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最強の魔人に育てられた少年は英雄へと至る  作者: 愛飢男
序章……幼年期、魔人さん編
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5話、今後について

 ~魔人さん視点~


「さて……」


 キャンプ地から4人の女性を連れてようやく帰宅、そろそろ日が昇る時間だ。


「とりあえず……食事かな」


 まずは飯、人間食わないと生きていけないからね。


 女性たちをリビングで休ませて僕は食事の支度。

 あまり時間をかけるのもアレなので簡単なメニューだ。


「お待たせ。まずは食べてゆっくり休んで」


 あんな体験をしたのだ、今はゆっくり休んで欲しい。


「ありがとうございます」


 女性たちはゆっくりと食事を終えて横になる。

 毛布だけは数があるので1人2枚ずつ渡しておく。


 ベッドが無いのが申し訳ない、一人暮らしだから1つしかないんだ。

 その1つではグレンくんとルーシェちゃんが眠っているからね。


「どうしようか……」


 女性の寝ている部屋に居るのも忍びないので家の外の切り株に腰掛けて考える。


 正直、女性と子供を養うことは簡単だ。

 僕の異空間魔法の中には数十人程度なら100年は余裕で過ごせるくらいの物資がある。


 引きこもりを舐めてはいけない、普段引きこもっている分1人狩猟祭の時にはハッスルするのだ。


 しかしそれを提供するだけで生活は成り立つだろうが、それだけで十分だとは思えない。

 人間とは群れで生活する生き物だ。

 たった6人プラス魔人では困ることばかりだろう。


「生きるだけなら十分、生きるだけならね」


 特に目的もなくただ漫然と生きる、それで本当に生きていると言えるのだろうか?


「まぁ、そんなこと魔人である僕が考えることでもないか」


 見た目だけなら人間を飼うと言っても違和感ゼロなんだけどね!


 まぁ、友達の息子と姪、それに友達の村の生き残りなんだ、無下に扱うつもりもない。


「そうだな……これからのことはみんなで決めよう」


 こうなったら魔人の里にみんなを連れていくことも視野に入れておこう。

 ここで暮らすか、魔人の里に行くか、はたまた全く別の場所で暮らすのか……まずは腰を落ち着けないと埋葬も出来ない。


「あ……」


 そこでふと思い出す。

 村の人たちの遺体を回収して来なければ……


「善は急げ……っと」


 飛翔を唱え村まで飛んでいき遺体を回収していく。


 遺体は焼け焦げていて誰が誰なのかも分からない。

 身元の分かる物も無い。


 それでも全ての遺体を回収していく。


 もしかしたら、ここで死んだ兵士の遺体も混じってるかもしれない。

 一緒に埋葬すれば同じ場所に行くのであればあの世で村人にタコ殴りにされればいいと思う。


「これで全部かな?」


 崩れた村の中を隅々まで周り全ての遺体を回収した。

 ついでになにか使えそうなものもあれば適当に異空間魔法で収納しておいた。


「うわぁぁぁああん」


 全ての作業を終えて家に戻ると、グレンくんとルーシェちゃんの泣き声が聞こえてきた。


 ヤバい。時間をかけ過ぎたようだ。

 グレンくんとルーシェちゃんは確かまだ3歳、心細いに決まってる。


 慌てて家に駆け込むと、リビングで寝ていた女性たちも起きていて4人でグレンくんとルーシェちゃんを慰めていた。


「魔人さん、おかえりなさい」

「すみません、グレンくんとルーシェちゃんが起きる可能性を失念していました」


 グレンくんとルーシェちゃんが眠っていたのは、僕が魔法をかけたからだ。

 いくらぐっすり眠っていても所詮魔法、効果は数時間で切れてしまう。


 やはり、冷静になり切れていなかったようだ。

 普段ならこんなミスはしないはずなんだけどな……


「あの……魔人さん、ありがとうございました」


 女性4人のうち2人はグレンくんとルーシェちゃんをあやしている。

 手が空いた2人が僕の前に来て深々と頭を下げた。


「やめてください……僕は村のみんなを守れませんでした」


 先程も考えたが、僕がもっと早く気付いていれば……一緒に暮らしていればもっとたくさんの人を守れたはずなのだ。


「いえ、魔人さんは私たちを守ってくださいました。グレンくんとルーシェちゃんも、魔人さんが居てくれたからたすかったんです」

「それは……」


「魔人さん、自分を責めないでください。魔人さんは何一つ悪くありません。悪いのは全て……国と貴族です」

「……はい」


 この人たちは僕が自分を責めることを望まない。

 また、僕の事を責めるつもりも無いようだ。


 強いな……

 この人たちには僕の事を責める資格もあるだろうにそれをしない。

 それだけで僕はこの女性たちを尊敬する。


「あの、話は変わりますが……」


 これ以上この話をしていても埒が明かない。

 僕はこれからの事を話すことにした。


「正直、この周辺で暮らすのは辛いです」

「でも、行く宛てが無く……魔人さんに縋るしか無いのです」


 これからどうするかと聞いてみると、そんな答えが返ってきた。


「僕があなたたちを助けることは大前提です。グレンくんとルーシェちゃんは僕の友達の子供です。あなたたちも、僕の友達の村の住人、見捨てるなんて有り得ません」

「魔人さん……」

「ありがとうございます……」


 それから、大まかに2つの案を提示した。


 まずは亜人領で暮らすこと。

 これは魔人の里でもいいし、姿の似たエルフ族の里や獣人の里でも構わない。


 どこの里にも人間も住んでいるので暮らしやすいはずだ。

 おすすめは魔人の里だ。

 なんせ生活様式が人間に似ているからね。


 エルフ族や獣人族の里は森の中だし、家は木の上だったりする。

 ドワーフ族やホビット族は家というか洞窟。

 竜人族やハーピー族はめっちゃ高い山の上だったりするし、素人にはおすすめできない。


 魚人族に至っては住処が海の中だからね。行ったら死ぬよ。


 他にはアルベイン王国以外の国への移住。

 僕が目立たないよう護衛しながら他国へ亡命する案だ。


 一応アルベイン王国のどこかの街に……という案も出してみたが即刻却下された。


「私は……亜人領に行きたいです」

「私も亜人領がいいです」

「私も」

「私も」


 女性たち4人は満場一致で亜人領希望のようだ。


 人間にあんな目に合わされたのだ、人間の少ない土地に行きたくなるのも当然か。


 グレンくんとルーシェちゃんは……聞いても分からないか。


 とにかく今は亜人領で暮らす方向で方針は固まった。

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