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あと2話です!お読みいただきありがとうございます。
私は結局ヨハンの弟のジャンと結婚することになった。
義妹としてまたヨハンと関わるのは抵抗があったけれど、
両親が決めたことだから、特に不満があるかと言われると無い。
それにヨハンと婚約していた時からその弟のジャンとも会う機会はあったから、
知らない人と結婚するよりはましだと思う。
ジャンと共に過ごすうちに、私達はお互いを想い合うようになった。
ヨハンとの間に合ったのは、恋でも、その延長の愛ではなかった。
それが分かった。
ジャンはまめに手紙をくれる。
剣術もできるけれど、議論の方が好き。
その割には鍛えていて、細身なのに逞しい。
二人の時はよく笑う。
私と向き合って、話を聞いてくれる。
瞳はあまり大きくはないけれど、黄と金色が混ざった綺麗な色。
少し癖毛で、その為に髪は伸ばして結んでいる。
いつの間にかこんなにジャンのいいところを言えるようになった。
ところが、ある夜。
両親に呼び出され、私はとある疑惑を聞かされた。
それが事実なら……。
私はどうしたらいいのだろう。
時が流れ、私もジャンも卒業して、結婚式の日になった。
ジャンは婿として家を守ってくれる人だって信頼している。
ヨハンとも別に不仲で婚約を解消したわけではないから、
気まずさも薄れた。
花嫁衣装に身を包むと、やはり気持ちが昂ぶった。
純白のドレス。
素敵。
ドレスに見とれているとノックの音がした。
「ジャン?どうぞ?」
扉を開けて姿を現したのは。