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第16話 苦手なもの

 天候に恵まれたこともあり、旅程は順調に消化されていった。

 時折現れる魔物も護衛が大事無く片付け、いたって平穏な旅だった。ミラがアレン達5人としか話そうとしない――それでも必要最低限のことしか喋らないが――ことにもギルバルトは動じずにこにこしており、ミラを大いに辟易させた。

 快速で進む馬車は翌日の昼頃には大きな街道に出て、行き交う馬車や旅人の群に道を譲られつつ遠くに小さく見えるボルドルを目指した。


 それから約1時間後、一行は東門へと到着した。南門の方が近いのだが、ミラの希望する寄り道には、こちらから入った方が楽だったからだ。

 門を通過する際に、門番が領主の息子の馬車には不釣り合いな黒ずくめの人間を気にしたようだったが、ギルバルトに客人だと言われ、首を傾げながらもそのまま通行を許可した。

 『商人通り』とは対照的な、人出はあるのにどこか落ち着いた雰囲気の『職人通り』をゆっくりとした速度で進み、城に大分近づいた頃、馬車は道の脇に停車した。


「ん、着いたようだね」

「……お手間をとらせてしまい、申し訳ありません」


 ギルバルトの科白に反応して、視線をきちんとそちらに向けてから、ミラが頭を下げた。今まで無視しまくっていたのが嘘のようだ。

 ギルバルトは驚いて目を瞬いたが、流石と言おうかそれも一瞬のこと。ミラが顔を上げる頃には元通り微笑を浮かべていた。


「そんな細かいことは気にしないでいいよ」


 ギルバルトがそう答えた時、騎士の1人が馬車のドアを開けた。ミラは再度軽く頭を下げると、膝に置いていた箱を手にさっさと馬車を降りた。

 片手を空けてフードを下ろし、若干ボサついてしまった髪を整えていると、さも当然といった顔で、ギルバルトも馬車から降りてきた。ミラの訝しげな視線を受けてもその表情は変わらず、彼はにこやかなままこう言った。


「店舗の方に用があってね。知り合いに渡す贈り物を探しているんだ。そうだ、良かったら女性目線の意見を聞かせてもらいたいな」


 付いてくるわけではないと分かり、ミラはほっとしながら困ったような顔で答えた。


「そのようなことは、田舎者に聞くべきではないと思います」

「そうかな? 関係無いと思うけど」

「私などは、装飾品とは無縁の生活をしておりますから。私の意見など参考にはならないと思います」

「率直な感想を言うだけでも、お願い出来ないかな? 私はどうもこういう面には疎くて……」


 演技の可能性もあるので真偽のほどは不明だが、ミラはとりあえず脳内の手帳にギルバルトのページを作り、『ファッションは不得手』と書き込んでおいた。下らないことでも、これから先何かの役に立つかもしれないと思ったのだ。

 そうこうしていると、話し声を聞きつけた弟子が1人、工房の入り口から顔を覗かせた。


「あ、やっぱりミラさんだ! あれ、そちらの御方は……ぎ、ギルバルト様!? …………ええっと、これはいったいどういう事なんでしょうか?」


 ミラとギルバルト(プラス騎士と馬車)を同時に視界に収めるという奇妙な体験をし、弟子は相当困惑したようだった。可哀想ではあったが、ミラは苦笑いを浮かべて強引に誤魔化した。


「私も知りたいくらいです。まあ、気にしたら負けですよ」

「は、はあ」


 弟子は当然の事ながら全然納得していなかったが、ミラはそれ以上の疑問を挟ませなかった。


「それより、ヤイムさんはいらっしゃいますか?」

「はい、今は丁度休憩中の筈です。お会いしますか?」

「お願いします」

「どうぞ。いつもの部屋ですよ」


 了承を得ると、ミラは先程まで会話していたとは思えないほど綺麗にギルバルトを無視し、さっさと工房の中へ入っていった。弟子は弟子で、それを見送ってからギルバルトに向き直った。

 本来、貴族を差し置いて平民を先に通すなど、無礼千万な行いなはず。だが、お得意様で人当たりが良く、弟子の誰よりもヤイムに気に入られているミラと、片手で足りるほどしか店に来たことがないギルバルトでは、どちらを優先するかなど混乱状態の弟子にとっても自明のことだった。

 ここはそんな振る舞いが出来る程の格がある店なのだ。けちを付けようとすれば痛い目を見る事になる。王侯貴族御用達店の人脈は伊達ではない。尤も、ギルバルトは徒に身分を振りかざすような性格ではないが。


「ギルバルト様は、本日はどのようなご用件でしょうか?」

「え? あぁ、店舗の方を見せてもらっても良いかな?」

「もちろんです。どうぞこちらへ」


 ギルバルトは工房の入り口を微妙な顔で見ながら、不明瞭な返事をした。弟子が気を悪くした様子はなかったが、ただ単に、ミラとギルバルトが一緒にいた謎と比べれば、そんな些事は気にならなかっただけかもしれない。ギルバルトは弟子の後について、工房に併設された店舗に入っていき、騎士が2人それに続いた。

 アレンが後方で、笑いを堪えるために途中からずっと顔の筋肉を引きつらせていたことには、誰も最後まで気が付かなかった。



 工房に入ったミラは、中に居た人々から多少の驚きが混じった声で挨拶をされた。ミラはそれらに曖昧に答え、奥のいつもの扉をノックして開けた。

 部屋は相変わらず雑然としていた。作業机の上に築かれたスケッチブックの山の向こうでは、ヤイムがどこか思案げな顔をして、まだ半分程中身が残っているティーカップを弄んでいる。目は焦点を結んでおらず、訪問者に気付いた様子はまるでない。

 そんなヤイムの相変わらずな様子を目にし、ミラは一瞬だけ安心したような笑みを見せた。

 ミラは中に入ってドアを閉めた。それでも気が付かないヤイムの目の前まで歩いて行き、顔を覗き込むようにして声を掛けた。


「こんにちは、ヤイムさん。また考え事ですか? きちんと休憩をとらないと、早い内から頭が寂しくなりますよ?」


 ヤイムの肩が震え、危うくティーカップを取り落としそうになった。ガバッと顔を上げてすぐ傍にミラの姿を認めると、何だ、と大きく息を吐いた。


「前にも言った事があると思うが、驚かすのはよせ。心臓に悪い。それはそうと、珍しいな? これ程間をおかずに来るとは。それにその格好も」

「私のような者にも、色々事情というものがあるのですよ」


 頭に手をやりながらの抗議はさらりと無視され、問いの答えもはぐらかされた。ヤイムも予想はしていたので、ほんの少し表情を動かしたが、それだけで終わらせた。諦めたとも言う。


「それで、今日もまた何か持ってきたのか?」

「ええ。これです」


 ミラが差し出した箱を受け取ると、ヤイムは仕事の顔に切り替え、箱を開けた。そして中身が覗いた途端、真面目な顔のままヤイムの表情が固まった。

 暫しの後に再起動したヤイムは、黙ったまま中から自分の親指の爪程の大きさの、宝石のような物を幾つか取り出し、じっくり観察した。それから、机の引き出しから拡大鏡やら何やらを出してきて、念入りに調べた。

 それが終わるとヤイムは顔を上げ、心底驚いたという表情で尋ねた。


「食糧にならない魔物は狩らないんじゃなかったのか?」

「そうですよ? それはまあ、何というか……とある出来事の副産物とでも言いましょうか」

「はあ? 何だそれは?」


 ミラは微笑むだけで答えず、それはともかく、と話を戻した。ヤイムもミラの不可思議な回答より目の前の品物の方に気が行っていたので、ミラがはぐらかしても文句は言わなかった。


「それらは正直私が持っていても邪魔なだけなので、ヤイムさんに引き取って頂けると助かります」

「市場に出した方が儲かると思うぞ?」

「私が金銭には頓着しないこと、ご存知でしょう? 以前、もし手に入れたら融通して欲しいと仰っていたと思うのですが、もしかして御不要でしたか?」


 ミラが問うと、ヤイムはとんでもないとばかりに空いている手を振った。


「まさか! 大助かりだ!」


 ヤイムは珍しく、顔全体でにっこりと笑ってそう言った。


 ミラが今回持ち込んだのは、ストレス解消のために夜の山に消えた際の犠牲の一部だった。

 ヤイムが手に取っていたのは、猿に似た小柄な魔物の瞳だ。宝石のような見た目と特性を持ち、宝石の産出量が乏しいこの国では重宝されている。上手く売れば、一対で一般市民が半年は遊んで暮らせる程の値が付く。

 この魔物は一応食べられはするが身が少なく、効率が悪いため普段ならミラは見向きもしない。目に映った魔物に片っ端から矢を射掛けていたあの晩のミラに出会ってしまったのが、彼等の運の尽きだった。


 箱に入っていたその他の物も鑑定し終え、ヤイムは買い取り値をミラに告げた。普通ならここから交渉が始まるのだが、ミラは値が高すぎないかと言ったことはあっても、値を上げようとしたことは無かった。今回も提示された金額をそのまま受け取った。


(ふう、これで少しは気が楽になるかな)


 代金を懐にしまいながら、心の中でそう呟いた。これからは何があるか分からない。しかし、これまでのミラの稼ぎで、本に化けなかった分は村長が管理している(ミラが押し切ったからなので、管理させている、が正しい)ため、ミラは現金を持っていなかった。それでは心許なかったので、わざわざ城に連行される前にここに寄ってもらったのだ。


「いつもありがとうございます」

「こちらこそだ。ぜひまた頼む」


 ミラがぺこりとお辞儀をしてそう言うと、ヤイムも上機嫌な口調で返答し、頷いた。そして2人とも同時に相好を崩した。ヤイムは思いがけず手に入った素材の使い道を思いながら。ミラは日常の素晴らしさを思いながら。

 ミラはそのまま暇を告げると、部屋から退出した。その後、弟子達と少しだけ言葉を交わし、工房を後にした。



 来た時とは別の弟子に見送られて外に出ると、所在なさげだった騎士達が顔を向けてきた。しかし、声を掛けようとはしない。ミラという人間は今のところ、彼等にとってどう扱って良いか分からない存在なのだ。アレンはそれを何となく察してはいたが、気にせずミラに話し掛けた。


「用は終わったのか?」

「ええ。お待たせして申し訳ありません」


 ミラはすまなそうな顔をして頭を下げた。それにアレンは手を振って答える。


「いや、ギルバルト様がここに寄ることを許可したんだ、気にすることはない。それに、当の本人はまだ戻っていないしな」

「そうですか」


 ミラが今度は安堵したような表情を浮かべながらそう言った、次の瞬間。

 突然、ローブがバサリと音を立てる程の勢いで、ミラが門の方へ体ごと顔を向けた。そのまま、先程とは打って変わった冷たい表情で通りを睨むように見渡す。しかし、鋭い光を宿した双眸に映るのは、普段と何ら変わりのない『職人通り』の光景だけだった。ミラは思わず眉を顰めた。


「どうかしたのか? いきなり余所見したりして」


 心配そうなアレンの声を耳にして、ミラは我に返り、慌てて表情を切り替えてそちらを向いた。アレンは首を傾げていたが、ミラの雰囲気が変わっていたことに気付いた様子はなかった。心の中でほっとしながら、誤魔化すように微笑んだ。


「すみません、何でもないです」

「……そうか? なら良いが」


 納得していなさそうなアレンを笑顔で押し切り、ミラは馬車に乗り込んだ。もはや定位置となった席に腰掛けるや否や、ミラは自分の世界に入り込んだ。


(さっきのは、絶対勘違いなんかじゃない。間違い無く強烈な視線を感じた。それも複数)


 先程の不快な感覚を思い出して身震いしそうになり、思わず腕をさすった。


(でも、敵意や殺意みたいな、負の感情は感じなかった気がする。好奇の視線に近い、かな? でも一体、誰がどうして?)


 そこまで考えたところで、すぐ外から上がった人声がミラを現実に引き戻した。ギルバルトが戻って来たのだ。ミラは一旦思考を中断し、下ろしたままだったフードを再び被った。

 乗り込んできたギルバルトは、ミラを見て「おや残念」と呟き、それにロイドが吹き出したが、思考を再開したミラは聞いてもいなかった。



 真下から見ると、余計に大きい――そんな当たり前のことを思いながら、ミラは窓から城を見上げていた。

 衛兵に見送られながら、城の裏手の門を通過する際、ミラは何か薄い膜のような物を通り過ぎるように感じた。


(これは……結界? 効果は外からの魔術的干渉の遮断、かな。内から外へ干渉する分には支障はないみたい。城壁を境界線に、ちょっと歪な半球状に形成してるのね。これを常に維持するの、結構大変そうだけど……。あ、もしかしてこの魔術、城壁かどこかに組み込んであるのかな?)


 ミラが結界についてあれこれ考えている内に、馬車が停車した。それから何人かが地に足を着ける音が響き、馬車のドアが開かれた。無言の譲り合いの後、ミラが最初に降ろされた。

 他の人が降りる間に、ミラは初めて入る城壁の内側を見回した。今居る場所は、乗ってきた馬車が2台並んで通れるくらいの道があり、その脇に数種類の木々が植わっていた。

 後ろを振り返ると、組になって城壁上を巡回している兵士の姿がちらほら見えた。訓練中なのか、何処かから威勢のいい声が響いてきている。

 一通り視線を巡らせて元に戻すと、乗客を降ろし終えた馬車が去っていくところだった。それを見送っていたギルバルトが、ミラに顔を向け、にっこりと笑い掛けた。


「我がコーシャス家の城、ソリド城へようこそ。さあ、どうぞこちらへ――」


 ミラに手を伸ばしながら紡いだ言葉に、バァンという無遠慮な轟音が被さった。

 その場にいた全員が揃って発生源に目をやると、すぐ前方の城の扉が開け放たれていて、そこに1人の青年が仁王立ちしていた。穏やかそうな顔には笑みを浮かべているが、全身からは冷たい怒気を滲ませている。金茶色の髪に隠れたこめかみには青筋が浮いていそうだ。

 その姿を認めた途端騎士達に動揺が走り、申し合わせたかのように視線をギルバルトに集めた。その当人は顔を引きつらせ、青年を見た瞬間から目を逸らしていた。ミラは状況が飲み込めず、ギルバルトと青年の間で視線を往復させた。

 張り詰めた空気の中、青年が余計に笑みを深め、口を開いた。


「お帰りなさいませ、ギルバルト様。部下一同、貴方様のお戻りを心からお待ちしておりました。私にさえも何も仰らずに城を出てしまわれて、一体何処に行ってしまわれたのかと、ずっと心配していたのですよ?」


 一歩一歩、ゆっくりとギルバルトに歩み寄りながら、あくまで丁寧に言葉を紡ぐ。しかし、どんなに頭の鈍い人間でも、それを額面通りに受け取ったりはしないだろう。

 真っ直ぐに視線を向けられたギルバルトは、辛うじて笑みを浮かべながら、目は見ないまま応対した。


「あー、その、ただいまオルテ。出迎えてくれて嬉しいけど、でも、どうして――」

「お帰りになる時間が分かったか、ですか? 街壁の門番から報告がありまして。即刻、城の警備に当たっている者に通達したのです。貴方様の姿がお見えになったら直ちに私に伝えなさい、と」

「そ、そうか。えっと、すまなかったね、迷惑かけたみたいで」


 しどろもどろになった主の眼前にまで迫ったオルテは、笑みを崩さず同じ高さにある瞳を射抜くように見つめた。


「いえ、御迷惑だなんて、とんでもありません。貴方様のサインが無いとただの紙切れに成り下がる書類が溜まったり、早急に片を付けるべき案件が宙に浮いていたり、伯爵様から呆れの滲む遠話があったりしたくらいですから。毎度のことですので、お気になさらないでください」


 わざとらしい程明るい声音とは正反対の感情が込められているであろう科白を、オルテは一息に言ってのけた。


「……全面的に私が悪かった。頼むからその無駄に丁寧な口調はやめて、普段通りに話してくれないだろうか?」


 やがて、遂にギルバルトが白旗をあげた。オルテは満足そうに頷き、少しだけ雰囲気が和らいだ。が、責めの手は緩めなかった。


「畏まりました、と申し上げたいところですが、その要求を承るのは御仕事が一段落してからに致します。その方がやる気が出るでしょうし。手早く片付けませんと、執務室で雪崩が起きますよ?」


 オルテは愉快そうにそう告げると、後ろに立っていた騎士達に目配せをした。すぐさま2人が色を失ったギルバルトの両脇を固め、城の中へと連れ去っていった。

 主が扉の向こうに消えると、オルテは取り残されていたミラに笑いかけた。先程までの怒気はすっかり払拭されていた。


「みっともない所を見せましたね。初めまして。私はオルテと言います。貴女は……?」

「あっ、と。申し遅れました。私はミラと申します」


 雰囲気が一変し、口調も変わったオルテを目を瞬きながら見ていたミラは、一瞬名を聞かれたことに気付かなかった。慌ててフードを頭から払い落とし、名乗って一礼した。

 オルテの笑みが、一層感じの良いものになった。それを見て、周囲の人々から次々と安堵の溜め息が漏れた。


「ミラさんですね。主が迷惑をかけてすみません。滞在中は、何かあったら遠慮無く私に言ってください。出来る限りの事をします。アレン!」

「何だ?」


 後方にいたアレンが、ミラの横に並んだ。先程の一幕の間に自分の部下は解散させたらしく、ティーライネスやロイドの姿は見えなかった。


「今回は大変だったみたいですね。取りあえず繋ぎの部隊は派遣しましたから、暫くは待機です。その間、貴方はこのお嬢さんの案内役を頼みます」

「分かった」

「ありがとう。では、私はこれで。主が心配ですから」


 オルテはそう言うと、颯爽と歩み去っていった。ミラはその姿が消えたのを確認してから、アレンに聞いた。


「アレンさん、今の方は……?」

「あの人はギルバルト様の秘書だ。今回みたいにここに連れて来られたのは、ミラが初めてじゃなくてな。毎回ギルバルト様が仕事をすっぽかすから、その度にああやって雷を落としているんだ。その様から、あの人のことを影の権力者なんて呼ぶ奴もいるな」

「あの言葉遣いは……?」

「ギルバルト様は、認めた部下に他人行儀な言葉遣いをされるのが好きじゃないんだ。それを知ってるから、嫌味を言う時だけ普段より丁寧な喋り方をするんだ」

「そうなんですか」


 ミラは頷きながら、脳内手帳のギルバルトのページに『天敵は秘書』と書き込んだ。ちょっと考えてから、オルテのページも作っておいた。


「案内役なんて慣れてないから迷惑かけるかもしれんが、よろしくな」

「こちらこそ、よろしくお願いします」

「じゃ、付いて来てくれ」


 ミラはアレンの後ろについて、ソリド城に足を踏み入れた。




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