おめでとうございます
帰還した友和から携帯型通信機を受け取ったエンタメは、さっそくビークルのナビにつないだ。
ナビ子が出た。
《ブイ~ン……って嫌ね……ブイ~ン……あ・また……ブイ~ン・・オナラじゃないわよ・・・・・・成る程・・そうゆう事だったのね・・・データなんて・・ある筈ないもんね・・・》
「おい、ナビ子、もったいぶらずに、さっさと教えろよ」
と友和。
《おまたせしました・・お答えします・・此処は・・アンドロメダ星雲です・・詳細位置は・・アンドロメダのデータが皆無の為・・解りません・・・でも・・とにかく・・アンドロメダ星雲です・・銀河系の知的生命体として・初めて・アンドロメダを訪問してるのね・・・これは銀河史に残る快挙です・・おめでとうございます・・なお・・アンドロメダのデータを入力してくだされば・・ナビ子は・・アンドロメダバージョンとして・・引き続き御使用になれます・・・・・》
「うわ! なんてこった!」
と、エンタメが叫んだ。
「あんまりだわー!」
と、aタイプも悲鳴をあげた。
様子を見に来たクロエとタモラも、のけ反っている。
「あーん友和さん。凄い事になっちゃったわ」
「ダンナ、驚くなよ、此処は銀河系じゃないんだ。アンドロメダ星雲なんだ」
「俺だって聞いてたよ。アンドロメダ星雲くらい知ってるよ。それがどうした?」
「友和さん、私達銀河連盟の知性体の技術水準じゃ、銀河系外の宇宙への航行は、まだ無理なのよー」
「何ですと? つまり戻れないって事なのか?」
「あーん戻れないわ。島流しなのよーえーんえーん」
aタイプはポロポロ涙を流している。
「なにしろ、アンドロメダにやってきた、初めての銀河系生命体だからな」
とエンタメ。
「得意のワープでひょいひょいってな具合にはいかないのか?」
「へへへ無理無理。系外宇宙は桁違いに遠いんだ」
エンタメも泣き笑いになっている。
「そっかあ。知らなかったよ。太平洋を笹舟で横断するようなものか?」
「まさにその通り!」
「つまり、絶対不可能って事か?」
「そういう事だ」
「え~んえ~ん」
再びaタイプが泣きだした。