発電や自然エネルギー発電が全力で稼働しています。しかし原発に比べて同じ電力を発電する為の資源量が大きく違います。その為に火力発電の資源として石油や天然ガス等を輸入していますが、輸入価格が高く国富が海外に大量に流出しています。そしてそれは皆様の電気代に影響するのです。現在も続く米英を中心とした多国籍軍によるシリア攻撃により、原油価格はまたしても跳ね上がりました。その現状を受け私は原発再稼働を決断致しました。もちろん第2の福島事故を起こさない為にも将来的な原発廃止は私も決めています。この廃止は先程の海洋資源の生産が安定軌道に乗り国内需要を満たせれば原発廃止を決定します。それまで電気代を上げない為、国富が海外に流出しない為に原発を再稼働させます。皆様にはご心配をおかけしますが、数年のご辛抱です。数年後には海洋資源は安定生産され原発は廃止されます。火力発電や自然エネルギー発電を中心と致します。更に原子力発電に変わる安全・大規模電力・自然に優しい新型発電を確立させます。この決断に皆様が賛同されますよう、お願い致します。

続いて4つ目のお知らせは、日韓スワップ協定の破棄を宣言致します。日韓スワップ協定は単純に日本による韓国への信用補強であります。韓国はこの協定により国際金融市場で交換性に乏しいウォンによって国際通貨であるドルや円を調達出来るのです。我が国が韓国を助けているのです。此れにより韓国政府はウォン安を誘導し、我が国の企業より海外市場で大きく利益を上げているのです。たかだか東京都と同じくらいのGDPの国を助ける必要はありません。しかも我が国の固有の領土である竹島を占領しています。私は此処に宣言致します。竹島を占領する韓国政府に対して日韓スワップ協定の破棄と、全進出企業の引き揚げ。国際便の廃止、韓国への旅行禁止、大使館・領事館の総引き揚げを決定致しました。そして我が国は朝鮮民主主義人民共和国を朝鮮半島に於ける唯一の正統政府と認め、大使館・領事館の設置と国交正常化を進めます。」


この伊部総理の言葉に記者会見場は騒然とし、記者達は質問をぶつけた。しかし伊部総理はそれを手で制し、再び話し始めた。


「もちろん拉致問題や核兵器・ミサイルについては話し合いを続けます。ですが拉致問題さえ解決すれば経済援助を進めます、それにより核兵器・ミサイルは時間を掛けて解決したいと思います。今は拉致問題を解決し朝鮮民主主義人民共和国の国民に安心した生活を提供出来るようにしたいのです。この決定により今後我が政府は北朝鮮を朝鮮民主主義人民共和国と。韓国を南朝鮮と呼びます。マスコミや教育機関もこう呼んで頂けるようにお願い致します。

最後のお知らせは、ロシア連邦政府に対して『第二次樺太千島交換条約』と『日露平和条約』の締結を求めます。南樺太と千島列島は我が祖国の旧体制である大日本帝國時代からの領土でありました。しかし旧ソ連が南樺太と千島列島を占領しました、その後サンフランシスコ講和条約に於いて南樺太と千島列島の領有権は放棄しました。しかし旧ソ連はサンフランシスコ講和条約に調印しておらず、サンフランシスコ講和条約で南樺太及び千島列島の最終的な帰属は将来の国際的解決手段に委ねられるとしておりました。此れにより国際法的には南樺太と千島列島は帰属未定地となっているのです。そこで私はロシア連邦政府に樺太千島交換条約締結を呼び掛けます。樺太は全てロシア連邦領とし千島列島・北方領土を日本領とするのです。千島列島・北方領土からのロシアの人々の移転費用は我が祖国が負担致します。樺太の資源開発やシベリア開発についても我が国が協力します。そしてそれを受け日露平和条約を締結し、日本とロシアが末長く良き隣人であれるようにしたいのです。

私の発表は以上です。ありがとうございました。」


伊部総理はそい言うと記者会見場を出ていってしまった。残された記者達はその事を避難するよりも、この重大な情報を早く報じる事に慌てたのである。






午後12時

世界各地


世界中で伊部総理の『5ヶ条の宣言』が報じられていた。

日本の国内に影響する3ヶ条、消費税・海洋資源・原発については世界各国は良好に迎えた。消費税率引き上げの凍結により株価は一時値下がりし、国債の金利も上昇したが海洋資源開発が本格する事から、関連企業の株価が上昇。それにより再び全銘柄が変われ、株価は全般的に僅かに上昇した。原発への対応も伊部総理が明確に宣言した事から、数年の辛抱とし電力各社は再稼働へ向けて動き始めた。

伊部総理の5ヶ条の宣言はまだある。日韓スワップ協定の破棄は、南朝鮮の経済を完全崩壊させた。南朝鮮はスワップ協定により通貨安定と物価安定を成し遂げ、外貨建て債権の返済負担軽減を享受していた。更に急激なウォン高による民間融資債権のデフォルトを防ぎ、国際金融市場で交換性に乏しいウォンによって国際通貨であるドルや円を調達出来るのである。このようにスワップ協定は南朝鮮にとっては利点が多いが、日本は南朝鮮に利用されているだけである。

スワップ協定の破棄だけで無く、大使館・領事館も総引き揚げとなり伊部総理はNAL(日本航空)とZNA(全日空)に南朝鮮向けの国際線廃止を要請し、進出企業に対しても総引き揚げを経済産業省を通じて命じた。それら引き揚げ企業は中国では無く東南亜細亜諸国への進出を要請した。中国の進出企業に対しても伊部総理は経済産業省を通じて総引き揚げを命じており、反日国家からの脱出を開始していた。

ロシア連邦政府はこの伊部総理の要請を受け、早速外務大臣が反応した。早期の締結は難しいが十分に対応出来る話、と語り日露首脳会談を外務大臣は日本に要請した。これを日本も受け入れ明後日からのG20での首脳会談が決定した。

忘れてはならないのが朝鮮民主主義人民共和国(以後略称として朝鮮共和国と表記)である。朝鮮共和国は伊部総理の宣言を受け朝鮮中央テレビを通じて声明を発表した。

声明は伊部総理と日本の英断を賞賛する物であった。朝鮮共和国は中国に半分見捨てられていた為に、日本の決断に最大級の謝辞を送った。その上で『拉致』と朝鮮共和国は明言し、その解決に協力すると宣言した。そして朝鮮共和国も首脳会談を要請したのである。





世界は伊部総理の5ヶ条の宣言により大きく変わろうとしていた。





次回は思い付かなければ首脳会談です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ