びーだま。゜○
ピカピカ
キラキラ
少しも歪まずに
ただそこで
七色の光を放ってる
とてつもなく愛おしくて、時間が経つのも忘れて見つめていたっけ。
いつからだったろう。何も求めなくなったのは。欲しいものがなくなって、ただ流れるままに生きるようになったのは。
晴れた日だった?それともどんより曇った日?
わからないよ…だってあたしは、思い出したくないから。
夏の暑い日、公園に散歩に行って、瓶入りのラムネを買ってくれたお父さん。
ひんやり冷たくて、しゅわしゅわして。飲む度にからんと中の硝子玉が音を立てた。
「これ、すっごいきれいだね」
透き通った、清々しい色。まるであたしの心を映したみたいだった。
微笑んできゅっと瓶の口を回してその宝石をあたしに渡してくれたお父さんが世界で一番大好きだった。
ねぇ…パパ?
今、どこにいるの?
いつの間にかあたしは独りぽっち。会社に出かけたお父さんは二度と帰って来なかった。
「いってくるね」
って寝てるあたしにそっと囁いてくれた感覚はずっと覚えてるのに。
高校生になった今でも、認めたくないことはいっぱいある。
『欲しいもの』がないんじゃない。もう、とうに諦めてるんだ。
早く大人にならなきゃ。そうすればきっと、今ほどは辛くないでしょう?
昔の想い出だって割りきれるでしょう?
…なんて、夢みたいなこと考えてる。
大人になったって、どんなに立派だって言われる人になることが出来たって、辛いことは辛いよ。
悲しいことは、どんなに経っても悲しいんだよ。
おっきくなる度に気持ちは増していく。パパやママが生きてた時と同じ年に近付いていく。
立ち止まりたくないけど、皆はもういない。
あたしの時計の針は絶え間無く動いている。
怖いよ。とてつもなく不安だよ。
でも、確かなことは一つだけある。
びーだまは、ずっと輝いてる。
最後、伝わっていると良いなぁ。自分なりに推敲して思いを込めました。